飲食業
大垣市

本格中華をリーズナブルにいただけるお店「中華食房味蔵」を訪ねてみた。

本格中華をリーズナブルにいただけるお店「中華食房味蔵」を訪ねてみた。
TOM
TOM
中華料理ってバリエーションも豊富で美味しいよね!
SARA
SARA
そうね、さすが中国4,000年の歴史よね!食べに行こう!
TOM
TOM
僕も今から修行してお店をオープンさせるね!
SARA
SARA
今食べたいのに・・・そんなに待てないわよ・・・
この記事は約5分で読めます。
大垣市にある本格中華のお店「中華食房味蔵」をご存知だろうか。
ご家族で協力し本場中国の味を届けてくれるお店だ。今回は、お店が賑わいお忙しいであろう日曜日に、お時間の合間を縫っていただきオーナーのご子息、祁 子昊(ギ・コホ)さんにお話を伺った。
今回のツムギポイント
  • 中華食房味蔵の創業秘話
  • 家族それぞれの役割を果たす
  • 中華料理のイメージについて
  • 「四世同堂」という考え方
  • 今後の展望について

①中華食房味蔵の創業秘話

 

中華食房味蔵(あじくら)は、ご子息の子昊さんもご両親に協力し家族で営業されている中華食房だ。

 

子昊さんのお父様、祁 鵬飛(ギ・ボウヒ)さんがオーナーと料理人を務めていて、お母様の喬 燕(キョウ・エン)さんが新メニューのアイデアのタネを生み出している。初めはここ大垣ではなく、東北地方でお店をされていたそうだ。当時のことを子昊さんはこう話してくれた。

 

「最初は東北地方でお店を始めました。居抜き店舗でスタートしたのですが、前のお店の名前が”味蔵”だったんです。その後に岐阜の関市でオープンした居抜き店舗もまた”味蔵”という名前だったんですよ。漢字も一緒でした。そこから大垣に移ってお店を始める時に愛着のあった”味蔵”をそのまま店名にしました。美味しい物が集まる所、つまり”味の蔵”という意味です。」

 

実際にホームページを拝見してもわかるように、とてもメニュー数が多く種類豊富な料理に驚くほどだ。まさに味の蔵を体現している。お客様に愛されてきた店名、そしてその名前に恥じない豊富なラインナップ。中華食房味蔵という名前に込められた大切な想いを教えていただいた。

 

②家族それぞれの役割を果たす

 

2013年の11月に創業した中華食房味蔵。このインタビューを行ったのは2023年11月で、ちょうど10周年の記念の頃だった。ご家族の個性を活かし、協力し合うように営業しているのだという。皆様の性格について子昊さんはこのように紹介してくれた。

 

「母は料理が好きなので残った材料で賄いっぽく、ちゃちゃっと美味しい料理を作るんです。それを僕がお客様に提供できるメニューとして考えます。調味料の分量とかね。最終的に、それを父に伝え完璧な料理になって提供できるようになるんです。」

 

お料理好きのお母様が新メニューのきっかけとなるタネを出し、それを子昊さんがメニューとして提供できるようにアレンジ、最終的に職人気質のお父様が突き詰めて極め、お客様に提供できる料理にする。ご家族の得意を活かし、上手く歯車が噛み合っているのだという。だからこそ、このメニュー数と長く愛されるお店の歴史なのだろうと筆者は感じた。

 

③中華料理のイメージについて

 

日本人が思う町中華のイメージは安くて早くてボリューミーではないだろうか?実際、筆者もそのイメージだった。このイメージに対して子昊さんにお話を伺ってみた。

 

「背景としては、25・6年前にたくさん日本に来た中国人が一斉に飲食店を始めたそうです。当時の中国人の目標の一つがお金を貯めて自分のお店を持つ事だったと聞いています。若さと努力でガムシャラに頑張っていざ自分のお店を持つ。ただ、料理一筋でやってきたからマーケティングや戦略などの経営面が苦手だったようです。中国人の考えとして、食が大事というのがあるので”安くて多くて早い”これに尽きるとなり、それでお客様を引き込む。それで定着したイメージなんです。」

 

私たちが抱いているイメージと、実際に町中華をやってみえる方の現状は一致していうのだと子昊さんは言う。

 

「色々世の中を見て回って感じた事は、みんなの意識として中華料理っていうのは、宮廷料理などを除いて一般には本当に庶民的な食べ物なんだと気がつきました。なので、できるだけ提供する時間を早くしたいのはありますね。」

 

しかし、そんな現状の中でも子昊さんが考える課題はあるのだと、さらにお話を聞かせてくれた。

 

「うちで提供している料理にレンジで温めて終わりという料理ではないんですよね。注文が入ってから炒めて味をつけて。手間暇がかかっている中でスピードも求められるんです。」

 

料理の手間暇に対して、スピードと量を求められる。そして、さらには安価も求められる。経営的なバランスの観点を今後は変えていくことが課題なのだと教えてくれた。

 

④「四世同堂」という考え方

 

ここで子昊さんは、中国の幸せの形である四世同堂という考え方について教えてくれた。

 

「中華の考えに四世同堂という言葉があります。4つの世代が一堂に同するっていう意味があります。祖父母、両親、自分、自分の子供。この全世代が全員集まっているのが一番幸せな家庭の象徴とされているんです。」

 

その言葉にもあるように、たくさんの世代を跨いだ方に来てもらいたいのだと子昊さんは言う。実は、中華料理の品数の多さも四世同堂と繋がっていると教えてくれた。

 

「おじいちゃんおばあちゃんから子供まで、みんなが食べたいと思えるような全世代に好まれる料理を出せるのが中華料理なんです。そこが根本にあるので中華料理ってこれだけメニューの品揃えが豊富なんですよ。」

 

中華料理の奥がどれほど深く、どのような考えを大切にしているのかを考えさせてくれる素敵なお話だった。子昊さんやご家族は、そうした起源や考え方すべてを大切にして、中華食房味蔵を守っているのだろう。

 

⑤今後の展望について

 

今の中華料理店の在り方と中華料理の歴史、どちらも大切にしながら子昊さんが今後も大切にしていきたいのは、味蔵にしかないここだけの味を提供するお店になるということだ。

 

「このお店を地元の美味しい中華料理屋っていう立ち位置で確立したいです。この味蔵でしか食べられないような料理。家族揃って味蔵で食べたいなっていう料理。そうなるためにも、今以上にうち独自のメニューを作っていかないとなって思います。」

 

そう熱い想いを語る子昊さんに、今後の味蔵をさらなる話題店にしてくれるであろう期待の新メニューを伺った。

 

「この叉焼一文字丼は、金華飯を超えるぐらい美味しいんじゃないかと思っています。バラのチャーシューを1本丸ごとごはんにのせて提供しているんです。これが本当に美味しくて。半端ないですね(笑)。」

 

それぞれの役割を自ずと果たし、精力的に新メニューも考案する中華食房味蔵。最後にお父様・お母様と三人でのお写真を撮らせていただいた。「四世同堂」この言葉を表しているかのような、とても仲睦まじい光景だった。

 

自分たちだけではなく、味蔵に足を運ぶお客様にも中華の考え方を共有し「みんな」で美味しく楽しい時間を過ごしてほしいと願う味蔵には、これからも全員で食卓を囲む暖かい声が響き渡ることだろう。

 

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