幅広いニーズに応えた注文建築を提供する「KABUTO DESIGN-OFFICE」を訪ねてみた。
住宅建築を始め、店舗・施設の建築、リフォーム・リノベーション、相続・節税のコンサルティング、不動産などの多角的な事業展開を行っている企業だ。 今回は代表取締役の、三摩 浩(さんま ひろし)さんに自社サービスについて詳しくお話をお伺いしてきた。
- 市役所勤務から起業に至った経緯
- 「兜」に込めた海外展開への思い
- ルールに縛られない自由設計
- 今後の展望
- 自信をもって良いものと言えるサービスを
①市役所勤務から起業に至った経緯
三摩社長は大学を卒業後、市役所・建築事務所・大手ハウスメーカーを経て独立されている。色鮮やかな経歴を持つ三摩社長に、起業に至った経緯を伺った。
「勉強していた大学でコース分けがあって。建築コースと土木コース、多分今もあると思うんですけど、受験の結果によって振られるんですよね。どちらかというと言うと、あまり希望していなかった土木コースに割り振られてしまって。結果、やっぱり建築がやりたいとなりました。ここから建築に行くにはどうしたらいいんだろうと思い、考えたのが市役所でした。 市役所では、住宅課に配属されました。ただ、市役所での仕事はある程度で目処をつけようと最初から考えていました。当時から設計事務所をやりたいという漠然とした目標はあったので。そこから色々な仕事・経験をして、今のスタイルになりましたね。」
建築の仕事をやりたいという思いと起業への思いは若いころからあったと言う三摩社長。その後、市役所を退職し2004年から設計事務所にて勤務、2007年からは大手ハウスメーカーでトップセールスマンとして活躍されていた。
「大手ハウスメーカーでは、営業について学ぼうと思い行動したところ結果が出せました。営業として、こういう考えのもと行動をすると仕事に繋がるんだなという営業マインドを勉強させてもらいました。そこはすごく良かったですね。」
名古屋の設計事務所で設計の基礎を学び、営業については大手ハウスメーカーから学んだそうだ。
そして2016年に満を持して、「KABUTO DESIGN OFFICE」を立ち上げた。
②「兜」に込めた海外展開への思い
「兜」と「建築」という一見結びつかない社名「KABUTO DESIGN OFFICE」。三摩社長に社名の由来と、社名に込めた思いを伺った。
「堅い仕事をしたいな、というのはずっと思ってたんですよね。それと海外で仕事をしたいというのが念頭にあったんですよ。起業をする1年ほど前の2015年にネパールで発生した地震があったのですが、その地震で結構建物が崩れてなくなったんですよね。その時に、海外でも建築の仕事で人の命が守れるようにできないかな、と思いました。海外でも日本の企業だなって分かる社名にしようと。それで日本といえばと色々考え、日本のイメージと言えば、やはりサムライかなと思ったんです。でも、そのままサムライはちょっと違うな、刀?鎧?何だろうと検討した結果、硬そうなイメージとシルエット的にも特徴的な「兜」にしました。」
堅く真面目に仕事をすること、人の命を守れるような仕事をすることが由来となっていると語った三摩社長。 近々、目標であった海外進出に向けて準備が整いつつあるそう。
「まずアジア圏でちょっといろいろ動いていきたいなと思っているので、基本的には店舗施設とか事業用施設ですね。上手く色々な事が噛み合えば、早ければ来年ぐらいには進むんじゃないかなと思うんですよ。実績を作って、そこから広げていきたいなって思ってます。」
三摩社長の挑戦の一部を拝聴できた。国内だけではなく広い視野で物事を考えておられるKABUTO DESIGN OFFICEのチャレンジをささやかながら応援させていただきたい。
③ルールに縛られない自由設計
KABUTO DESIGN OFFICEでは、住宅・店舗・施設の建築、リフォーム・イノベーション、不動産などの幅広い事業を行っているが、一番の強みはお客様のイメージを実現できる自由設計にあるのだと語った。
「うちは設計において大きいもの、例えば工場とかそういう大型店舗とかも設計ができるんです。設計事務所もいろいろで、木造しかできないところとか、やっぱり縛りがあったり経験がないからできないというのが多いんですけど、うちはそれがちゃんとできるっていうことが一つの強みです。あとはデザインに強いので、店舗も住宅もそうなんですけど、お金をある程度かけられるところには良質なデザインを提供できるっていうのは強みでしょうね。」
「大手ハウスメーカー様では手が届かない、痒い場所にも手が届くという事ですかね?」と筆者がお伺いした。
「そうですね。それこそよく聞く話なんですけど、大手さんだとルールがあるからこうやりたいと言ってもできませんという話がよくあるんですよ。パッと家の外観を見ると、大手メーカーさんで建てたよねっていうのがわかっちゃうお家もあるんです。お客様の中には、それが嫌だっていう方もいらっしゃる。そこをちゃんと汲み取らせていただいてうちならこんな事も出来ますよって提案ができるんです。」
柔軟さや自由さが自社の強みと答える三摩社長。 また、三摩社長の異色の経歴から、税金関係の話にも詳しくお答えできるのも強みの1つだ。
「あとは税金関係の話が得意ですね。法人様もそうですし、個人様もそうですし、相続税とか固定資産税という話を諸々しながら。もちろん税理士さんへの確認はしてもらいますが(笑)」
不動産と切っても切り離せない税金の悩みにも耳を傾けてくれるというから大助かりだ。多角的にお客様の本当の希望を叶えられるようなサービスを提供していることが、一番の強みにも感じた。
④今後の展望
自社の強みを存分に活かして顧客を獲得しているKABUTO DESIGN OFFICE。 今後はどんなサービス展開を考えているのか、三摩社長へ伺った。
「今獲得しているユーザー層へ弊社がこういう事が出来るんですよっていうのは、もっともっと届けていきたいです。さらにその流れで、新規事業として福岡と東京で設計事務所とか工務店をご紹介するサービスを展開しようかなと思っているんです。うちが入って設計しますじゃなくて、基本はマッチングをさせようかなと思って。ちゃんとお客様と話しをしてあなたのニーズだったらこういう工務店や設計事務所がお薦めですよって現地のお客様と企業を繋ぐような。」
新たに建築企業とユーザーのマッチングサービスも構想しているとのこと。どこまでいってもお客様のニーズに応えるというお客様ファーストな考えが根底にあると感じた。
⑤自信をもって良いものと言えるサービスを
三摩社長自身も9年間営業職についていた経験もあり、お客様への営業方法には並々ならぬ思いがあるそう。
「どんな営業も100%いい話ではないじゃないですか、もちろんお金もかかりますし。でも、あなたにとってはこちらの方が、こういう視点でいいと思いますよ。もちろんこういうリスクもあったり・デメリットもあると思います。でも、天秤にかけたら絶対にいいと思いますよっていう話をするようにしています。良し悪しは絶対伝えるんですよ。自分がお客様だったとしても、良い事しか言われない営業は信用できないですよ(笑)。」
筆者も営業の経験があるため、このお考えには心底共感ができた。現在、形の決まっていないものを売っているからこそ、お客様に必要な情報は全てお話しすると答えた三摩社長。
印象的な一言は、「それが自信を持って売れないんだったら、そのサービスはやめた方がいい。」というお言葉だ。
ここまで熱い思いを持っている三摩社長だからこそ、お客様との堅い信頼関係を築けるのだろう。 社名の兜の固さは、決して仕事内容だけに関わることだけではない。企業とお客様の信頼関係にもあるのかもしれない。
今後、日本のみならず海外にも事業展開をされるであろうKABUTO DESIGN OFFICEの躍進を今後も見続けていきたい。
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