地域に根付いたサッカー用品専門店「ユニオンスポーツ」を訪ねてみた。
- 創業から3代に渡る専門店
- サッカー専門のスポーツ用品店
- 岐阜店のお客様
- オンラインショップへの展開
- ユニオンスポーツの今後は?
拠点が岐阜県岐阜市にある「ユニオンスポーツ株式会社」をご存知だろうか。
地域に根付いたサッカー用品専門店である。サッカーに深堀し、地域のお客様との何代にも渡るユニオンスポーツのあたたかく深い営業方針について詳しく尋ねてみた。
①創業から3代に渡る専門店
今回お話を伺ったのは、代表取締役 林 宣孝(はやし のぶたか)さん 息子さんの孝拓(たかひろ)さん 岐阜本店 清水 渓太(しみず けいた)さんの3名だ。「ユニオンスポーツ株式会社」は代表取締役 林 宣孝さんが2代目。創業者は宣孝さんの父にあたる人物だ。宣孝社長は、先代に社名や創業のきっかけを聞く機会がなかったという。
創業者について「スポーツは好きだったんじゃないかな」と語ってくれた。
現社長 宣孝さんの息子 孝拓さんがユニオンスポーツを継ぐことが決まっているという。孝拓さんは3代目と呼ばれ、孝拓さんに対し社長の宣孝さんは継いでくれるということは大変なことも多いため必ずしも嬉しいことではないと話す。
「会社を守っていけるのは嬉しいですが、継承することはやはり容易ではありません」息子である孝拓さんがユニオンスポーツを継ぐことについてこう話してくれた。
今回一緒にお話を伺った岐阜本店の売り場を任されている清水さんはサッカー用品が好きで
「子供の頃からずっとサッカーをしてきました。高校もサッカーの強豪校でプレーしていたんです。もちろんサッカーするのも好きなんですが、サッカー用品が好きなんですよ。僕は。」と嬉しそうに話してくれた。
②サッカー専門のスポーツ用品店
創業当時、実はユニオンスポーツはサッカー用品専門のお店ではなかったそうだ。1967年の創業当時、野球とスキーがスポーツとして主流だったと言う。創業当時について宣孝さんに尋ねてみた。
「私は当時まだ子供だったので、創業者の父から聞いたことなのですが、サッカーに絞っていたというわけではなく、スポーツ全般的に扱っていました。」「創業当時はサッカー人口が少なかったんです。なので、サッカー用品を取り扱っているお店がそれほどありませんでした。そんな中で、ユニオンスポーツは他店と比べてサッカー用品が揃っている、というような状態だったと思います。」
サッカーに絞った営業へシフトをしたのは1976年頃だという。今から40年近く前だ。どこも野球やスキーの用品を扱っていた時代に、あえてサッカーとバスケットボール用品専門の店として岐阜店を展開した。当時東京で有名だったスポーツ用品店を参考にしたものの、数年後にサッカー専門店へ切り替えたそうだ。近隣の大手チェーン店との差別化を図るために、スタッフと共にサッカーについての知識を蓄え存分に対応していけるような体制を整えたのだと話してくれた。
③岐阜店のお客様
ユニオンスポーツのようなサッカー専門のスポーツ用品店はやはり珍しい。岐阜店では、特別に根強いお客様との関係性を築いているのだそうだ。客層について尋ねてみた。お客様とユニオンスポーツの信頼関係について、岐阜本店の売り場を任されている清水さんが話してくれた。
「うちはお父さん、お母さんが子どもたちをお店に連れてきてくださるんです。まず、お父さんお母さんが安心して、私達から物を買ってもいいんだって思っていただければ、高校になった時にはお金渡して「ユニオンで買っておいで」って言ってもらえるんです。」「ここに出店して長いのでおばあちゃんの代からユニオンスポーツを利用してくださる方もいるんです。世代関係なくサッカー用品を買うならユニオンスポーツだねって言ってもらえるのって、すごい強いじゃないですか。「何回も息子のためにここに通ったのよ」って孫の靴を買いに来てくださるんです。しかも「昔の店から知ってるのよ。昔は小さかったユニオンスポーツがこんなに大きくなったのね」って言ってくださるんです。」
聞いている私まで胸が熱くなった。きっといくつも胸が熱くなるエピソードをお持ちなのではないかと感じさせられた。
④オンラインショップへの展開
現在ユニオンスポーツはオンラインショッピングも好調なのだと話してくれた。
「ユニオンスポーツは専門性が高いから品揃えが多いんです。それに、いつも買うものや欲しいものが決まっているなら実店舗まで足を運ばずともインターネット上でボタン一つで購入できて家まで届けてくれるのだから、便利ですよね。」と語ってくれた。
日本全国のお客様にも毎日商品を発送しているユニオンスポーツオンラインショップ。品揃えはもちろん、ショッピングサイトの利便性はとても素晴らしく、誰が見てもわかりやすく使いやすい作りになっている。
「今でこそネットショッピングが普及していますが、うちは、20年前ぐらいからECサイトを持っているんです。」「作成当初は思いの外のアクセス数の多さに業者を困らせてしまうこともあったんです。」「アクセスが多すぎて困ります!対応できないからよその業者探してくれ!って言われたんですよ。」
20年も前からホームページを運営していることにかなり驚いた。昔話を語る社長はどこか誇らしそうでもあった。
⑤ユニオンスポーツの今後は?
2代で目を見張るほどの成長を見せたユニオンスポーツの、今後について尋ねてみた。
「店舗数をもっと増やしたいとは考えてないですね。」「店舗数をもっと増やす意味があれば増やしますけど、考えなしに増やすことはしません。地域に根付いて信頼されるお店でありたいです。」
と語る社長が率いるユニオンスポーツは、、無作為に範囲を広げようとすることはしないのかもしれない。ユニオンスポーツの知名度や信頼度がどんどん上がっても、地域や馴染みのお客さんとしっかり会話をしていくスタイルはきっと守られていくだろう。
3代目社長となる孝拓さんも寡黙ではあったが、ユニオンスポーツやお客様の為に多方面から考え行動されている姿にユニオンスポーツ株式会社への熱い想いが感じられた。
ひたむきにサッカーに取り組む人々に寄り添い、道具だけでなく心身のメンテナンスをしてくれるような場所として、今後もユニオンスポーツは存在し続けるのかもしれない。
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