動物と触れ合える癒し空間「Animal Cafe 森のしっぽ」を訪ねてみた。
今回はオーナーの佐藤 佑哉(さとう ゆうや)さんにお話を伺った。
- 「森のしっぽ」と名付けたわけは?
- 身近な動物たちと触れ合える場
- ドリンクバー、コミック完備
- 動物のお迎えを考えている人たちへメッセージ
- 今後の展望は?
①「森のしっぽ」と名付けたわけは?
Animal Cafe森のしっぽに入店するとまず、たくさんの植物が目に入る。
お店の名前にも森という言葉が入っており、緑を大切にしているコンセプトには理由があるのだそうだ。まずは「森のしっぽ」と名付けた理由について質問すると、佐藤さんはこう話話してくれた。
「私はもともとは、動物園の中の植栽管理や展示場作りといった方面の仕事をしていました。それで植物を通してだんだん動物に触れていったという形だったので、やっぱりお店を作るに当たっても植物をたくさん取り入れたいなと考えました。植物っぽいワードを入れたいなと思ったので、森というワードを入れました。あと”しっぽ”は動物のかわいい部位というイメージがあったんです。しれで、”しっぽ”を入れたくて、「森のしっぽ」にしました。」
確かにしっぽは、嬉しいときに振ってくれたりと感情を表す部位であるだけでなく、丸さやフサフサの加減など動物によってその動物らしさがより一層感じられるモチーフでもあるだろう。緑の中で動物たちが楽しそうにしている姿はナチュラルに感じられ、動物たちもきっと心地よいのではないかと感じた。
オーナーの佐藤さんも動物が大好きな方だ。
「もともと実家に猫やうさぎ、鳥などいろいろ飼っていました。小さい頃からいろいろな動物や生き物に触れてきたので、その流れで動物園関係の仕事に就いたのもあります。動物園で仕事をしているうちに、自分のスペースを作って、自分で全部やってみたいなという風に思ったのもオープンしたきっかけのひとつですね。」
そうしてオープンしたAnimal Cafe森のしっぽはもうすぐ1周年となる。
②身近な動物たちと触れ合える場
森のしっぽでは、うさぎ・モルモット・ハリネズミ・モモンガ・ミーアキャットなどと触れ合うことができる。犬や猫などのアニマルカフェは県内でも目にすることはあり今でこそ珍しくはなくなったが、それ以外の動物と触れ合う事ができるアニマルカフェは岐阜県内ではとても珍しいだろう。
森のしっぽにお迎えした動物たちについて、佐藤さんはこのように語ってくれた。
「ペットショップで一般の人でも購入できるような身近な動物を揃えようと思いました。実際飼ってみたいけど、まだよくわかっていない。ネットで調べれば情報はいくらでも出るけど、結局のところはどうなんだ?そういう方に来ていただいて、管理している私の立場から、良いこと悪いこと、色々と赤裸々にお話ししてご自身で飼育するのかの判断材料にしてもらえるといいかもなというのも創業時の想いです。」
少し大きめのペットショップに行くとモモンガやミーアキャットも自宅にお迎えできるのだと知り、筆者は驚きだった。珍しいペットと暮らす人も増えてきた中で、ペットショップでお迎えできるけど詳しく知らない動物は増えてくる傾向にあるのかもしれない。そんな時のワンステップとして森のしっぽで動物たちと楽しい時間を過ごしてほしいというのが願いとしてあるのだそうだ。
悩んでいる人のお助けをしながら、将来的に悲しい思いをする動物たちを減らすことにも繋がるであろうそのコンセプトをとても素敵だと感じた。動物に詳しい佐藤さんに質問をすることができるのも嬉しいポイントだろう。
もし新しい家族のお迎えに悩んでいる方は森のしっぽに足を運んでみるのも一つだ。実際に動物と触れ合う事でより現実味も湧き、飼育するにあたっての良い判断材料となるだろう。
動物カフェでありがちなのは動物たちが遊んでくれなかったという残念なエピソードではないだろうか。実際森のしっぽの動物たちは、とても人に慣れていて人に近づくことを怖がらない子たちばかりなのだという。
「動物の種類というより、その子達の性格によるところが大きいのですが、割と人慣れしてくれる子も多いですよ。うちの子たちは特に、すごく人に慣れていてお客様のところにも自分から行ってくれるんです。実際に飼い主さんの経験がある方からは『うちで飼っている子とか前飼ってた子はこんなに来てくれなかった』っておっしゃるお客様は多いですね。」
森のしっぽの動物たちの心を上手に開いている佐藤さんに、動物との寄り添い方を学ぶのにも良い機会かもしれない。
③ドリンクバー、コミック完備
森のしっぽには、動物たちと触れ合うことのできる「ふれあいスペース」のほかに、ドリンクバーや、コミックまで揃っている。
ありがたい設備ではあるが、ここはやはりアニマルカフェ。メインは動物たちとの触れ合いとなるとコミックは不要ではないか?そんな疑問から筆者は質問をさせていただいた。
「基本的には、ふれあいスペースで動物たちと触れ合うという感じですね。おやつをあげたりすることもできますよ。お子様の付き添いで来たご家族の方が楽しく時間を過ごすことができるようにコミックを置いてるんです。お子様たちがふれあいスペースで触れ合っている間に親御さんがカウンターで子供の様子を気にしつつ本を読む事ができる、そんな空間にしています。」
なるほど。筆者は、このアニマルカフェに来た人は全員動物と触れ合う事がメインだという先入観があった。しかし、お子様の触れ合いがメインで「付き添い」という考えはなかった。佐藤さんは、いろいろな人の立場で全員が落ち着ける空間を取り入れていたのだ。
若い年代のお客様も多いが、家族連れで動物たちに会いにきてくれるお客様も多いのだと佐藤さんは話してくれた。岐阜大学の応用生物科学部で学ばれた佐藤さんは、学部の後輩のお客様たちのように、動物が大好きな学生さんがもっと遊びにきてくれたら嬉しいと話した。
「そういう学部で学んでいる子たちは、本当に動物が好きで来ているような子たちばっかりですね。そういう子たちや学生さんたちに、もっと遊びに来てもらえると良いなって思っていますね。」
④動物のお迎えを考えている人たちへメッセージ
動物好きの佐藤さんから、動物のお迎えを考えている人たちへあたたかいメッセージをいただいた。
「もちろん、動物をお世話する上で大変なことは色々あります。でも、それ以上に癒される部分が多いと思います。仕事で疲れていても帰ったらあの子が待ってくれているっていう。それだけで一日頑張るエネルギーになると思います。ですので動物を飼うのはもちろん、大きな責任は伴いますけど、人生を豊にする良いことかなと思ってますね。」
実際にお客様でも、特定の動物のファンになってくれる方がいるのだという。取材に伺った当日も、うさぎファンの方から嬉しいプレゼントがあったのだそうだ。
「白い垂れ耳のウサギがいるんですけど、その子は今月が誕生日なんです。その子のことが大好きなお客様がいらっしゃって、先ほどご来店されて、お誕生日プレゼントを持ってきてくれました。」
まさにアイドルのような人気っぷりを誇る森のしっぽの動物たち。
「動物たちの誕生日をお祝いするためにその期間は特別なおやつを用意したりと、イベントも行っています。」
そうお話しされる佐藤さんは、毎日朝早くからケージのお掃除、動物たちのお世話などを行い、丸っと1日休みの日はほとんどないという。動物たちに命を全うしてもらい、幸せな一生を過ごしてもらうために、佐藤さんもたくさんの時間を森のしっぽで過ごされているのだそうだ。
⑤今後の展望は?
最後に佐藤さんに今後の展望を伺った。
「今後、お迎えしたい動物がいるんです。具体的に言えばチンチラですね。あとは、こういうアニマルカフェは全国的にいっぱいありますけど、森のしっぽみたいに植物をしっかり取り入れた場所は多分ほとんどないと思うんですよね。なので、前職の経験を生かしてそういうところはしっかりやりたいなと思っています。」
そんな佐藤さんに座右の銘や大切にされている考えを尋ねたところ、「ないなら作る。」という回答が返ってきた。
「まさにここだと思うんですけど、自分の思い描いてた仕事が”ないなら作る。”こういう自分の理想の内装とかが”ないなら作る。”まさにそれですよね。」
「動物と触れ合った時に出てくる笑顔を見るのがもちろん一番嬉しいですね。ほかにも小さなお子様が、最初は動物たちを怖がっていても時間が経つにつれてだんだん慣れてきて、自分からおやつをあげたり撫でたりできるようになる姿を見ることがあります。そんなちょっとした成長を見るのも楽しいですし嬉しいな、と思いますね。」
そう語る佐藤さんはこれからも、森のしっぽで暮らす動物たちはもちろん、森のしっぽに来店するお客様のことも幸せにしてくれることだろう。本物の緑に囲まれて、かわいい動物たちと触れ合ってみたいという方にぜひ自信を持っておすすめしたいアニマルカフェだ。
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