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岐阜市

愛車を美しくコーティングする「S-class」を訪ねてみた。

愛車を美しくコーティングする「S-class」を訪ねてみた。
TOM
TOM
車をコーティングすると、すごく格好良くなるんだね!
SARA
SARA
そうね。ピカピカでいつまでも見ていられるわよね。
TOM
TOM
僕もコーティングしたら格好良くなるかなぁ?
SARA
SARA
毛が固まってガビガビになるんじゃないかしら…
この記事は約6分で読めます。
今回のツムギポイント
  • S-classの社名に込めた想い
  • 今の時代は「人」が商品
  • 奥様やお客様が起業を後押し
  • S-classを起業した理由
  • 今後は経営者として「人」を育てたい

 

 

岐阜市日光町にあるS-class株式会社をご存じだろうか。
「お客様の大切な車を究極なまでに美しく」をモットーとする、カーコーティングの会社だ。本日は代表兼店長を務める阿部 京介(あべ けいすけ)さんにお話を伺った。

 

 

①S-classの社名に込めた想い

まずは社名の由来について伺ってみた。車に詳しい人であれば「Sクラス」と聞けばベンツが思い浮かぶのではないだろうか、実際はどうなのだろうか。

 

 

「本当にそのようなイメージです。当店ではただ車を綺麗にするだけではなく、お客様に合ったプランを一緒に考えていきます。ですから作業品質はもちろん、接客も含め、すべてにおいて一流のサービスを提供できるようにという想いを込めました。またSで始まる単語には高級感のある単語が多いので、そのすべてを含めたくて。」

 

 

確かにSから始まる単語にはSuper(素晴らしい)、Special(特別)、Superior(優れた)などがある。またSafe(安全)、Satisfaction(満足)、Smile(笑顔)などもSから始まる言葉だ。さまざまなお店の想いを込めることができる名前となっている。

 

 

また創業のきっかけについても尋ねてみた。S-classは2022年11月に登記されているが、実際にお店をオープンしたのは2023年9月である。一体何があったのだろうか。

 

 

「妻との結婚記念日に創業しました。前職でもカーコーティングの会社にいたのですが、人手不足なのと、店長だったこともあり、退職を引き止められて辞めるまでに時間がかかってしまったんです。ただ法人の立ち上げは先にしてもいいと言われたので、登記だけしました。そこから融資を受けて、2023年4月から工事をして、9月にオープンしたんです。」

 

 

阿部さんの前職は、車好きなら恐らくほとんどの人が知っている大手のカーコーティング会社だ。そして創業日に結婚記念日を選ぶという、ロマンチックな一面をのぞかせた阿部さん。現在は奥様と2人でS-classを切り盛りしている。

 

 

②今の時代は「人」が商品

続いて、阿部さんの幼少時代について伺った。1989年生まれの阿部さんは現在34歳だが、そのキャリアは約17年に及ぶ。

 

 

「17歳のときにアルバイトで前の会社に入ってから、ずっとこの仕事をしています。従兄弟が車の整備をしていたこともあり、小さい頃から車が好きでした。特にアメ車に興味がありました。ただあまり勉強していなかったので、自動車科のある高校に行けなかったのです。一時は車から離れようとしたのですが、どうしても車が好きで諦められませんでした。そしてアルバイトで入って出会ったのが、車を美しくコーティングする仕事だったんです。」

 

 

当時はまだ認知度が高くなかったコーティングに出会い、魅了された阿部さん。車好きが高じ、17歳にして「天職」に巡り合えたわけだ。

 

 

筆者も車が大好きなのだが、美しく手入れされた車を見ると「この人は車が本当に好きなのだな」というのが伝わってくる。逆にどんなに高級でも、汚れていたり手入れされていない車を見ると「車好きではないな、もったいないな」と感じてしまうのだ。筆者は車を洗車機に入れずに手洗いしているのだが、S-classでも手洗いにこだわっている。そのこだわりぶりはWebサイトやInstagramでも紹介されているので、興味のある方はぜひチェックしてほしい。

 

 

そしてInstagramには、美しくコーティングされたたくさんの車の写真がズラリと並ぶ。すべてお客様の車だ。中には阿部さんが前の会社にいた時代から懇意にしているお客様も多い。

 

 

「今までずっとお客様の車のコーティングをさせていただいていたのに、急に居なくなるのは失礼にあたりますよね。ですので、無理やり来てくださいとお願いしたのではなく、自分の責任として、新しい道へ進むことを伝えし、お客様に選んでいただいたんです。そしたら多くの方から『全力で応援するから』と言っていただけました。そして現在でもご縁がつながっています。やはり今の時代は「人」が商品みたいなものですから、嬉しいですね。」

 

 

そう言って、顔をほころばせる阿部さん。まさに「お客様は、お店ではなく人につく」というわけだ。

 

 

③奥様やお客様が起業を後押し

大手のカーコーティング会社で店長を勤めていた阿部さん。おそらく収入も安定していたのではないかと予想される。夫の転職や独立を反対する「妻ブロック」という言葉もあるが、阿部さんが独立するときに奥様の反対はなかったのだろうか?

 

 

「大手ですが、フランチャイズでしたので、収入は可もなく不可もなく、といったところです。妻とは4年前に結婚しました。実は、妻も同じ会社で働いていたんです。妻は車の販売や、車検や保険などの事務を担当していました。ですので、妻は内情をよく知っています。僕はずっと元の職場に骨をうずめるつもりで、色々環境を変えようと努力していました。しかし何も変わらず、仲間が1人、また1人と辞めていきました。何のためにやっているのだろうと悩む僕を見て、妻が「どうせ同じことをやるのなら」と独立を後押ししてくれたんです。」

 

 

何と、奥様は反対するどころか、むしろ阿部さんの背中を押していたのだ。

 

 

「退職したのはちょうど結婚して、子どもが生まれて、家を買ったタイミングなんですよ。こういう妻って、多分なかなかいないと思います。家族を背負い、これから頑張っていかなければというときに独立を決めたので、周囲には『えっ、本当に?』と驚かれました。」

 

 

そんな阿部さんをよく理解し、応援してくれたのが、前職からのお客様だった。一代で会社を成した創業者、経営者の方が多く、悩む阿部さんにアドバイスを授けたのだ。

 

 

「結局、やるかやらないかだけ、タイミングも大切だけど、それ以上に大切なのは覚悟だよ。」「やっても後悔するし、やらなくても後悔する。それならやって後悔した方が良い。軌道修正は後からでもできる。やらない後悔が一番良くないよ。」

 

 

そんな先輩たちの言葉を胸に、阿部さんは「よし!」と前に踏み出した。そしてS-classが生まれたのである。

 

 

④S-classを起業した理由

阿部さんが起業した理由、それはお客様に対し、時間をかけて納得のいくサービスを提供したいからだそうだ。組織の中にいる状態では、どうしても1人のお客様に対してかけられる時間に制限ができてしまうジレンマがあったという。

 

 

「起業した理由は、やはりお客様一人ひとりに向き合いたかったというのが大きいですね。今は僕が1人でコーティングをしているので、たくさんのお客様を受け入れるのは難しいのですが、その分、来ていただいたお客様に満足いただけるサービスを提供したいと考えています。

 

 

奥様はホームページの作成などバックヤードを担当。二人三脚でS-classを経営している。S-classでは3種類のコーティングを用意しているが、中でもおすすめなのが「セラミックコーティング」だという。

 

 

「セラミックコーティングは、ガラスコーティングと比べて持続性が圧倒的に違います。シミや汚れが付きにくく、艶や厚み、固さもセラミックコーティングの方が優れています。ただその分、価格が高くなってしまいますので、お客様と相談して決定します。」

 

 

筆者の愛車はガラスコーティングを行なっているが、やはり手入れをしていても経年劣化とともに汚れが落ちにくくなってしまう、阿部さんの話を聞いて値が張るがセラミックコーティングをお願いしたいと切に思った。

 

 

⑤今後は経営者として「人」を育てたい

阿部さんの将来の夢は「スーパーカーに乗ること」だという。そんな阿部さんは今、フェラーリやランボルギーニなど、多くの高級車のコーティングを手がけている。何千万もする高級車をコーティングすることも多い阿部さん。怖くはないのだろうか?

 

 

「最初は怖かったですね。もうビクビクです。しかしお客様が慣れさせてくれました。僕を頼ってくれるお客様のおかげで、少しずつメンタルが強くなっていきましたね。」

 

 

そんな阿部さんは今後、お店を少しずつ大きくしていくことも考えているという。

 

 

「現場は僕1人ですが、今後はコーティングできる従業員を増やして、店舗を拡大していきたいと考えています。今のお店はもともと実家があった場所で、最初の出発点としてはよいのですが、どうしても受け入れられる台数に限りがあります。そのためにも、まずはしっかりと基盤を作っていきたいです。正直な話、ただお金を稼ぎたいだけなら、僕一人だけでやった方が儲かるんです。しかし僕は経営者でありたいと考えています。任せられる人たちを育てて、組織を作っていきたいですね。」

 

 

お客様から信頼される、阿部さんの人柄がにじみ出るインタビューとなった。前職では苦労も多かった阿部さんだからこそ、きっと現場の人たちの気持ちを汲み取れる、良いリーダーになるのではないだろうか。実は筆者は今、買いたい車があるのだが、購入した暁にはぜひコーティングをお願いしたいと考えている。

 

 

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