岐阜初!チベット医学を体験できる「蔵サロン-kû-」を訪ねてみた。





古き良き蔵の趣とチベット医学を融合させた、岐阜で唯一のリラクゼーションサロンである。今回は、オーナーの tomo さんに、お話をうかがった。
- アイデアを形に!蔵をサロンに改装!
- セラピストのきっかけは知人の癌
- 岐阜初!チベット医学を取り入れた施術
- 自分の理想を実現できる場所
- アーユルヴェーダのカフェを開きたい
①アイデアを形に!蔵をサロンに改装!
「蔵サロン-kû-(クラサロンクゥ)」は2022年6月12日にオープンし、今年で創業3年目を迎えたリラクゼーションサロンである。入口には、古き良き風情を感じる蔵の扉が待ち受けるなど、ノスタルジーな世界を体験できる。
全ては「自宅の蔵を改装する」というユニークな発想から始まったと、tomoさんは当時を振り返りながら話す。
「きっかけは、コロナ禍で外出自粛を強いられていた時に始めた、蔵の断捨離でした。蔵の整理をした後に『もしかしたら、この場所を他に活用できるのでは?』とアイデアが湧き、サロンを立ち上げようと決意しました。」
室内に一歩足を踏み入れれば、そこには落ち着いた穏やかなプライベート空間が広がり、最高のリラクゼーションを体験できる。tomoさんはセラピスト歴11年の経験を持ち、自身の豊富な知識と技術を活かし、一人ひとりの悩みに寄り添った施術を行っている。パーソナルセラピーとして、丁寧なケアを心がけているという。
「セラピストとしては今年で12年目です。普段は、全国でチェーン展開をしているリラクゼーションサロンで、働いているので、『蔵サロン-kû-』は不定期で営業しています。」
「蔵サロン-kû-」は主に4つのメニューを提供している。
1.ヘッドスパ
2.ボディケア・マッサージ
3.リフレクソロジー
4.カウンセリング
他のサロンのメニューと比べて、チベット医学を施術に取り入れているのが大きな違いである。チベットでは仏教と医学が密接な関係であり、僧侶が医師のように診察・治療を行うこともある。そんなチベット医学へのリスペクトの想いを込め、店名にもチベット仏教の要素を入れていると、tomoさんは語る。
「チベット仏教で『ku』は、『無に戻ること』を表す言葉で、『心も身体も癒して、あらゆる疲れやストレスをリセットしてほしい』というメッセージを込めています。」
また、店名にはフランス語の母音の上に付く山型の記号を「ku」の上に加えるなど、細部までこだわって名付けられている。
「お客様には、身体的な施術を通して、精神的にも前向きになってほしいです。自分の経験や知識が何かのお役に立てればという思いで、惜しみなく提供しています。」
コロナ禍での断捨離から生まれた、蔵を改装したサロン。古き良き蔵の趣と、チベット医学を取り入れた施術で心と身体を癒す。10年以上のキャリアと確かな技術で、池田町から新たなリラクゼーションの形を発信し続けている。

②セラピストのきっかけは知人の癌
tomoさんがセラピストを目指したきっかけは、知人の病だった。tomoさんの当時の勤務先で、アルバイトとして働いていた男の子が、突然白血病を発症したのだ。
「当時の私には、白血病に関する知識が少なく、『白血病=不治の病』というイメージがありました。そのため『あの元気な子が白血病に?』とショックを受けました。そんな時『私に何かできることはないのか』と思ったのが、セラピストを目指したきっかけでした。」
当時、医学博士によるリウマチや癌に関する講演が名古屋で開かれると聞き、すぐに出向いたという。
「講演では、施術の体験や人体のメカニズムについての講義が行われました。講義で学んだことの中でも、『効果が出やすい施術ポイント』と『大切なのは未病を防ぐこと』という2点が印象に残っています。そして、未病を防ぐ仕事に興味を抱いたんです。」
未病とは健康と病気の間にある状態のことで、たとえば「だるさ、疲れやすさ」などを指す。未病を防ぐことができていたら、「病気にならなかった」人もいるかもしれない。そう考えたtomoさんは、人の元気と健康を活性化させるセラピストの仕事に、特別な思いを感じ、強く惹かれたのだ。
「誰であっても元気な方が楽しいし、自分がその一役を担えるのであれば、とても素敵だなと思って、セラピストを目指しました。」
セラピストを目指すきっかけとなった男の子に直接的な支援をすることはなかったが、その後、懸命な抗がん剤治療の甲斐もあり、今は医療に関係する会社へ就職し、元気に過ごしているという。知人が白血病を罹患するという経験が、tomoさんをセラピストの道へと導いた。人々の元気と健康を支え、未病を防ぐセラピストとして、今日も一人ひとりの心と身体に向き合い続けている。
③岐阜初!チベット医学を取り入れた施術
お客様の悩みに合わせた施術を行うためには、お客様の身体の状態を把握する必要がある。
「目の様子や舌の赤みを観察したり、耳を触ったり脈を取ったり、血行や気の流れの良し悪しなど、様々な確認事項を経て、総合的に判断をしています。」
丁寧に身体の状態を把握したら、一人ひとりに適した施術プランを提案する。
「チベット医学であれば、オイルマッサージやカッピングという吸玉療法を行います。他には、ヘッドスパやリフレクソロジー、足つぼや手のマッサージ、もみほぐしなど、幅広く施術します。」
一般的に東洋医学と言うと、漢方を思い浮かべる方も多いかもしれない。漢方薬の処方はしていないが、食事面のアドバイスを行っており、施術から食事までチベット医学の知識を駆使して、トータルでサポートしている。チベット医学の効果は、施術内容や個人差により異なるものの、お客様からは「気持ち良い」、「心も身体もリラックスできる」という声が多く届き、tomoさんは反響の大きさを語る。
「効果は、疲労回復、快眠、肩こりや眼精疲労、腰痛の改善、頭がスッキリするなど千差万別ですね。そういったお客様一人ひとりの声がやりがいとなって、セラピストとしてもっと勉強しようと、意欲を駆り立ててくれます。」
お客様の多くは、紹介経由で来店される。近所でヘッドスパやマッサージを受けたいと来店される方はもちろん、チベット医学を求めて来店される、コアなお客様もいるというから驚きである。
「お客様には、ホットペッパーを見て興味を持たれた方や、チベット医学を習っている方が多いです。岐阜でチベット医学を受けられるのは当店だけなので、興味があれば是非お越しいただきたいです。」
特に、30代〜50代の女性で、施術を受けて前向きになりたい、元気を取り戻したい方にオススメで、「蔵サロン-kû-」がきっかけとなれば嬉しいと、tomoさんは話す。岐阜初のチベット医学を取り入れたリラクゼーションサロン。丁寧な身体の状態確認を行い提案される一人ひとりに適した施術で心と身体の癒しを提供している。

④自分の理想を実現できる場所
チベット医学との出会いは、お世話になったクリニックの先生に、勧められて受講したチベット医学の講座だった。講座をきっかけに勉強を始めると、非常に興味深いことばかりで、気がつけばチベット医学の奥深さに魅了されていたという。
「チェーン店のサロンでは、セラピスト全員に一定レベルの施術が求められるため、決まった施術のみを提供することが多いです。一方で『蔵サロン-kû-』であれば、チベット医学を筆頭に、自分が興味のあることを自由にできるのです。」
現在の「蔵サロン-kû-」での活動は、限られた時間を活用して営んでいるという。ただ、今後は「蔵サロン-kû-」に比重を置いていきたいと、tomoさんは意気込む。
時代の経過とともに、サロン業界でも新しいオイルやフラワーエッセンスのカウンセリングなどが登場し、進化を続けている。tomoさんは、より良いものを取り入れたいという思いで、幅広く勉強して色々と試してみたいと考えている。
「私は、お客様の身体と心の両方をサポートしたいんです。そのためには、自分の引き出しを増やす必要があります。ですから、自由にできる『蔵サロン-kû-』は、自分の理想を実現できる場所でもあるんです。」
チベット医学との出会いを経て、自分が理想とするサロンを実現したtomoさん。「蔵サロン-kû-」は、セラピストとしての成長と、お客様の心身の癒しを追求できる、かけがえのない場所なのだ。
⑤アーユルヴェーダのカフェを開きたい
アーユルヴェーダとは、ハーブを用いた食事療法で健康な状態を維持するという考えを持つインド・スリランカ発祥の伝統医療だ。tomoさんには、「蔵サロン-kû-」とは別に、カフェを開店させたいという構想がある。サロンよりも気軽に立ち寄りやすい人が集まる場所を作って、人の元気と健康を活性化させたいと考えている。
「アーユルヴェーダのカフェを開きたいんです。お客様一人ひとりの症状に合わせて薬草をブレンドしたお茶を提供したり、一緒に自家製薬草クッキーを出したりと、どんどん構想が膨らみます。」
気軽に立ち寄りやすいカフェでのにコミュニケーションを介して、心身の悩みが解決できるかもしれない。その中でサロンでの施術を希望される方は、サロンへご案内する。そんなスタイルを構想しているという。
「小規模なカフェが理想です!自家製のハーブも栽培したいですし、身体に良い効果があるスパイスティーも提供したい。胡椒やペッパーも薬効があるのでスパイスカレーも良いですね!」
お話をうかがえばうかがうほど、tomoさんの夢は無限大に膨らむ。最近は、長年の経験を活かしたセラピスト向けの講座を開講するなど、活動の幅も広げている。
「アイデアがどんどん湧いてくるんです。今は時間が限られていますが、将来的にはやってみたいことにはどんどん挑戦していきたいですね。」
何事にも挑戦しようとするtomoさんの姿には感服だ。コロナ禍での断捨離から生まれた「蔵サロン-kû-」は、古き良き蔵の趣とチベット医学を融合させた、岐阜で唯一のリラクゼーションサロンである。
毎月の営業日や講座の詳しい内容は、インスタグラムで確認できる。完全予約制の落ち着いた空間で、至福のリラクゼーションタイムを体験してみてはいかがだろうか。

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