お客様の安心のために遠方でも会いに行く「株式会社リアルエステート岐阜」を訪ねてみた。
お客様の安心のためなら、遠方だろうと駆けつけてくれると話題の不動産屋だ。今回は、株式会社リアルエステート岐阜の代表取締役 岡田 幹生(おかだ みきお)さんにお話を伺わせていただいた。
- 創業のきっかけ
- お仕事について
- 変わるもの・変わらないもの
- これから
①創業のきっかけ
社名の由来について尋ねてみた。
「不動産屋は英語でリアルエステートなので、そのまま”岐阜の不動産屋”という意味で、この社名にしました。」「誰が見ても分かりやすく、すぐに覚えてもらえるようにと考えました。」
創業の経緯がちょっと変わっているのだと教えてくれた。創業のきっかけを尋ねてみた。
「僕の実家の家業が不動産屋だったんですよ。祖父の代から父に引き継いで僕が三代目なんです。」「不動産屋は家業で僕は、三代目なのですが、会社を引き継いだ訳では無いんですよ。」
より詳しく聞いてみた。
「学校を出てから大阪と京都で大手の不動産屋で勤めていました。その後、結婚したタイミングで実家に戻って家業の不動産屋を手伝うようになったんです。でも、バブルが弾けたんです。それを境にそれまでのやり方が通用しなくなったんです。それで父と意見が合わなくなって家を出たんです。」
家業を離れたのは、バブル崩壊がきっかけになったのだと話してくれた。不動産業は大ダメージを受けたというのはよく耳にするが、当事者のお話を聞いたのは初めてだった。
「家を出てからは、都内の不動産会社で8年ほど勤めていました。仕事もうまくいき全てが順調でした。でもその後、東日本大震災をきっかけに色々考えるところがあったんです。考えた結果、縁があった岐阜に行く事にしました。」「最初は実家の不動産屋の岐阜支店という形で立ち上げようって話になったんですけど、他県だと免許の関係で手続きが必要だったんです。それで父の許可が出なかったんです。なので、新しく立ち上げる事になり創業しました。」
一度は家業に入ったもののバブル崩壊がきっかけで家業を離れたが、その後、ご自身で不動産屋を立ち上げた経緯を教えてくれた。家業を継がないという選択は、相当な覚悟が必要なのではないだろうか。それでも不動産業を続けたいという、岡田さんの熱い想いが感じられるお話を聞かせていただいた。
②お仕事について
不動産業でも取り扱う業務は様々である。リアルエステート岐阜ではどんなお仕事をされているのか尋ねてみた。
「うちは物件の仲介とか売買を専門に行っています。」「同じ不動産でも、土地の販売を専門にやっている所や、賃貸の仲介斡旋をメインでやっている所とか様々なんですよ。」
不動産とひとくくりにしても全く内容が違うお仕事が多いのである。
「不動産をしている人ってお金持ちって印象があるかもしれなんですけど、実際はそんな事はないんですよ。確かに商品単価は高いんですが、物件を仕入れても実際は売れるまでに2年かかってたりすることも多いんです。そうすると仕入れてから売れるまの間は維持費や広告費とかが掛かり続けるので、出ていくお金も多いんですよ。」
動かす金額が大きいからか、失礼ながら私もそのイメージを持っていた。岡田さんのお話を聞いていると、自分が抱いていたイメージが間違っていたことが分かった。
「コロナの時はあんまり影響を感じなかったのですが、二年前くらいから、仲介の依頼がとても減ってしまたんです。コロナが直接影響した訳ではないかもしれませんが、建築資材が値上がりして引き渡しが出来ない状態が続いたことが影響したようです。」
「今は築浅物件と言って建物ができてからまだ日が浅い物件が中古ではありますがすごく売れているんです。今は予約待ちになってるんですよ。」「今すぐに住みたい人は新築だと時間がかかってしまうからと築浅物件をお求めになるようです。」
自動車市場の動きと非常に似ていると感じ驚いた。両者共にすぐに住める(使える)という共通点があるのだ。驚いたのと同時に納得した。
株式会社リアルエステート岐阜の強みを尋ねてみた。
「フットワークが軽いっていうとこですね。東北の秋田とか九州の佐賀とかでも、呼ばれたらお客さんの所へ行って説明させていただきます。大体どこの不動産屋さんも査定結果はメールや郵送だと思いますよ。」「査定結果は、会って直接説明してやっと理解できるような物なんです。全国どこにでも行くのでとても大変ですが、お会いして説明するとやっと分かったよ!ってお客さんも言ってくださるので、これからも続けますよ。」
他社との差別化の為だけでなく、お客様に納得していただく為にという理由で自ら動くというのは岡田さんのお人柄なのだと感じた。素敵なお話を聞かせていただいた。
③変わるもの・変わらないもの
お仕事をされてきた中で辛かったことについても尋ねてみた。
「バブル崩壊後ですね。本当に地獄のような時代でしたよ。我々の業界も大打撃を受けましたよ。」「バブル絶好調の時を味わってるから金銭感覚が狂っているから、普通に戻るまで10年くらいはかかった。天国も味わったし地獄も味わったって感じです。」
時代の変化で一気に変わったのだと話してくれた。バブル崩壊後のお話を聞かせてもらったが、この場では書けないほど壮絶なお話だった。
「やっと普通に戻って、今が1番良いなって思う。」岡田さんが辿り着いた幸せな暮らしについて話してくれた。最高も最低もどちらも味わっている岡田さんが言うからこそ説得力があると感じた。その時代を経験していない私には、”普通が1番”そう思える事に憧れすら感じる。
今度は逆に、お仕事で嬉しかった事を尋ねてみた。
「1番最初の大手不動産屋に勤めた時なんですが、すごく気に入ってもらえて家族ぐるみのお付き合いをするようになったお客さんがいたんです。何十年も経ってその人から突然連絡がきて、息子が結婚するから物件を探してもらいたいと依頼があったんです。その時は本当にやりがいを感じました。」「不動産を買うなんて一生に1回あるかないかの経験だと思うのですが、その大切な経験のパートナーとして私を再度、選んでいただけたことは本当に光栄ですし、不動産業を続けてきて良かったと心底思いましたね。」
やりがいを感じたお話を聞かせてもらった。確かに期間が空いても岡田さんの事を忘れず、連絡をしてくれるほどの関係というのはすごい。だが本当にすごいのは、それだけ気に入ってもらえるお人柄ではないだろうかと感じた。
「商品ではなく自分を売るということを最初の会社で学びました。この人から買いたい!この人に任せたい!と思ってもらえるように行動したんです。そのおかげで今でも信頼してもらえているんだと思います。」
初めて入社した会社で教わったその考え方が、今も岡田さんの軸となっているのだと話してくれた。このお話を聞かせていただいて、改めて人間性こそが1番重要なのかもしれないと考えさせられた。バブルという時代とバブル崩壊後で様々な変化を経験されてきた岡田さんが、ずっと貫き通してきた「商品ではなく自分を売る」という考えが重要という事にずっと変わりない。今回得た学びは、今後必ず役に立つのではないだろうか。素晴らしいお話を聞かせていただいた。
④これから
今後について尋ねてみた。
「今は全国至る所で空き家が増えているのが様々な問題となっています。問題解決の一つとして空き家の処分に準じたお仕事をメインにしていきます。空き家を相続して固定資産税が発生して困っている方には是非知って貰いたいです。」「引退を考える年齢に差し掛かっていますがまだまだ、不動産でお困りの方をお手伝いしたいと思っています。」
不動産業が好きだからやっているとも話してくれた。これも岡田さんの相手を思いやる人柄を感じる。ぜひ後継ぎを見つけて継承してほしいと感じさせられた。本当に素敵な話ばかり聞かせていただいた。今回聞かせてもらったお話には、学ばせてもらう事が非常に多かった。今後に役立てていきたいと感じた。
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