水と緑に囲まれた、大人のくつろぎカフェ「了庵」を訪ねてみた。





「鬼岩温泉 了山(りょうざん)」が運営するオープンカフェ&ギャラリーだ。今回は、店長の岡野 咲代子(おかの さよこ)さんにお話をうかがった。
- 食事も景色も楽しめる、癒しの空間
- 了山のシェフによる自慢のランチメニュー
- 老舗ならではの葛藤
- 世界にも魅力を発信していきたい
①食事も景色も楽しめる、癒しの空間
飛騨木曽川国定公園の一角をなす鬼岩公園内にある「鬼岩公園 了山」。政府登録国際観光旅館であり、「プロが選ぶ日本の小宿」に選ばれたこともあるほか、ミシュランガイドで3つ星を獲得するなど、岐阜県を代表するお宿のひとつだ。
そんな歴史のあるお宿「了山」に併設されているのが、オープンカフェ「了庵」である。呂久沢の森の大自然に囲まれた空間で、自慢の神戸炭火焙煎コーヒーやケーキが楽しめる。
この素敵なカフェは、「大自然の中でくつろげる空間を提供したい」という、了山の代表と女将であるご両親の想いから生まれたのだとか。
「水や緑に囲まれた場所で、景色も楽しみながら、ゆっくりくつろげるカフェをつくるのが、両親の昔からの夢だったんです。了山に宿泊された方だけでなく、観光で訪れる方もいらっしゃいます。」
初代である祖父の後を継ぎ、現在は岡野さんのお父様が了山の2代目代表を務めている。創業当時は団体のお客様がメインだったが、時代の流れやコロナ禍の影響もあり、近年は個人のお客様、海外からの観光客が増えているのだという。
「やはり、森と川に囲まれたこのロケーションが、了庵の魅力だと思います。お庭や森のお手入れは正直大変ですが、この景色と空間に癒されに来る方も多いので、時間を忘れてゆっくりと過ごしていただけたら嬉しいです。」
鬼岩公園は、アニメ『鬼滅の刃』で話題になった「鬼の一刀岩」があることでも有名だ。この一刀岩を目当てに訪れる観光客も多いのだとか。広い公園内には複数の散策コースがあり、景色を見ながら散歩を楽しむことができる。

②了山のシェフによる自慢のランチメニュー
了庵で提供されるランチメニューは、完全予約制、地元の新鮮な食材をふんだんに使った、味も見た目も楽しめる、シェフのこだわりが詰まった創作フレンチだ。毎月メニューが変わるので、それを楽しみに訪れるお客様も多いという。
ランチタイム以外は予約なしで入店可能で、豊富なドリンクメニューのほか、期間限定メニューも登場する。
「春と秋には、本店の了山で提供している懐石料理をお弁当形式でリーズナブルにお楽しみいただける特別ランチを提供しています。夏はくずきり・コーヒーゼリー、スムージー、冬はお抹茶セット・あったかぜんざいなどのデザートメニューが登場します。また、食器類にもこだわっているので、訪れた際はぜひ注目して見てみてください。」
了庵で使用されているコーヒーカップやシュガーポットなどは、お客様の性別や雰囲気に合わせて選んでいるのだそう。どの器で提供されるかは、テーブルに運ばれてからのお楽しみだ。
また、2Fのギャラリーでは、委託による展示販売会が定期的に開催されている。月替わりでディスプレイされる美濃焼・ガラス雑貨、店内に置かれているランプ、ギャラリーで販売されているガラス類は、お父様のこだわりが詰まったアイテムばかりだ。


③老舗ならではの葛藤
現在、ご両親が2代目代表と女将を務め、ご家族で「了山」と「了庵」を経営しているが、多くの宿泊客や観光客が訪れるほどの人気と歴史があるからこそ、不安や葛藤もあるそう。
「店長として了庵を運営する中で、お客様から直接お褒めの言葉をいただけることもあり、嬉しさもある一方で、規模が大きければ大きいほど、さまざまな問題も出てきてしまうんですね。お客様の要望に応えたい、寄り添いたい気持ちが強くても、忙しさから手が回らなくなってしまったり、自分の意思だけではどうにもならないこともあったりとやはり簡単にはいきません。」
一人ひとりの気持ちに寄り添いたいという気持ちとは裏腹に、さまざまな想いや事情があるからこそ、思うようにはいかない現実にもどかしさを感じるのだという。
「将来的に誰かが後を継ぐにしても、規模が大きすぎて責任が負えるのかという不安はあります。でも、両親の想いがこもったこの空間をみんなで守り、維持していきたいという想いもあります。なので、お客様が目の届く範囲に関しては、すべて自分たちで手入れをしています。とても敷地が広いので、とても大変なんですが、この雰囲気や空間を保つためには必要なことなので、みんなと協力して行っています。」
訪れる人々に癒しを与えてくれるこの空間は、隅々まで行き届いた手入れによって保たれているということがわかった。
④世界にも魅力を発信していきたい
大きな窓と吹き抜けが特徴の開放的な店内、大自然を感じられる呂久沢の森、こだわりが詰まった外観や内装、食器類から備品まで、どこを切り取っても素敵な空間が出迎えてくれる。
「混雑時はお待ちいただくこともあるんですが、写真を撮ったり、景色を眺めたり、ギャラリーを見て回ったりと、みなさん思い思いに過ごしていただいています。待ち時間も退屈することなく楽しんでいただけるというのも、了庵ならではの強みだと思っています。」
店内の装飾だけでなく、テラス席やお庭、入口の暖簾も季節ごとに変えており、何度訪れても飽きることなく楽しむことができる。細かいところにも、岡野さんのおもてなしの心が散りばめられているのだ。
最後に、今後の目標や夢をうかがってみると、
「大変ありがたいことに、最近では海外からも多くのお客様がいらっしゃいます。一度訪れた方たちが『ここを紹介したいから』って、またご友人を連れてみえるんですね。海外に岐阜県瑞浪市や了庵の魅力が広まっていくのは非常に嬉しいですし、そのために今は外国語を勉強したいなと思っています。」
と語ってくれた。
「これからも、みなさんがゆったりとくつろげる空間を提供し続けていきたいです。」
呂久沢の森は、四季の移り変わりを感じられるだけでなく、その日の天気や時間帯によっても大きく表情を変え、訪れるたびにさまざまな景色を見せてくれる。
何度でも訪れる価値のある、魅力にあふれるオープンカフェ&ギャラリー「了庵」。月替わりのランチメニューや季節限定メニューもぜひ味わってみてほしい。

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