「グランドアートウォール」で理想の庭を作る「株式会社MEIWA」を訪ねてみた。
塀や門など建物の外にある構造物全般を手掛ける外構工事専門業者だ。今回は、社長である篠田 和明(しのだ かずあき)さんにお話を伺った。
- 家の「顔」である外構を手掛けるMEIWA
- 芸能人御用達の「グランドアートウォール」
- 「今はコケてるけど、いつかひっくり返す」
- 従業員の独立を積極的に後押し
- 土台を作り、みんなで花を咲かせたい
①家の「顔」である外構を手掛けるMEIWA。
外構とは、居住する建物の外にある、構造物全体をさす言葉だ。塀や門、植栽、アプローチ(門から玄関扉までをつなぐ道)、ウッドデッキなどが含まれる。外構は、その家を訪れた人がまず目にするものだ。外構の良し悪しが、家の第一印象を決めると言っても過言ではないだろう。
また、外構は家の外観だけでなく、外部からの視線を遮るなど、プライバシー保護や防犯の役目も果たしている。芸能人や著名人などからのニーズも高い。そんな大切な外構を手掛ける仕事をしているのが、篠田社長なのだ。
篠田社長は、27歳のときに起業した。それまでも、ずっと外構の仕事をしていたという。なぜ外構を選んだのだろうか?
「僕は飽き性なんですよ。だから同じ現場に何ヶ月も通うのが苦手だったんです。でも外構は1軒1軒やることが違いますし、デザインも1軒ごとに異なります。1軒あたりにかかるのはだいたい1か月です。外構は家の「顔」なので、手掛けていて飽きないですね。」
なおMEIWAの事務所の外構も、篠田社長の手によるものだ。石が敷き詰められていて、木がセンスよく植えられている。すりガラスの柱が陽の光を受けて、外壁に複雑な影を落としているのが印象的だ。取材をしたときは冬だったが、思わず四季折々の装いを見たくなる素敵な「顔」となっている。
②芸能人御用達の「グランドアートウォール」
MEIWAの武器の一つ、それはフランチャイズで扱っている「グランドアートウォール」だ。(https://groundartwall.jp/)
グランドアートウォールは、特殊な発泡スチロールを使用した塀だ。
「一般的に発泡スチロールというと、包装に使われているものを想像されるかもしれませんが。グランドアートウォールで使われているものは圧縮率が高く、特許技術で特殊加工しているものなんです。」
見た感じは、発泡スチロールだとはとても思えない。また、コンクリートブロック塀の約1/10の重量で、弾力性に優れている。そのため、台風などの強風でも倒れにくいのが特徴だ。最大震度7、マグニチュード9.0でも耐えられるのだという。
「性能がとても優れているのに、コンクリートを流し込んで作る塀よりも、安くできるんです。特にクローズドガーデンといって、四方をすべて壁で囲いたい人にはかなりリーズナブルにご提供できるんです。最近はすごく人気があって、取り入れたいという声は多いですね。」
需要が高いグランドアートウォールだが、施工できる業者は少ない。MEIWAは、グランドアートウォールを取り扱える数少ない外構業者なのだ。岐阜だけでなく、愛知や滋賀など他県からも引き合いがある。別荘地での需要も多くある。
グランドアートウォールは弾力性があることから高い塀を作りやすく、カーブを付けたり、小窓を付けたりとデザインしやすいというメリットもある。なんと滝も作れるという。誰もが名前を知っているような有名人にも、グランドアートウォールのファンがいるのだという。篠田社長も、その施工に関わっているのだ。
③「今はコケてるけど、いつかひっくり返す」
収入が保証されている職場を退職し、27歳で起業した篠田社長。不安はなかったのだろうか?
「いけるでしょ、と簡単に考えていました。経営を舐めているわけではありませんが、僕はちょっと考え方が他の人と違っているのかもしれません。もちろん赤字の時期もあったし、潰れかけたことも何度かあります。でもそれも含めて経営が楽しいんですよ(笑)。」
起業後、30歳で結婚した篠田社長。当時の経営は赤字だったという。しかし篠田社長は「今はこけているけど、いつかひっくり返すから」と、奥様に伝えたそうだ。
「これは自論なんですが、「失敗は自分が失敗だと認めるまでは失敗ではない。」と考えています。失敗は成功までの過程にすぎないんです。時間は誰でも等しく1日24時間あります。その中でなんとかこの状況をひっくり返せないかと常に悩み、次の手を考え、試す。その繰り返しですよ。」
篠田社長が仕事をしていて一番喜びを感じるのは、どのような時だろうか?
「やはり、MEIWAに頼んで良かったと言っていただける時ですね。ありがたいことにどのお客様も言ってくれるんです。外構は、お客様にとって一生ものですからね。」
④従業員の独立を積極的に後押し
MEIWAには若い従業員が多い。20代から30代が中心だ。そしてMEIWAでは、従業員の独立を積極的に後押ししている。篠田社長は、あえて高い服やアクセサリーを身につけることで、従業員に発破をかけることもあるという。
「周囲からは今時は珍しいとよく言われます。でも、自分の屋号を持って、自分で管理しないとできない経験がありますから。僕を軸にして、いろいろな経験を積んでほしいと考えています。言うなれば篠田チルドレンですね(笑)。」
その背景には、過去の苦い体験があった。
「過去に、うちを辞めて独立した人がいます。でもその人は失敗してしまいました。つらかったですね。仲間割れしたわけじゃないですから。背中を押して送り出したのに、そんなことになってしまって本当に悔しかったです。今思えば、少し独立のタイミングが早かったのかもしれません。そのような人を、もう生まないようにしたいんです。うちで働いたらどこでも通用するように育てていきたいと考えています。」
独立したらサヨウナラ、ではなく、篠田社長も一緒に仕事をする。
「1つの目標に向かう最強の少数精鋭部隊を作りたいんですよ。人を増やすよりも、組織力を上げたいですね。自分だけの「色」を持ってもらう。彼らと話し合うことで、僕も新しい視点やアイディアをもらえます。フラットな関係でいきたいと思っています。」
⑤土台を作り、皆で花を咲かせたい
篠田社長の趣味は仕事だという。休日も、家族と過ごすとき以外は事務処理などの仕事をしているそうだ。
「強迫観念とまではいかないですが、休んでいいのかな、という気持ちはあります。のんびりしてていいのかな、もう一回、いろいろ見つめ直さないといけないんじゃないか、まだできることは沢山あるんじゃないかなと。」
10年以上経営しても、やはりプレッシャーを感じるという。
「過去に赤字でつらい経験をしたから、余計にそう感じます。MEIWAを頼ってくれるお客様や業者さんがいるうちは、尽くしていきたいです。休みがないことは気になりません。もちろん家族との時間も大切にしていますが、それ以外は仕事をしていますね。それが僕にとっての普通なんです。」
コロナ禍のとき、篠田社長は事務所をリニューアルするなど勝負に出た。
「僕はコロナ禍は最高の攻め時だったと思っています。今後のことを考えたり、商品を見直したりしました。コロナ禍は、皆さん家で過ごす時間が増えます。家から出られないストレスがあるからこそ、庭が重要になるのです。だから、ここぞとばかりに仕事しました。お客様の気持ちに恥じないものを作ろうと思ったんです。」
普段から仕事と真剣に向き合っていた篠田社長だからこそ、攻めるべきときに攻めることができたのだろう。そんな篠田社長の好きな言葉は「必勝」と「大器晩成」の2つだ。
「必勝は「必ず最後は勝ちをいただく」という決意を込めています。やる以上は苦しい思いをしたくないですからね。大器晩成は、ちゃんと土台を作って、芯を図太くして、最後に花を咲かせられればいいのではないかと思っています。つらいときを乗り越えて、従業員みんなが伸びて、みんなが花を咲かせてくれたら、うちも輝きますからね。」
最後に、従業員を大切に想う理由について伺ってみた。
「自分自身が、独立する前に在籍していた会社のボスに、そうされてきたからというのが大きいと思います。最初に飽き性だという話をしたんですが、若い頃は色々な仕事をしてきました。僕は誰かに雇われて働くというのが苦手でできなかったんです。ただボスはそんな僕の面倒を見てくれました。そのおかげで長く外構の仕事を続けることができたのです。僕がボスから教わったことを、自分も浸透させていければと考えています。」
仕事で疲れて帰ってきた時も、外構が自分好みだったらきっとテンションが上がるはず。「うちはそんなに広い庭じゃないから」という場合は、ワンポイントでグランドアートウォールを取り入れるのもおすすめだ。ぜひ一度、MEIWAのInstagramをチェックしてみてほしい。
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