ハーブの専門家が提供する「ハーブカフェ ドゥトゥクール」を訪ねてみた。





こだわりのハーブティーや料理で心と体を癒やし、人がつながるコミュニティの場を提供している。今回は、オーナーの山本 寿美(やまもと かずみ)さんにお話をうかがった。
- ハーブの回復力を体感
- 家族全員がハーブの専門家
- ドゥトゥクールのこだわり
- 若い方にハーブティーを知ってほしい
- 地域全体がつながる場所にしたい
①ハーブの回復力を体感
「ハーブカフェ ドゥトゥクール」は、2023年5月にオープンした。
「もともと義母がハーブのサロンを経営しており、ハーブティーを提供できるカフェが欲しいという話になりました。家族で相談したうえで、私がオーナーとなり、開店することに決めました。」
山本さんは以前、英会話スクールに勤めていたが、スクール内の一つを任され、経営者に近い経験をしていた。そのため、カフェの経営にも活かせると考え、開店を決断したという。
山本さんがハーブに興味を持ったきっかけは、ハーブティーを飲んだことで、体の不調が回復したご自身の体験があったからだと話す。
「私が産後体調が戻りづらかったんですが、そのときに、義母が作ったハーブティーを飲んだら驚くほど効果があって体調が回復したんです。本当にハーブティーの効果を実感したんです。それを機に、私の中でハーブを推していこうという思いが芽生えました。」
「百聞は一見にしかず」というが、不調の改善を実感することで、ハーブの魅力に気づいたのである。その思いで先頭に立ち、ドゥトゥクールの開店に向けて動き出した。
店内の内装は、木と緑を基調としたおしゃれな雰囲気で、温かみと癒やしを感じる。
「『お店に入ったときに異国感を感じる場所にする』というコンセプトがあります。私の実家が工務店で、相談しながらデザインを考えたり、店のスタッフが内装業を営んでいるため、クロスの色を相談して任せたり。このお店はみんなで作り上げました。」
オーナーのこだわりを、みんなで形にして作り上げたのが、ドゥトゥクールである。

②家族全員がハーブの専門家
ドゥトゥクールを始めるにあたって、山本さんとご主人の二人は会社を退職して、ハーブに関する資格を取得した。
「ハーブに関連する協会が複数あるので、各協会の参考書をもとに勉強しました。それぞれ1〜3級に分かれているのですが、家族全員1級まで取得しました。ちなみに、みんな異なる協会の1級をそれぞれ持っています。」
家族全員で同じ協会の資格を取るのはもったいないと考え、あえて異なる協会の資格を取得することで、結果的に三つの協会を網羅した。まさに「ハーブの専門家」である。
「カフェ開店と同時にハーブ農園を作りました。提供するハーブをできる限り自分たちで育てようという、私たちの想いからです。主人は、ハーブ農園の管理をしてくれています。」
ご主人は、それまで農業未経験だったというが、資格の勉強で学んだり、他の農家に行って見聞きしたりして、独学で習得したという。ご主人の家族に対する想いや、事業への強い覚悟が伝わる。
そんなドゥトゥクールであるが、お店の名前の由来について、山本さんにうかがった。
「フランス語で『まごころを込める』という意味があるため、それを引用しました。ドゥトゥクールの想いをもって、お客様の心と体を癒やせることができれば嬉しいです。」
「ドゥトゥクール」という店名は、元々お義母さんが運営していたサロンで使われており、それを引き継いだ形でもある。
「サロンも併設してあり、今も行っています。一人ずつカウンセリングをして、その方に合ったハーブをその場で調合する形式のサロンです。ストレスを抱えている方や自律神経が乱れている方に好評で、義母がメインでカウンセリングを担当しています。」
山本さんはカフェの経営、お義母さんはハーブの調合、ご主人はハーブ農園管理と、一つのチームとして役割を明確にしている部分に、この家族のチームワークの強さを感じた。
③ドゥトゥクールの3つのこだわり
ドゥトゥクールには、主に3つのこだわりがある。
【ハーブの自家栽培】
・ハーブ農園を所有
・ハーブの採種(咲いた花から種を取り次回使用する)
・年間20種類を栽培
ドゥトゥクールは、年間で20種類のハーブを自家栽培している。
「自分たちで育てられるハーブは栽培していますが、日本の気候で育たないものはオーガニックのハーブを仕入れています。自家栽培では、ハーブの採種を行っているので、無駄のない育て方をしていると思います。」
前年に咲いた花から種を採り、それを翌年に使用する工夫は、持続可能な取り組みで、社会に貢献していると言える。
【食材へのこだわり】
・オリジナルハーブティー
・オリジナルハーブソルト(ドゥソルト)
・恵那どり
・化学調味料不使用
看板メニューはオリジナルのハーブティーであるが、食事にもこだわりがある。使われている鶏は、恵那市のブランド鶏「恵那どり」を使用。ふっくら感が他の鶏と違い、山本さんが大好きなため採用している。
「ランチでは、料理に添えるスパイスとして、22種類のハーブと岩塩を合わせた、『ドゥソルト』を提供しています。ノーマルとチリ多めの2種類を用意していて、いろいろな味を楽しめます。また、化学調味料不使用なので、ハーブだけでおいしさと健康を引き立たせるソルトとなっている点が強みです。」
【ユニークなメニュー】
・食事はビーガンの方にも対応
・ドッグ用ハーブティー
・研究会を発足してメニュー考案
メニューの中には、お客様への細やかな配慮が見られる。
「ビーガンの方でも召し上がれるように対応可能です。また、ワンちゃんと一緒に食べることができるので、ワンちゃん用のハーブティーも用意しています。」
犬の年齢に応じて不調を訴える部分を聞いているので、それに合わせてハーブティーを何種類か作っているという。
ドゥトゥクールでは、研究会を発足して、さまざまなハーブの調合を試しては、常に新しいメニューを考案している。店名の「まごころを込める」という想いをもって、より良いものを追求するこだわりが、ドゥトゥクールの強みである。

④若い方にハーブティーを知ってほしい
ドゥトゥクールにいらっしゃるお客様は、主に30~50代の女性である。
「ハーブティーは、飲み続けていただくことで効果が期待できると考えています。心や体に不調を感じる方は、ぜひ一度お越しください。」
自身の経験を踏まえて、ハーブティーへの想いを語る山本さんであるが、今後はさらに若い世代の方にも知ってほしいと語る。
「最近若い世代で、精神科に通う方が増えていると耳にします。薬も大切ですが、中にはハーブに触れたことで穏やかになったという声もあります。選択肢の一つとして試してもらいたいです。」
「コーヒーを飲みに行こう」という言葉のように、「ハーブティーを飲みに行こう」が若い世代の間でも当たり前になる日が来ればいい、と山本さんは話す。
そのためにも、ドゥトゥクールの宣伝活動にも力を入れている。
「SNSはインスタグラムを活用していて、そこからお客様が来店されるケースが多いです。SNSの運用はすべて私が行っています。また、ワークショップの開催やマルシェに出店しています。」
マルシェは、オーガニック系のマルシェなど、ご縁がある人のところで出店している。ワークショップでは、「自分だけのオリジナルハーブティー作り」をテーマに、定期的に開催しているという。
「夏休みに、子供向けのオリジナルブレンドの会を開催しました。ハーブの調合が実験のような感覚になったようで、子供たちみんなが楽しんでくれて、大好評でした。」
積極的なハーブの普及活動によって、子どもから大人まで、幅広い世代にハーブが広がり始めている。「ハーブティーを飲みに行こう」がメジャーになる日もそう遠くないかもしれない。

⑤地域全体がつながる場所にしたい
ドゥトゥクールを始めて約1年半経つが、山本さんはここまでを「楽しい」と振り返る。
「ドゥトゥクールという場所を通じて、いろいろな人がつながる様子を見られるのが楽しいです。お客様から私たちに質問や話をしてくださったり、お客様同士が情報交換し合ったり、みんなで一緒になって話が盛り上がったりと、つながりが生まれるんです。」
ドゥトゥクールは、ハーブをきっかけに新たなコミュニティを生み出している。この場が人をつなげていることに、山本さんは喜びを感じているのである。
今後の展望について、山本さんにうかがった。
「これは野望に近いですが、いつか海外に出店したいです。どこの国かはまだ決めていませんが、海外進出への夢があります。その際は、よもぎなど和のハーブを取り入れた展開を考えています。」
一方で、近々実現できそうな夢についても語った。
「ドゥトゥクールを活用して、地域みんなが盛り上がる取り組みができればと考えています。例えば、オーガニックの野菜を育てている農家さんが、この場所を使って野菜を売るなど、地域全体で活性化する場所にしたいんです。」
山本さんは、自分たちだけでなく地域全体の活性化を目指している。ドゥトゥクールを通じて、人と人がつながり、今後もコミュニティを育む場としての役割を果たしていきたいと考えている。
ドゥトゥクールは、まごころを込めてハーブをテーマにした「カフェで、人がつながるコミュニティの場を提供している。自家栽培のハーブを使った、こだわりの紅茶や料理は、心と体を癒やしてくれるだろう。
ハーブティーに興味がある方や、ストレスを抱えている方は、一度訪問してみることをおすすめする。山本さんや他のお客様と気軽に会話をすることで、新たなコミュニティと出会いがあるかもしれない。この機会に、ハーブの魅力に触れて、心身ともにリフレッシュしてみてはいかがだろうか。

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