年中快適な家づくりを追求する「株式会社リグスタイルカンパニー」を訪ねてみた。
- リグスタイルカンパニーとは
- 人生を変えた恩師との出会い
- 建築への想い
- これからについて
岐阜県岐阜市にある株式会社リグスタイルカンパニーをご存知だろうか?
おしゃれなデザイン住宅でありながらも、高水準の住宅性能を両立している建築会社だ。
創業のきっかけや家づくりにかける想いを聞かせてもらうために訪問した。
①リグスタイルカンパニーとは
事務所に着いてまず感じたのが、とてもおしゃれで他の建築会社とは違う独自の何かが感じられた。お話を聞かせてもらう楽しみがより膨らむ。今回お話を伺ったのは、株式会社リグスタイルカンパニーの代表取締役 井上 健輔(いのうえ けんすけ)さんだ。お会いしたばかりだが気さくにお話をしてくださり、とっても話しやすい方だった。
さっそく社名の由来を尋ねてみた。
「会社名は何が良いかと考えている時に、”Life is good”という言葉に出会って感銘を受けたんです。”人生は素晴らしい”という意味があります。頭文字の「LIG」を取り、そこにスタイルとカンパニーをつけました。」
「スタイルには、人それぞれ求めているものが違う中で”その人らしさ”を叶えてあげられる家づくりをしていきたいという想いを。カンパニーには、”仲間”という意味があって、たくさんの仲間と一緒に会社を成長させていきたいという願いを込めました。」
井上さんの考えはスタッフの方にも共感を生み、サービスや働き方の方針となっているとのことだ。創業時から変わらない強い想いが感じられるお話だ。井上さんの想いが、そのまま会社という形で実現したのではないかと考えてしまうくらいだ。
「私たちは、家づくりは幸せづくりだと考えています。人生の目的は、幸せになること。その人生の多くの時間を過ごす家をつくることは、まさに幸せを創ること。家づくりを通して、お客様ご家族の幸せづくりのお手伝いができるようなサービスを提供していきたいです。」
私は、このお話にとても感銘を受けた。”人生は幸せになるためにある”このような素敵な言葉は久しく聞いていなかったからだ。ぜひ今後もその信念を持ち続けていただきたい。
②人生を変えた恩師との出会い
事務所内はホームページを見た時から感じていたが、スタッフの皆さんにかなり寄り添った環境だという印象を受けた。どのような経緯で今のようになったのか、創業の経緯から尋ねてみた。
「元々、私は住宅会社勤務じゃなかったんですよ。住宅会社さん向けのコンサルティングを行っていたんです。コンサルティング会社に勤めた後、独立してコンサル業をやっていたんです。」
同じ建築業界ではあるものの、違う業種だったため、建築における現場の知識はそこまでなかったのだと話してくれた。
「33歳の時、仕事で知り合った高知県の住宅会社の社長がいて、その社長は他の会社とは比べ物にならないくらい社員を大切にされていました。経営者としての考え方や戦略なども明快で、何もかも尊敬できる方だったんです。共にお仕事をさせてもらう中で、その方に後押しをされて、私もやってみよう!と起業を決断したんです。」
その社長の在り方に惚れて「この人みたいになりたい!」という想いが起業を決意したきっかけとなったのだという。
多くの経営者を見てきた井上さんが憧れた、一人の社長から想いや価値観を吸収し、リグスタイルカンパニーという建築会社に繋がっているのだ。
誰かの想いに賛同して、自分も同じ想いを発信していく。決して誰にでもできることではない。それを井上さんは成し遂げたのである。
「もちろん最初は全く上手く行かなかったです(笑)」「しっかりと学んではいましたが、経験も実績もなかったので。」「それまで培った知識やノウハウで『こうすれば上手くいくだろう』というのがほとんど通用しなかったんです。そこで、家づくりのことをもっと勉強しなきゃいけないと思ったんです。」「今の自分では”現場で”通用しないんだって学びましたね。」
断熱材の特性も、それを知る必要性も分かっていなかったのだと話してくれた。そこから勉強を重ねるうちに楽しくなって、今のクオリティになったのだとも教えてくれた。おそらく、私には想像がつかないほど熱心に勉強されたのではないかと思う。
当時は、かなりの苦労があったと話してくれた。だがそこで折れなかったのは、恩師への憧れがあったからではないだろうか。1つの出会いで人生が変わった、すごいお話を聞かせていただいた。
③建築への想い
ホームページにある井上さんのプロフィールには、井上さんの想いが掲載されている。その中にある「悪意なき不適切な家づくり」というワードが気になり尋ねてみた。
「創業したばかりの頃にある勉強会で出会ったのが、高断熱高気密の家づくりに対して科学的な検証をされている先生でした。その先生が話すことは、参加していた一級建築士をはじめとする経験豊富な受講者たちでさえ、初めて聞くようなことばかりでした。彼らは、これまでの自分たちの家づくりは間違っていたのか?と、唖然としていました。」
今でこそ、高断熱高気密の家づくりは当たり前の時代になっているが、当時から壁内結露については何も考えられていない施工が横行していると話してくれた。
「当時の私は、建築に対する先入観や経験値も浅かったので、比較的その先生の話は、抵抗なく受け入れることができました。経験と実績では勝てなくても、この分野だったら自分も頭一つ抜け出せると考えたんです。そこで、木造住宅の経年変化にも適応する本質的な家づくりを追求しようと、資材選定や施工方法など、素直に学びを続けてきました。」
20年、30年と住み続ける家づくりにおいて、新築時の性能がピークで、住み始めて年を重ねるにつれて性能が劣化していくような家づくりでは、その家を掴んだお客様は間違いなく不幸になると話してくれた。家族の幸せを願って建てたマイホームで、20年後も30年後も安心して住める、当たり前だがそんな幸せなことはないと感じた。いま大切にしていることに繋がった1つのエピソードを聞かせてもらった。
「今でこそ、壁内結露対策をしている建築会社も増えてきましたが、今もなお、物理的に結露に繋がってしまうような家が、会社規模を問わず、日本中で建ち続けています。ただ、そんな家づくりをしている多くの建築会社にも、悪意はありません。知らないだけで悪意はないんです。ただ、悪意はなくても、結果としてその不適切な家を手に入れたお客様は不幸になってしまう。だからこそ、私たちの家づくりを、1棟でも多く普及させたい、という想いで経営をしています。」
井上さんの家づくりへのこだわりと、そこにかける想いを熱く語ってくれた。幸せの長続きを提供する家づくり。本当に素敵な心がけだと感じた。独自でこだわっていることについて尋ねてみた。
「リグスタイルカンパニーでは、実践的なパッシブデザインを積極的に取り入れています。日当たりはもちろん、室温やエアコン効率、光熱費などを、専用ソフトを用いてシミュレーションを繰り返し行い、建築するお家の性能の最適化を行います。そして、実際に建てたお客様の家で、温度や光熱費の実測も行い、シミュレーションとの差異を検証しています。手前味噌ですが、ここまで細かくシミュレーションをして家づくりをしているところは、数えるほどしかないと思います。」
パッシブデザインはフルオーダーの注文住宅である。リグスタイルカンパニーの家づくりは、高性能それでいて、かなりおしゃれな家づくりを両立しているのだ。お客様が満足されるのも容易に想像ができる。
余談だが、筆者は以前住宅メンテナンスの会社に務めていたことがある。不適切な建築によって住宅寿命が短くなってしまった家を実際目にしたことがある。事実として、実在しているのだ。床下や屋根裏が結露して木部が腐敗している家や、雨水の排水不良で土地が陥没して傾いた家など、どちらも築30年ほどだったが復旧不可能だった。そのようなことがあってはならないと感じていたからこそ、井上さんの想いや取り組みを応援させていただきたいと思った。
リグスタイルカンパニーがこだわっていることは、業界規模で必要な変化だと思う。ぜひ今後も良い家づくりを続け、本当に良い家を広めていって欲しい。
④これからについて
今後目指すことについて尋ねてみた。
「岐阜県で1番の建築会社になりたいと思っています。それで自分たちがやっていることが注目されれば、他の建築会社も真似るようになると思う。そうすれば、結果的に良い家が増え、悪意なき不適切な建築がなくなると思うんです。そういった発信源になっていければと考えています。」
既存のやり方に対して間違いの指摘をするのではなく、結果で示して普及させていきたいのだと話してくれた。
私には予想のつかない広め方で驚きはしたが、説得力がとてもあると感じた。
「縁があった人の課題解決をして、出会った人に幸せになってもらえる。そんな会社にしていきたいと考えています。」
目指す会社の姿を話してくれた。ぜひ実現してほしいと感じた。
いまの井上さんがあるのは、高知県にお住まいの社長との出会いがあったからこそだということも忘れてはいけない。人との出会いは偶然ばかりで、本当に大切なのだと改めて感じさせられたお話を聞かせてもらった。
井上さんの過去の経験で芽生えた想いが夢となり、それを叶える土台が今リグスタイルカンパニーという形で出来ている。これからリグスタイルカンパニーが、日本の建築業界にどんな影響を与えていくのか注目である。
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