サービス業
岐阜市

癒しと安らぎを提供する空間「now and flow」を訪ねてみた。

癒しと安らぎを提供する空間「now and flow」を訪ねてみた。
TOM
TOM
サラ、タイマッサージって本場で受けたらやっぱり違うのかな?タイまで行ってみタイな〜!
SARA
SARA
タイに行く前に近くで受けられるところもあるでしょ
TOM
TOM
いや〜タイの空気吸いながらマッサージ受けたら、体が全部軽くなりそうじゃない?
SARA
SARA
・・・タイマッサージの良さって空気じゃないから・・・
この記事は約7分で読めます。
岐阜市にある「now and flow」をご存知だろうか。
タイマッサージを中心に、心身の調和を整えるセラピーを提供している。今回は、代表の藤原 雅美(ふじわら まさみ)さんにお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • さまざまな経験が導いた、人と向き合う施術の道
  • 本場タイでの学びと文化との出会い
  • 「全体性」にこだわる施術と哲学
  • 心身の健康を支える多彩なセラピー
  • 癒しの空間で築く幸せな循環

① さまざまな経験が導いた、人と向き合う施術の道

 

藤原さんの経歴は実に多彩だ。美容師、販売職といった接客の現場を経て、現在の施術業にたどり着いた背景には、一貫して「人との関わりを大切にしたい」という思いがある。

 

美容院で働いていたころ、シャンプーやマッサージを通じて多くの人が喜んでくれる姿を目の当たりにし、それが自分の喜びにもなっていったという。

 

11の仕事がすごく好きだったんです。販売業でも、あるターゲットに合わせたディスプレイや買い付けをしていました。もっとその人と深く関わることがしたいと思っていました。」

 

その後、マッサージの技術を学ぶ中で出会ったのが「タイマッサージ」だった。体全体に触れ、動かしながら相手の状態を読み取る手法に、藤原さんは深く惹かれていった。

 

「ストレッチを交えながら体を動かしていくので、自然とその人に対する理解度が高まるんです。普通のオイルマッサージよりも、その人の全体像に触れられる感覚があります。」

 

施術を通じて「今その人に本当に必要なもの」を提供すること。それが藤原さんの目指すスタイルだ。その思いは、店名にも表れている。「now and flow」という名前には、仏教的な「今この瞬間」を大切にする思想と、その人の人生の流れに寄り添うという意味が込められている。

 

「その人に今必要なものを必要な形で届けたい。そんな考えから生まれた名前です。」

 

流れに逆らわず、その瞬間に誠実であること。過去の経験をすべて活かしながら、藤原さんは今も「人と深く関わる」施術を重ねている。

 

② 本場タイでの学びと文化との出会い

 

藤原さんはもともと岩手県に拠点を置き、タイマッサージを学んでいた。

 

「岩手県出身なので、地元での本業の傍ら修行のお店で技術を学んでいました。でも途中で修行先が無くなってしまったんです。だったらいっそのこと本場の技術を学ぼうと決意し、タイに行くことにしたんです。」

 

その決断が、藤原さんの人生に大きな転換点をもたらした。タイではマッサージスクールに通った。

 

「タイマッサージのスクール自体は1週間程度で通える短期コースもあり、観光がてら訪れる人もいるくらいで、実はそこまでハードルは高くないんです。」

 

しかし藤原さんにとって衝撃だったのは、文化の違いだったという。

 

「本場のタイマッサージは仏教色がとても強いんです。タイ仏教独自の文化も多く、お坊さんにお布施を渡す『タンブン』の風習を目の当たりにしました。現地で実際に触れないと分からないことが多かったです。」

 

タイのスクールで、偶然同じく学んでいた岐阜県の人に声をかけられ、帰国後は岐阜で働くことを決めた。だがそこには厳しい現実があった。

 

「タイで学んだことをお客様に還元したい、気持ち良くしてあげたいという気持ちを強く持っていました。でも、それだけでは成り立たない業界でした。指名を取って、自分のお客様を作り、売り上げを確保しなければならない。そうなると周囲と競争しなければならず、自分が納得のいく施術ができないことに悩みました。」

 

回転率や利益が重視される施術スタイルと、一人一人のお客様との関係を大切にしたい思い。その両立は容易なことではなかった。このときの経験が、藤原さんに「自分の理想とする施術を実現したい」という強い独立の動機を芽生えさせたのだ。

 

③ 「全体性」にこだわる施術と哲学

 

現在now and flowで提供しているサービスについて、藤原さんは熱く語る。

 

「タイマッサージ自体が、自分が楽に生きていくために必要な要素のひとつなんです。」

 

その言葉の背景には、藤原さんが長年にわたって学び、体得してきた施術への深い思いがある。藤原さんが今、強く影響を受けているのは、フランス人のオステオパシーの先生だという。

 

「オステオパシーは自然医学の一種です。筋肉、骨、関節、内臓、神経など、全身の組織に触れ、働きかけます。その先生が大切にしているPAIという考え方にとても感銘を受けました。『now and flow』でもこの考えを大切にしています。」

 

PAIとは、プレゼンス(自分のあり様)、アテンション(全体性を捉える注意の向け方)、インテンション(意図を持つこと)のこと。施術にあたる姿勢そのものを表す言葉だ。

 

「オステオパシーもタイマッサージも、部分を単体で見るのではなく、全体性を大切にします。どこかをピンポイントで施術するという見方はしないんです。」

 

その姿勢は、施術のアプローチにも表れている。

 

「例えばどこか不調を感じていたら、そこだけを見るのは一度手放します。一度全体のバランスを見ながら、この方はここを触ってほしいんだな、ここを緩めたらいいんだなと感じ取り、施術していきます。」

 

施術時間は90分から3時間と幅広く、お客様の状態や必要に応じて調整される。

 

「意外と疲れないんですよ。施術をしながら自分も健康になっていく感覚があります。相手が軽くなっていくと、こちらもスッと抜けていくようで。癒しというのは、そんな循環なんだと思います。」

 

普段使わない筋肉を使うことも、セラピスト自身が整っていく理由のひとつなのだろう。藤原さんの施術は、単なるマッサージにとどまらない。全体性を見つめ、相手と向き合う時間そのものが、互いを整え、癒していくのだ。

 

④ 心身の健康を支える多彩なセラピー

 

now and flowでは、タイマッサージを軸にしながらも、多様なセラピーを取り入れ、より幅広いニーズに応えている。

 

「今、女性向けの子宮バランスセラピーという子宮ケアの施術を始めています。タイマッサージの流れを活かしたもので、普段の施術にプラスアルファで提供しているんです。」

 

そう話す藤原さんの表情には、女性特有の悩みに寄り添いたいという強い思いがにじむ。

 

「精神的な不安に加えて、生理周期やホルモンバランスの乱れで生きづらさを感じている女性が多いと感じています。そうした悩みを抱えながら、我慢して仕事や日常生活を送っている方も少なくありません。」

 

心と体は深くつながっている。だからこそ、体に触れる施術を通じてその人全体を整えたいというのが、藤原さんの願いだ。

 

「タイマッサージは医療ではありませんから、治療ができますと言うことはできません。でも、自律神経を整えることで、不眠やむくみといった不調の改善を目指しています。体の調整機能に働きかけ、精神的にも肉体的にも強張った部分を緩めたいんです。」

 

その姿勢は、どこまでも相手の自然なバランスを取り戻すことに軸足を置いている。

 

さらにnow and flowでは、フラワーエッセンスという自然療法も取り入れている。植物のエネルギーを転写したこのエッセンスは、心理的な変化をサポートするものだという。

 

「飲み物などに数滴入れて飲むと、不思議と変化があるんです。執着していたことへの気持ちが変わったり、体が軽くなったり。無意識の部分に働きかけて、潜在意識が変わっていくようなイメージですね。実感できる方は多くはありませんが、そうした方のサポートができたらと思っています。」

 

施術を受ける人それぞれの心身の状態に応じ、その時に必要なケアを組み合わせて提案していく。それが藤原さんのスタイルだ。

 

⑤ 癒しの空間で築く幸せな循環

 

now and flowのコンセプトについて、藤原さんは空間づくりへの強いこだわりを語る。

 

「この空間が良いと思った理由は、静かで広くて明るいこと。こういう空間って、なんだか子供に戻れそうじゃないですか。静かで安心安全の場所は、その人の本質が見えてくる場所になるんじゃないかと思っています。」

 

日常の喧騒から少し離れた場所で、ありのままの自分と向き合える時間を過ごしてほしい。そんな願いが込められている。

 

「癒しを通じて、その人がほっと休める場所になったらいいなと思っています。ここ、本当に静かなんですよ。この前来られたお客様が『ここに引っ越してこようかな』と言われたくらいです。」

 

その言葉には、この空間が持つ安心感と心地よさがにじむ。

now and flowが目指す在り方について、藤原さんは明確なビジョンを持っている。

 

「とにかく循環している場所にしたいんです。人との関係やエネルギーが、良い方へ循環していく場所。それを生み出したいと思っています。」

 

良い環境が自然と人とのつながりを深め、相乗的に心地よい関係を育んでいく。それがこの場所の理想だ。将来の展望についても伺ってみた。

 

「ここをずっと続けていきたい、ということはなくて、人は移り変わるものだと思っています。だから流れに身を任せ、必要とされればお手伝いをしていきたいです。」

 

now and flowの名の通り、流れに逆らわず、自然体でいることを大切にしているのだ。そして最後に、大切にしている想いをこう語った。

 

「出会った人、みんなが幸せならそれでいいんです。関わったすべての方に『一緒に幸せになりましょう』という気持ちを持っています。」

 

心身の疲れを感じている方は、ぜひ一度訪れてみてほしい。静かで安心できる空間で、自分本来の心地よさを取り戻すことができるだろう。

 

SNSで記事をシェアしよう

RECOMMEND

記事一覧へ戻る

Instagram