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岐阜市

麹と発酵でハッピーを広げる「麹・発酵カフェ Rasiku」を訪ねてみた。

麹と発酵でハッピーを広げる「麹・発酵カフェ Rasiku」を訪ねてみた。
TOM
TOM
発酵料理って優しいよね〜。
SARA
SARA
そうね〜。味も美味しいし本当にいいことづくし!
TOM
TOM
サラも発酵したら僕に優しくなれるんじゃない?
SARA
SARA
・・・私が厳しいのはアナタがだらしないからよ・・・
この記事は約8分で読めます。
岐阜市にある「麹・発酵カフェ Rasiku」をご存知だろうか。
麹や発酵食品を使った料理にこだわるお店で、「noma」内で毎月2回の限定営業とキッズキッチンを開催する、ユニークな取り組みを行っている。今回は、共同運営をしている、吉村 悦子(よしむら えつこ)さんと福岡 かおり(ふくおか かおり)さんのお二人に、お話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 「自分らしく」麹・発酵を広めたい
  • 事業を始めたきっかけは子どもの食育
  • 体質改善を感じて麹にこだわる
  • 麹スープをメインとする提供スタイル
  • 麹と発酵でハッピーの輪を広げたい!

①「自分らしく」麹・発酵を広めたい

 

「麹・発酵カフェ Rasiku」は、麹や発酵を用いた料理にこだわるダイニングカフェで、毎月2回、「noma」内にて1日限定の営業を行っている。

 

店名の「Rasiku」は、「らしく」という言葉に掛けて名づけていると、二人は話す。

 

「『自分らしく麹や発酵を楽しんでいただきたい』というお店のコンセプトと、言葉の響きがマッチしたので決めました。自分たち『らしく』麹や発酵の良さをお伝えし、お客様それぞれが『らしく』取り入れていただきたい、という想いが込められています。

 

現在も二人はそれぞれ料理教室を営んでいるが、なぜ並行して「Rasiku」を創業したのか?きっかけは、「noma」のオーナーからの打診だった。

 

nomaのグランドオープン時にオーナーさんが『お二人は価値観が似てるように感じるから一緒にお店を始めたら良いんじゃないですか?』とお声がけをいただいたことがきっかけなんです。私たちは麹や発酵に対する想いなど、様々な部分で価値観が近かったので、良い機会だと感じて一緒に始めたんです。」

 

吉村さんと福岡さんは10年以上前から一緒にキッズキッチンを開催していた。その場所が「noma」オーナーの別会社が運営していたという背景があり、以前より繋がりがあった。

 

「noma」は、2022年にオープンしたライフシェアスペースで、シェアキッチンをはじめ多目的に利用できる場を提供している。「新たな価値と出会い、繋がる」をコンセプトに、人と人の間にしか生まれない新しい価値を、それぞれの使い方で生み出してほしいという想いを持っている。

 

ほぼ毎日様々な店舗が出店しているため、日替わりで雰囲気が変わるのが特徴だ。常連の方も、初めての方も楽しめる場所として、多くの方に支持されている。

 

「『noma』さんと『Rasiku』のコンセプトが合っていて相性が良かったんです。『noma』さんが横のつながりをサポートしてくれるので、困りごとがあっても出店店舗のみんなで助け合ったりと、良好な関係が育まれています。」

 

「Rasiku」はコロナ禍の影響で一時休業を余儀なくされた時期もあったが、合計で1年以上営業を続け、地域の方々に親しまれている。

 

「おかげさまで少しずつですがお店の認知度が上がってきたと感じています。」

 

10年以上の絆を経て生まれた「Rasiku」。「noma」との価値観の共鳴が、麹・発酵の魅力を「自分らしく」広める新たな場を創り出している。

 

②事業を始めたきっかけは子どもの食育

 

「Rasiku」では通常営業とは別に、毎月1回キッズキッチンを開催している。子どもだけの料理教室で、幼稚園の子も包丁を持って料理をしているという。二人はキッズキッチンを通じて、子どもたちへの食育につながればと考えている。

 

吉村さんが料理教室を始めたのは、自分の子どもへの食育を考えたことがきっかけだった。

 

二人の娘たちに対して私にできる食育は何か?を考える中、子どもと一緒に料理をする『キッズキッチン』の存在を知ったんです。感銘を受けた私は、すぐに資格を取ってキッズスクールを始めたのが、料理教室を営むスタートでした。

 

一方で吉村さんからキッズキッチンの内容を聞いた福岡さんは、今後自分がやりたい事とキッズキッチンの方向性が同じ角度を向いていると感じ、資格を取得。

 

福岡さんは、過去に小学校や高校の家庭科の教師をしていた。その経験を通じて、食育など子どもが生きる力に関連する事業に携わりたいという想いがあったと、当時を振り返る。

 

「吉村さんからキッズキッチンの話を聞く中で、自分がやりたかった想いと形にうまく合致する感覚がありました。今は『Rasiku』の他に、学童のキッズキッチンの講師をするなど、色々な形で子どもと関わる仕事をしています。」

 

キッズキッチンは、子どもたちが料理を通じて、たくさんのチャレンジができる場だと考えている。大人に成長する上で、失敗してもやり直すマインドや、興味のあることに主体性を持って行動する姿勢を育めるので、多くの経験を積んでほしいと願っている。

 

子どもたちが自分で作ったご飯を自分で食べているときに、達成感を噛み締めたり、自己肯定感を高める姿を見る瞬間がとても好きなんです。

 

そう語るのは吉村さん。一方福岡さんは、家庭ではなかなか難しい料理を通じた学びを、代わりにキッズキッチンが引き受けていることに、大きなやりがいを感じていると続ける。

 

「今は家庭ごとに色々な事情や考えがある多様性の社会なので、子どもたちが料理を作る場が減っている現状があります。そのため、私たちは子どもたちの食育を補う役割を担っており、あえて見守る立場でサポートできたらと考えています。

 

利用者の親御さんからは、子どもたちが家に帰ってからも積極的に料理を手伝ってくれるなど大好評の声が多く、事業継続のモチベーションの一つになっている。

 

子どもの食育から始まった二人の事業への挑戦。月1回のキッズキッチンで、料理を通じて成功と失敗を経験しながら生きる力を育んでいる。

 

③体質改善を感じて麹にこだわる

 

「Rasiku」が麹や発酵をメインにこだわる理由は、吉村さん自身の実体験からだった。もともとアレルギー体質だった吉村さんが、麹メインのお料理に変えたら、体調が良くなったというのだ。

 

「約10年前の塩麹ブームに影響を受けて、試しに取り入れてみたんです。麹による体調の変化を実感したので、『もしかしたら、皆さんにも良い効果を与えるかもしれない』と考えました。それ以来料理教室にも取り入れるなど、一人でも多くの方に麹の良さを伝えたいという想いで、今日に至っております。

 

生徒からの評判も一様に高く、麹の良い効果をもたらすという声が多いという。健康診断の数値が改善したという声や、お子さんが以前より風邪を引きにくくなったという声など、さまざまだ。

 

麹の効果に関して、福岡さんも実体験を持っている。

 

「私の場合は、20年以上悩んでいた花粉症が治りました。子どもも風邪を引きにくくなるなど、効果を実感しています。もちろん、麹だけのおかげでは無いと思いますが、私は麹も大切な要素だと考えています。」

 

「Rasiku」が提供する料理を通じて、麹初心者の方の入門のきっかけとなれば嬉しいと、二人は話す。

 

「人生100年時代と言われ健康長寿が叫ばれています。今後病気による日常生活の制限を受けないためにも、麹のような体に良い食材を取り入れてほしいんです。そんな想いが『Rasiku』のコンセプトにつながっています。

 

自らの体質改善体験から生まれた麹への探求。「Rasiku」は美味しさと健康を両立した料理で、麹生活の第一歩を提案している。

 

④麹スープをメインとする提供スタイル

 

「Rasiku」の料理は、「体に良くて優しい味でありながら、奥深さもあり美味しい」と評価され、多くのお客様から支持を得ている。特徴は、麹を主体にしたスープをメインに据えて展開していることだ。

 

「私たちは季節の野菜を取り入れた麹料理を得意としています。そのため、毎月色々な種類のスープを作り、スープと一緒に他の料理を選んでいただくスタイルで提供しております。

 

スープ以外には、お弁当やお惣菜、お菓子まで用意されており、全てに麹を取り入れている。塩麹や野菜によって旨味が増すため、塩分も控えめでヘルシーな点が嬉しいポイントだ。

 

「ご飯にも「麦塩麹」が入っていて、塩味風味の旨味により、冷めても美味しいんです。男性のお客様を中心に人気のあるメニューです。」

 

お客様は女性が中心だが、最近では奥様と一緒に訪れた旦那様の方が、お店のファンになるケースも増えているという。

 

「Rasiku」ではさまざまなメニューを展開しお客様を喜ばせているが、自分たちが行きたいお店や、買いたいメニューをイメージしながら、考案している。

 

「『こんなものが欲しい』をキーワードにしています。そのため、お客様の声にも耳を傾け、寄り添うメニューができたら嬉しいです。外食の場合、添加物を気にされる方もいらっしゃるのでその点も考慮しながら、『外食でも気にせず食べられるメニュー』を目標に、二人で相談して楽しく作っています。」

 

「Rasiku」の特徴は、季節の野菜と麹の調和から生まれるスープが主役であること。「こんなものが欲しい」を形にしながら、美味しいと健康を両立した料理を追求している。

 

⑤麹と発酵でハッピーの輪を広げたい!

 

二人に今後の展望についてうかがうと、「noma」でベースをしっかり作り無理なく長く続けたいと、吉村さんは話す

 

「そのためにも『Rasiku』の認知度をさらに上げて、麹や発酵の良さを広めたいです。

 

さらに福岡さんが続けて想いを語る。

 

「麹を通じて皆さんが心も体もハッピーになればと願っています。そして、『Rasiku』を運営することで、そのお手伝いにつなげればと考えています。」

 

その上で、月2回の現在の営業ペースはちょうど良いという。

 

「お互いに色々とやりたいことがある中での『Rasiku』なので、ライフスタイルと合わせてその都度二人で相談しながら進めていければと考えています。

 

これこそ二人にとっての「らしく」である。

 

「皆さんには日々健康に過ごしてほしいので、食で改善できるのであれば、ぜひ麹を取り入れてみて欲しいです。まずはお試しに、『Rasiku』へお越しいただき食べてみてください!」

 

お二人から読者の皆さんへのメッセージをいただいた。麹と発酵をテーマに、健康と美味しさを両立させた「Rasiku」。

 

オーナーの二人が自らの体験から発見した麹の効果を、多くの人に届けたいという想いで始まったこの挑戦は、今や地域に愛されるお店へと成長した。

 

季節の野菜を活かした麹スープを中心に、子どもから大人まで楽しめるメニューと、月1回のキッズキッチンでの食育活動も特徴である。

 

自分らしく健康な心と体を目指す方は、月2回の営業日にぜひ訪れて麹料理の魅力を体験してほしい。詳細はInstagramでチェックできるので、お見逃しなく。

 

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