サービス業
各務原市

不調を諦めない人生へ。心と体を整えるサロン「THREE6BODY9」を訪ねてみた。

不調を諦めない人生へ。心と体を整えるサロン「THREE6BODY9」を訪ねてみた。
TOM
TOM
サラ、大丈夫?なんか疲れてない?
SARA
SARA
家事が立て込んでて、ちょっと疲れちゃって・・・
TOM
TOM
そうなんだ!じゃあ休みなよ!
SARA
SARA
・・・今休んでも、結局家事するのは私でしょ?「代わりにやるよ」くらい言えないのかしら!
各務原市にある「THREE6BODY9(スリーシックスボディナイン)」をご存知だろうか。
自分のケアが後回しになりがちな女性たちのためのサロンだ。今回はオーナーの尾野 千尋(おの ちひろ)さんに、お客様に対する想いやケアのこだわりを伺った。
今回のツムギポイント
  • 日常の不安を原動力に変えた“最初の一歩”
  • 弥勒菩薩から授かった“369”という願い
  • 痛みの“背景”を探すケア。全身から読み解く施術
  • 体の自然治癒力を引き出す技術
  • 体と心に向き合う文化をつくる

①日常の不安を原動力に変えた“最初の一歩”

 

もともと尾野さんは、家庭と仕事を両立しながら日々を過ごす日々を送っていた。飲食店での勤務を続けながら、家族を支える毎日。その中でふと、自分のこれからの生き方について考える瞬間があったという。

 

「働いている時に、この仕事がもしなくなったらどうなるんだろうと想像したんです。その時、自分の手で未来をつくれる力を持ちたいと考えたんです。」

美容やエステの世界にはもともと関心があり、美容に触れることが好きだった尾野さん。

「女性が、自分の力で立つことは本当に大切だと思うんです。」

 

その想いが、背中を後押しした。思い立ってからの行動はとても早かった。資格取得を経て経験を重ね、施術の腕を磨き続けた。手技を中心としたケアを深めていくなかで、「手で癒やす」という行為が持つ意味を強く感じるようになったという。

 

「機械を使っての施術も活用しますが、やっぱり“手で触れる”って安心につながるんです。昔から“お手当て”という言葉があるように、人に触れることって本当に大切だと思います。コロナで距離ができた時に、その大切さを改めて感じました。」

 

手で触れ、そっと寄り添う行為は、技術以上に“心に届く温度”を持つ。それは尾野さんが大切にしている信念であり、いまの活動の源となっている。

 

②弥勒菩薩から授かった“369”という願い

 

サロン名「THREE6BODY9(スリーシックスボディナイン)」には、一見スタイリッシュな響きとは裏腹に、深い想いが込められている。

 

「名前の由来は弥勒菩薩(みろくぼさつ)なんです。弥勒菩薩は“慈しみ”の象徴と言われていて、見返りを求めず相手の幸せを願う存在なんです。お客様にもそんな気持ちで向き合いたいと思い、この名前を選びました。」

 

弥勒=369(みろく)の語呂から「3・6・9」の数字を使い、その真ん中に「BODY」を置いたのは、活動の中心を“身体”に置くという意思の表れだという。

 

「あまりにおしゃれすぎる名前だと“何のお店?”となってしまうので、BODYを入れることで体のケアをする場所だと伝わりやすいと思ったんです。」

 

「THREE6BODY9」という名前には、身体を通して心を整え、その人の幸せを願うという尾野さんの想いがまっすぐに宿っている。

 

「毎年オープンの日には、名前をお借りしている感謝を込めて、京都の弥勒菩薩さまに手を合わせに行くんです。」

 

そこには、仕事を通して誰かの幸せを願い続ける尾野さんの深い想いが静かに伝わってくる。

 

③痛みの“背景”を探すケア。全身から読み解く施術

 

THREE6BODY9の施術は、全身をしっかり整えることが基本。頭から足先まで、普段あまりケアしないお尻まわりまで丁寧にケアしていく。

 

「お尻まで施術することに驚かれる方も多いんですが、身体はすべてつながっているので、全身をしっかりケアすることがうちの特徴なんです。」

 

痛みや不調が出ている場所だけを揉むのではなく、なぜそこに負担がかかったのか――。その背景を探りながらアプローチするのが尾野さんのスタイルだ。

 

肩こりの原因が、お尻や足の歪み、さらには食生活や精神的なストレスに及ぶことも珍しくない。

 

「肩が痛いと言われても、原因は肩じゃないことが本当に多いんです。生活習慣や考え方、性格まで関係してくるので、体と心の両方をみながら向き合っています。」

 

そのため、カウンセリングにもたっぷり時間をかける。施術中の会話を通じて心身の状態を丁寧に読み取り、痛みの背景を一緒に探していく。

 

「この1ヶ月どうでした?何か変わったことはありませんでしたか?とお話を伺いながら、本当の原因を一緒に見つけていく感じですね。」

 

出産や育児、家事、仕事──。長年頑張り続けてきた女性たちの中には、「不調を抱えたまま」が日常になってしまっている人も少なくない。尾野さんは、そうした方々がもう一度、自分の体を大切にできるようになってほしいと願っている。

 

「子育てが落ち着いて、さあこれからと思った時に、膝が痛い、歩けないって悔しいじゃないですか。痛みがなくなるだけで、人生って本当に楽しくなるんですよ。」

 

THREE6BODY9が目指しているのは、単に痛みを軽減することではない。体の循環を整え、呼吸を深め、心まで軽くしていく。そのプロセスを、お客様と二人三脚で進めていく場所だ。

 

「リンパマッサージは“優しく撫でる施術”というイメージを持たれる方が多いのですが、うちではツボや経絡にも働きかけていくので、最初は少し強く感じる方もいらっしゃいます。でも、滞っていたものが流れ始めると身体がどんどん軽くなっていくんです。20分歩くのがやっとだった方が、今では2時間歩けるようになったと聞くと、本当にうれしくなります。」

 

施術はすべてオーダーメイド。ツボや経絡に沿ったリンパケアに加え、骨格調整の「ホロソフィー」、脂肪層までアプローチする「インディープ」など、複数の技術を組み合わせ、一人ひとりに合わせたケアを行っている。

 

④体の自然治癒力を引き出す技術

 

「ホロソフィー」は、身体をより深く、立体的に捉える施術だ。内臓やそれを包む膜、頭蓋骨の動きなど、目には見えない繊細な部分まで丁寧に感じ取り、全身のバランスを整えていく。

 

「身体には、一人ひとりに“許容量”のようなものがあり、それを超えると不調として表れてきます。ストレスや生活習慣の乱れが続くと、その許容量をオーバーしてしまい、頭痛や肩こりなどの症状が出やすくなるんです。ホロソフィーは、その不調を直接“治す”というより、まず呼吸と循環という身体の土台を整えることで、本来もっている自己調整力が働きやすい状態へ戻していく施術です。身体が自分の力で立ち直ろうとする力を支える施術なんです。」

 

この技術を知ったのは、知人からのすすめがきっかけだったそうだ。

 

「最初は正直、少し怪しいな……と思っていました(笑)。でも実際に受けてみたら、こんなに深くアプローチできる施術があるんだと驚きました。臓器の状態や、過去の手術の影響まで分かってしまうほど繊細なんです。」

 

その奥深さに魅了され、名古屋で本格的に学ぶことを決めたという。

 

「習得は本当に難しかったです。感覚をとらえるのが繊細で……。でも学びを重ねるうちに、身体の見方も、人の見方もどんどん広がっていきました。自分の固定観念がなくなってきて、人にも自分にも優しくなれた気がします。」

 

いま尾野さんが大切にしているのは、「寄り添うこと」。

 

「多くの人が、自分自身の身体に興味を持てていないんです。だからまずは私がその人にしっかり興味を持って、全力で向き合いたい。施術を通して、より良い未来を一緒につくれたらと思っています。」

 

お客様の人生に寄り添い、パートナーのような存在でありたい——尾野さんの言葉からは、そんな優しさが感じられた。

 

⑤体と心に向き合う文化をつくる

 

「肩こりは仕方ない」「年だから疲れやすい」——そんな“あきらめの感覚”を、少しずつ手放してほしいと尾野さんは語る。本来、体はもっと楽に、もっと軽くいられるもの。そのためのケアや改善の方法を、一緒に探していける場所でありたいと考えている。

 

不調があるのが当たり前ではない。ほんの少し行動を変えるだけで体は必ず応えてくれるし、自分のことを知るほど心まで軽くなっていく。
お客様の変化を一年単位で見守りながら、「ぎっくり腰が起きなかったね」「今年は元気に過ごせたね」と共に喜び合える——そんな関係づくりを大切にしているという。

 

開業から1年半。経営の大変さを感じることもあるが、それ以上に、自分が思い描いた世界観を形にできる今がいちばん楽しいと尾野さんは話す。

 

「自分が納得できる形で、目の前の人にしっかり向き合える。それが何より幸せですね。」

 

今後は、ワークショップや講座などを通して、身体と向き合うきっかけをつくる場も広げていきたいと考えている。

 

「自分を愛するってよく言いますが、その前に“自分を知ること”が大事だと思うんです。どんな時にイライラするのか、どんな瞬間がしんどいのか。そこに気づくだけで生き方は変わる。特に女性には、自分を大切にする感覚をもっと取り戻してほしいですね。」

 

サロンでの取り組みを通して、自分のことに意識を向けられる人を増やしたい——尾野さんの願いはそこにある。不調を“仕方ない”と抱え込まず、まずは一度、自分の体の声に耳を澄ませてほしい。未来を自分の力で良くしていけることを伝えるために、尾野さんは今日も一人ひとりに向き合い続けている。

 

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