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ぎふコーラ”で話題の「Natural Base」を訪ねてみた。

ぎふコーラ”で話題の「Natural Base」を訪ねてみた。
TOM
TOM
最近さ、僕でもコーラを作れるって知ってコーラ作りをはじめたんだよね。
SARA
SARA
クラフトコーラのこと?
TOM
TOM
うん!でもあの有名なコーラを再現したいからコカの葉を探してるんだけど、どこにも売ってないんだよね。
SARA
SARA
・・・それ違法なのよ・・・
この記事は約7分で読めます。
今回のツムギポイント
  • Natural Baseとは
  • 食への想い
  • 原材料へのこだわり
  • ぎふコーラプロジェクト
  • 今後の展望

岐阜県岐阜市にあるNatural Baseをご存知だろうか?
「ぎふコーラ」のプロジェクトを立ち上げ、岐阜に新たな特産品を生み出そうと奮闘している飲食店である。
今回は「ぎふコーラ」を作るに至った経緯や、Natural Baseの代表 片山 治(かたやま おさむ)さんの想いを伺った。

①Natural Baseとは

 

店舗の外看板に”Natural Base”ではなく、”美殿屋漬物店”と掲げられているのが気になり理由を伺ってみた。

 

「元々、美殿屋漬物店という歴史ある漬物屋さんだったんです。移転先を探していたときに偶然紹介していただいた物件なんです。」「物件を見た瞬間に一目惚れしたんです、言葉にするのは難しいのですが、新しく作れない味わいがあると感じて”ここでやりたい”と思ったんです。」「実際リノベーションするにあたって、古い建物なので、建物の補強だったり、雨漏りを直したり、修繕が必要な所ばかりでした。」

 

Natural Baseと検索すると、ぎふコーラというワードがヒットする。ぎふコーラとNatural Baseの関係について伺ってみた。

 

「ぎふコーラはたまたま出会った同い年の3人で岐阜の魅力を発信したい。という想いでプロジェクトとしてやっております。それぞれメンバーは別でメインの活動があり、ぼくはNatural Base(ナチュラル ベース)をメインに活動しています。」

 

ぎふコーラについてもお話を聞きたいところではあるが、まず片山さんがメインで活動している飲食店のNatural Baseという店名の由来を尋ねてみた。

 

「無農薬の野菜や無添加の調味料を使った”ナチュラル”な料理を提供しているという事。”ベース”には基地という意味があるので、面白いことを色々とやる基地や、誰かの何かのきっかけになれる場所になれたらいいなという想いを込めてベースを選んでナチュラルベースにしました。」

 

片山さんの”楽しいことがしたい””ナチュラルな物に触れてほしい””きっかけになりたい”といった、熱く強い想いが込められているそうだ。

 

②食への想い

 

ここナチュラルベースは無農薬や無添加にこだわって料理を提供しているのが特長だ。なぜ、無農薬や無添加にこだわるのかを聞いてみた。

 

「僕自身が病気で入院した経験があるんです。その経験から健康が当たり前じゃないという事を知ったんです。自分で健康、食のことを調べる内に世の中にあるものが工業的になりすぎていると感じ無農薬や無添加に興味を持ったことが始まりです。」

 

片山さん自身の病気の原因が食生活とは関係ないが、その時に知った現実が根幹にあるのだと話してくれた。

 

「無農薬だから体に良いとか意識が高いという話ではないです。既存の”よくあるもの”が工業に寄りすぎている気がするんです。商品棚に並んで簡単に手に取れるものは、まがい物が多いと感じたんです。」「僕は、まずその事実と元々あるものを知ってもらい、その上で良いと思うものを選んで食べてほしいと思って活動をしています。」

 

無農薬や無添加にこだわり料理を提供する強い想いを話してくれた。
私もこれには納得だった。身近で当たり前のようにある物は、人工的に作り出された原材料が使われた物も多くある。そのことを知らないが故にそもそも選択肢にないことが多いと感じる。

 

また”みんなに知ってもらってみんなに選んでもらう”という片山さんのスタンスは注目すべきだと感じた。
“本当に信頼できる物を提供したい”という想いに片山さんのお人柄と強く純粋な想いが感じられる。

 

③原材料へのこだわり

 

ナチュラルベースで提供している料理は片山さんが作っているという。メニューには魅力的な料理がたくさん並んでいた。

 

「メニューが多すぎて….減らしたいくらいです(笑) 」「メニューは毎週変えているので自分で自分を苦しめてる感じです(笑)」「アイディアが尽きないんです。けど、追いついていないっていうか…」

 

と笑いながら話してくれた。
当たり前のように話してくれたが、毎週メニューを変えるというのはかなりの頻度だ。それに加えアイデアが尽きないというのも純粋にすごいと感じた。

 

沢山あるメニュー中でイチオシを尋ねてみた。
「マッシュルームサラダはオープンから変わらずにありますね。」
ナチュラルベースを代表する料理なのだと話してくれた。来店されたほとんどの方が注文されるメニューだそうだ。詳しく聞いてみるとマッシュルームは生だというのだ。このあたりに来た際はぜひ食べてみたい。

 

 

 

 

Natural Baseの強みについて聞いてみた。

 

「生産者さんの想いをダイレクトに伝えられるというのが強みですね。」「無農薬だから良いという話しではなく、”作っている人の顔がちゃんと見える”そういった物を仕入れさせてもらって提供している。」

 

片山さんご自身も畑を所有し実際に作物を育てており作物が出来るまでの大変さなども多くあるのだと話してくれた。”遠くから取り寄せなくても、近くに良いものが沢山ある”のだと話してくれた。

 

これには非常に同意だ。実は筆者である私も農家の出身である。だからこそ知っているのだが、こだわり抜かれた良い物は山程あるのは事実だ。しかしブランドとして確立していないがために、埋もれてしまうのである。これは業界最大の問題なのだ。しかし、片山さんのこだわりは、その埋もれた価値をすくい上げてその問題を解消していると感じた。ぜひ今後も続けてほしいと願うばかりである。

 

④ぎふコーラプロジェクト

 

Natural Baseのオープンは2021年11月と、コロナ禍の真っ只中である。お話を聞いていると、コロナによる不安はなかったと言うのだ。コロナ禍で飲食業が大打撃を受けたことは誰もが知っている。オープン当時はどんなスタートだったのかについて尋ねてみた。

 

「言葉選びが難しいのですが、コロナがあって良かったと思っています。時間ができたのでぎふコーラのプロジェクトも進められましたし、やってみたかった畑仕事に注力する時間が出来たので。」

 

実際は売上が下がったり、支払いなどで苦しい時期もあったらしいが、今まで時間が取れず出来なかったことが出来る時間となり、むしろ良かったと話してくれた。結果的に良かったと捉えることのできるポジティブさと、すぐに切り替えて舵を切れる決断力は私も見習いたいものだ。

 

ぎふコーラプロジェクトを始めた時期についても尋ねてみた。

「コロナが始まるもっと前から構想はありました。コロナで考える時間が出来たことで一気に注力して動いたんです。東京に住んでいたときに、岐阜といえば鮎と飛騨牛くらいしか知らないっていうことに気付いたんです。そのもどかしさと同時に、将来は岐阜といえばこれ!っていう物を作りたいという考えになりました。それから岐阜に戻ってお店を始めた時にクラフトコーラと出会って、クラフトコーラの自由さの面白さを知った頃に”揖斐の薬草”と出会ったんです。」

 

“ぎふコーラ”を始めたきっかけを話してくれた。タイミングよく繋がっていったのだという。”ぎふコーラ”は、片山さんの経験から芽生えた想いと、偶然の出会いが連続して生まれたのだ。

 

「僕も揖斐の薬草と出会うまで知らなかったんですけど、伊吹山は薬草の宝庫と言われていて薬草の聖地みたいな場所なんです。」

 

揖斐の薬草が有名なのだと教えてくれた。私も岐阜に長く住んでいるが、正直知らなかった。広く認知されていない岐阜の良さを発信していくことも重要なのだと改めて思う。

 

「クラフトコーラは多種多様なんです。何をどれだけ入れるかも自由なんです。なので薬草の良さを出せるんです。」

 

ぎふコーラを実際にいただいた。某有名メーカーのコーラとは一味違い甘さの中に優しいヨモギやドクダミなどの香りが抜けていく、さっぱりした味で非常においしかった。
聞いてみるとコーラはもともとアメリカの薬剤師が開発した健康ドリンクだった。ぎふコーラに使用している薬草に関しては土地や気候によって風味が変わるそうだ。それをブレンドするのだと教えてくれた。とても奥が深く、面白そうだと感じた。

 

「ぎふコーラを薬草のコーラと言ってくれる方もいらっしゃるのですが、僕は岐阜県の魅力を伝えたい!という想いがあるので、今後は中濃エリアの味だったり岐阜エリアの味など、地域ごとのコーラを開発して発信していきたいと考えています。」

 

ぎふコーラの第二弾は既に取り掛かっており、その先も既に計画されているのだと教えてくれた。地域特性の味というのは本当に面白い。ワインやコーヒーに近いのかもしれないが、自分の身近な土地の味となるとより興味が湧く。もちろん現在の”ぎふコーラ”とは使用する物は変わるとのことで、完成したらぜひ飲ませていただきたいと思った。

 

⑤今後の展望

 

最後に、今後の目標を聞いてみた。

 

「やりたいことがたくさんあるんです。」「お店(ナチュラルベース)だとワイン会などのイベントをもっと開催したいです。ただの飲食店としてだけじゃなく、いろんなきっかけを生む場所にしたいですね。」

 

「あとは宿泊施設を作りたいと思っています。一度、岐阜を出てわかったのですが、薬草もぎふコーラも農家さんもそうですが、岐阜って面白いものが沢山あるんだと知ったんです。岐阜のいいところをもっと知ってもらいたいんです。」「飛騨や郡上とは違って岐阜市の中心街はビジネスホテルばかりで面白い宿泊施設が少ないと感じました。たまたまお店の近くに元々商人宿だった場所が使われず空き家になっておりそこを活用したいと思っています。そして岐阜を知ることに繋がる、岐阜市から飛騨、郡上、山県、揖斐などに繋がる、こんな面白い人いるよ、とかを伝えられるハブになる宿泊施設を作りたいです。地域を活性化したいからというよりもあったら絶対いいじゃん!とか素敵なだれかや、なにかを繋ぎたい。という想いが強いだけです(笑)

 

片山さんなら実現できる。不思議とそう思ってしまったのである。片山さんと対話し、裏がなく純粋に想いの実現に全力なのだ。既に宿泊施設に関しても動き出していて、手を上げてくれた人と一緒にやることになりそうなのだと教えてくれた。

 

片山さんのお話は全てにおいて「良い物があるからもっとみんなに知ってもらいたい。」という想いが原動力となっているのだ。同じ思いの人が協力したくなるのは納得である。この宿泊施設も出来上がったらぜひ足を運びたい。片山さんの今後の活動で、今は隠れている岐阜の良さがどう世の中に広まるのか、目が離せない。

 

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