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介護用品の改革に挑む「三喜工業有限会社」を訪ねてみた。

介護用品の改革に挑む「三喜工業有限会社」を訪ねてみた。
TOM
TOM
アイデアを形にするって素敵だよね!
SARA
SARA
私はアイデアを考えるのが苦手なのよね〜確かトムは得意って言ってたわよね?
TOM
TOM
そうなんだ〜サラにいたずらするためのアイデアはたくさんあるんだ!
SARA
SARA
・・・くだらない使い方ね・・・ほんとうに残念だわ・・・
この記事は約7分で読めます。
大垣市にある「三喜工業有限会社」をご存知だろうか。
創業39年の実績を持つ会社で、「悩みを解決する」という理念のもと、アイデアを形にすることが得意な企業だ。今回は、介護事業部長 三宅 弥晃(みやけ ひろあき)様に、お話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • アイデアを形にするモノづくりの会社
  • 「お客様のお困り事を解決する」が原点
  • 現場で見た「施設の当たり前のギャップ」
  • 企画から販売を自社で完結できる強み
  • 介護士の働き方改革の支援をしたい

①アイデアを形にするモノづくりの会社

 

三喜工業は創業39年の実績を持つ会社で、既存商品の不足部分を「プラスアルファ」する形で、日用雑貨から美容健康関連商品まで、通信販売による商品展開を行っている。

 

創業者は三宅さんの祖父で、当初は布などをミシンで加工して衣類を製造する縫製業を営んでいた。社名の由来について、三宅さんは次のように話す。

 

「祖父の姓『三宅』と、祖母の名前に含まれる『喜』という字を組み合わせて、『三喜工業』と名付けたそうです。」

 

家族への想いを込めた社名からは、人を大切にする企業としての姿勢が伝わってくる。創業から20年後、現社長である三宅さんのお父様の入社を機に、新たな事業へ参入するなどし、会社の認知度を高めてきた。

 

「社長は、当時の経営状況や時代のトレンドを考慮して、自身が持っていた通信販売の営業経験を活かし様々なことを始めました。その際に、『悩みを解決する』という理念を掲げてものづくりを進めたのです。最近では、社長自らがテレビショッピングに出演し商品紹介をしている効果もあり、どの商品も好評を得ています。」

 

『悩みを解決する』というテーマのもと、既存商品の不足部分を「プラスアルファ」する視点でアイデアを形にしてきた。その努力が実を結び、多くのお客様から支持を得て、世の中に価値を提供し続けている。

 

そして2024年4月、新たに福祉事業を立ち上げた。

 

「アイデアを形にするのが得意な会社という強みを活かして、新しい分野での価値提供を目指しスタートしました。」

 

ものづくりで定評のある三喜工業は、現状に満足することなく更なる社会貢献を目指し、異業種である福祉事業に挑戦を始めた。福祉業界に新たな風を吹かせる企業として、大きな期待が寄せられている。

 

②「お客様のお困り事を解決する」が原点

 

三喜工業は、高齢化が進む日本社会を見据え、「介護」に焦点を当てて福祉事業に参入した。

 

「これから介護のニーズがどんどん増えていくだろうと予測しています。そのため、既存事業と介護事業の2本柱で展開する三喜工業を目指しています。」

 

現行の介護用品の問題点は、種類が限られていることと、多くの商品が改良されていない状況であることだと、三宅さんは指摘する。

 

「介護用品は、その商品しか選択肢がないため、改良せずとも売れ続けているんです。そのため、既存メーカーも改良に積極的ではないんです。私はこの現状が問題だと考えています。」

 

実際に福祉施設に行って介護用品を見ると、見た目が地味でおしゃれじゃない印象を受けた。さらに、介護を受ける家族の視点では、拘束感があり心理的な負担も大きいという。

 

「現在の介護用品を取り巻く状況を見ると、便利なものが少ないんです。だからこそ、当社で培ったノウハウを活用して、お客様のお困り事を解決します。そのために『既存製品の改良』に重点を置いて、商品開発に取り組んでいます。」

 

介護を受ける本人はもちろん、施設で介護をされている方や、自宅で介護をする家族など、介護に関連する全ての方にとって楽になるものを提供したいと意気込んでいる。

 

企業理念である「お悩みを解決」を原点に、介護用品の改革に着手している。介護用品における新しい価値提供を行うべく、三喜工業の挑戦は始まっている。

 

③現場で見た「施設の当たり前のギャップ」

 

介護用品開発に際して重視しているのは、「現場に行くこと」である。施設で働く方々の意見を聞くことで、現状把握と新たなニーズの発掘に努めているという。

 

「意外なことですが、施設で働く方々の当たり前が、私たちの当たり前とは異なることがあるんです。そういった場合に、私たちの視点で提案すると『確かにそこは気づかなかった』と新たな気づきとなり、商品開発のアイデアにつながっています。」

 

実は三宅さんは福祉事業立ち上げとともに入社しており、それまではOA機器販売会社で6年間営業を担当していた。介護業界は未経験だったため、まず現場に入り、課題を探るところからスタートした。

 

「当社の介護用品の一部は、仙台にある『社会福祉法人大樹(だいじゅ)』さんと共同開発しています。私が大樹さんで皆さんと一緒に働かせていただいたことで、様々な問題に気づき、それを商品開発に活かしています。」

 

実際に、大樹で使用されている製品を題材に改良している。また、現場で働く介護士の置かれている状況についても理解を深めたという。

 

「介護職の待遇に問題があります。営業職のように成果に応じた還元がある職種もありますが、介護職は待遇改善が難しい現状があるのです。だからこそ、当社の商品で介護士の負担を軽減し、間接的な還元ができればと考えています。全商品に共通する想いとして、介護サービスを受ける方とそのご家族、そして施設で働く介護士、全ての方に楽になってほしいと考えています。」

 

三喜工業の介護用品開発には、既存製品の改良だけでなく、介護に関わる全ての方への貢献という想いが込められている。

 

現在、三宅さんは取締役とともに、岐阜県内で介護用品の紹介や意見収集活動を行っている。

 

「岐阜県内で商品紹介や意見収集を行う中、『当社のお皿を使ったら食事がこぼれにくくなった』、『完食できるようになった』といった声を直接聞けることが嬉しいですし、それが次の商品開発のやりがいにつながっています。」

 

利用者に寄り添う視点と確かな耳で意見を収集し、「施設の当たり前とのギャップ」を商品開発のアイデアに活かしている。三喜工業ならではの発想による新商品に、大きな期待が寄せられている。

 

④企画から販売を自社で完結できる強み

 

三喜工業の特徴は、企画から製造、販売まで自社で一括して手掛けており、細かい要望にも対応できる点である。開発した介護用品は、自社運営のサイト「KAIGO Store」で販売している。

 

※興味のある方は下の画像をクリックして商品をご覧ください。

 

「製造工場は海外にありますが、企画から販売まで自社ブランドという形で展開しています。」

 

商品ラインナップが豊富で、幅広いジャンルを網羅している。主要な商品を以下に紹介する。

 

1.調整できる足置き台

両足が床に届かないことによる姿勢の悪化は、血行不良や食事のこぼれなど様々な問題を引き起こす。そのため、足置き台が重宝されているが、多くが手作りのためすぐに壊れたり調整ができなかった。この製品は個人に合わせた調整が可能で、長期使用に耐える設計となっている。

 

 

2.食事が自分でできるお皿

こぼれにくく、滑りにくい、食べやすい設計で、自力での食事をサポートする。今までは類似品がなく、市販のお皿が使われていた背景があった。

 

特徴は以下の4つだ。

・軽い

・すくいやすいカーブ

・低い縁で食べ物が見やすい

・滑り止め付き

高さやカーブの角度などは、施設の管理栄養士や介護士の意見を反映して設計している。

 

 

3.合わせて置くゲーム

ボードゲームで、レクリエーションの一環として、脳の活性化などの効果が期待されるなど、認知症の症状がある方にも親しまれている。全員でプレイできるため、親睦を深めたり、介護士の手が空いたり、様々な恩恵が期待できる。

 

これまでは、紙の手作りで作っていたため、湿気に弱くすぐに曲がるなど、耐久性が著しく低かった。鉄製のボードを採用することで、繰り返し遊べるようになった。

 

三宅さんは新たなゲーム開発の構想について話す。

 

「現在はオセロの巨大版を企画中です。大きいブルーシートにマスを作り、白と黒の石に見立てたものを用意します。全員が参加でき、頭を使い、置く動作により筋力維持につながるなど、様々なメリットが期待できます。」

 

企画から販売を自社で完結できる強みがあるからこそ、現場のニーズに合わせて、柔軟に細かく製品開発することができる。三喜工業の介護用品改革は、新たなステージに進んでいる。

 

⑤介護士の働き方改革の支援をしたい

 

現在、介護事業部として、認知度向上活動に注力している。

 

展示会への出展やインスタグラムでの情報発信、新聞掲載など、様々な手段で認知度向上を図っています。また、近隣の介護事業をされている方々に面会をしたり、今後も様々な視点で計画的に進めます。

 

展示会では、お皿のサンプルを配布し、使用後の評価を収集。多くの施設から高い評価を得ているという。

 

インスタグラムでは、料理やお皿が映える配色にこだわり、プロのカメラマンによる写真を投稿している。

 

「インスタでお皿のレンタル依頼がありますが、サンプル提供という形で、使用感のレビューを投稿していただけるよう提案しています。更なる拡散も視野に入れた取り組みです。」

 

このような広報活動により、着実に認知度が上がっていることを実感している。

 

三宅さんに、介護事業を通じた個人的な夢について尋ねると、三喜工業の商品をきっかけに、正社員で働きたい介護士の支援をしたいと話す。

 

短時間バイトアプリに登録する介護士が2年間で28万人いる現状を挙げて、資格を取得しながら正社員として働けない状況を、社会的な損失だと指摘する。

 

「職場の人間関係など、様々な理由があると思います。その中で『この施設は三喜工業の製品を使用していて働きやすい』『お皿のおかげで食事介助が楽になった』といった評価が、正社員就職のきっかけになればと考えています。」

 

介護現場で一緒に働いた経験があるからこそ、介護士の重要性と負担軽減の必要性を実感している。三宅さんは、メーカーの社員の枠を超えて、介護職に就く方々のパートナーを目指している。

 

三喜工業は、創業39年の実績を持つ企業で、介護分野へ新たに挑戦している。既存製品の改良という独自の視点で、介護に関わる全ての方の負担軽減を追求した商品開発を行い、介護業界に新たな価値を提供している。

 

現場の声を大切にする姿勢と、自社製品が介護士支援を担うという壮大な夢は、介護用品改革を実現する存在として、今後に期待が膨らむ。

 

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