飲食業
岐阜市

一口で恋に落ちるテリーヌショコラの専門店「Kitchen ari.ao」を訪ねてみた。

一口で恋に落ちるテリーヌショコラの専門店「Kitchen ari.ao」を訪ねてみた。
TOM
TOM
テリーヌショコラ、初めて食べたけど美味し〜!
SARA
SARA
本当に美味しいわよね!濃厚なチョコが最高よね〜♡
TOM
TOM
計算しつくされたあのフォルム、色合い、それに断面!ほんと芸術的だよね〜
SARA
SARA
・・・観点が想像の斜め上だったわ・・・
この記事は約5分で読めます。
岐阜市にある「Kitchen ari.ao(キッチン アリ・アオ)」をご存じだろうか。
イベントやマルシェへの出店を中心に活動するテリーヌショコラ専門店だ。今回は、米山 陽子(よねやま ようこ)さんにお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 将来の選択肢をひとつでも増やしたい
  • 素敵な縁を紡いだテリーヌショコラ
  • コラボレーションでまちの活性化にも
  • 実店舗を持つ夢と葛藤

①将来の選択肢をひとつでも増やしたい

 

発達障がいを持つ息子さんの未来を考え、将来の選択肢を増やすため、お店を開くことを夢に活動をスタートした米山さん。

 

Kitchen ari.ao(キッチン アリ・アオ)」という店名は、自身の原動力である2人の息子さんたちの名前を組み合わせたものだという。また、印象に残りやすい「一口で恋に落ちる」というキャッチコピーも米山さん自身の発案だ。

 

実店舗を持たず、マルシェへの出店やオンライン販売をメインに活動しているが、この活動を始めたたきっかけをうかがった。

 

「デイサービスの先生との面談があったのですが、その中で今後の進学や就職について聞かれたことがあったんです。当時、息子が小学校に入学する歳だったので、正直そんな先のことは考えていなかったんですが、障がいが軽度である息子は、『将来大人になった時、健常者と同じ土俵に立って生活することになると思うから、先を見据えて考えていかないといけない』と言われたんです。」

 

軽度の障害がある方は、普段から発達障がいを持つ方と触れあう機会がなければ、障がいがあるとは気づきにくく、健常者と変わらないように見えるのだ。また、国からの支援や補助も、さまざまな基準のもとに判断されるため、受けられる可能性は低いのだという。

 

そんな息子のために何ができるだろうと考え、思いついたのがこの活動だった。

 

「私はお菓子や料理を作るのが好きだったので、もし私がお店を開くことができたら、息子の将来の選択肢をひとつ増やすことができると思ったんです。」

 

こうして、趣味から始まったお菓子作りが本格的な事業へと発展。息子さんたちからの後押しと周囲の協力のもと、初めての出店はサンドイッチとキッシュからスタートした。

 

当初は惣菜などを販売していく予定だったが、プレゼントでお渡ししたテリーヌショコラが好評を博し、今では主力商品になっていると話してくれた。

 

今回、米山さんのご厚意でテリーヌショコラをいただいた。

 

口に入れると想像以上になめらかな舌触りと、絶妙なチョコレートの濃厚さに心地よい甘さだった。今回は半解凍でいただいたが中心部分は食感も味わいも異なり、2通りの味わいを楽しむことができ、まさに「一口で恋に落ちるテリーヌショコラ」であった。

 

この記事を読んでいる読者の方にもぜひご賞味いただきたい。

 

②素敵な縁を紡いだテリーヌショコラ

 

テリーヌショコラとは、その名の通り「テリーヌ(Terrine)」と呼ばれるフランス料理の一種からインスパイアされた、濃厚なチョコレートを使用したデザートのことを指す。

 

長方形の型に流し込んで固められたものを切り分けて食べるスタイルが多く、使用するチョコレートの種類や濃度、材料の比率が、味と香りに大きな違いを生むのだという。

 

以前は趣味でお菓子や料理を作っていたという米山さん。今では、自身で開発した商品を販売するほどにまで腕を上げている。人気のテリーヌショコラも、こだわりの詰まったオリジナルレシピだ。

 

「初めはレシピ本などを参考に作っていました。そこから少し分量を変えてみたり、自分なりのアレンジを加えたりと試行錯誤を繰り返していきました。チョコレートも入れる分量によって柔らかさが全然違うので今のレシピに辿りつくまで何度も何度もいろんな組み合わせで試しました。」

 

余分なものは入れず、できるだけ体に良い材料や調味料にこだわり、温度調整や混ぜ方など、何度も試行錯誤を重ねて、現在のレシピが完成したのだそう。

 

「試作品ができたら、まずは自分で食べてみて、子どもたちや友人の意見を参考にしながら改良していきました。子どもたちは遠慮なく『美味しくない』とか意見を正直に言ってくれるので参考になりました(笑)」

 

この活動を始めることを決め、初めてマルシェに出店した時のことをこう振り返る。

 

「最初は当然ですが、お客様が来てくれるか、買っていただけるのか、という不安はありました。ですが、少しでも息子の将来の土台となるものを作れたらという想いで準備を進めていました。」

 

これまでの実績として、2023年・2024年にJR名古屋高島屋での催事『アムール・デュ・ショコラ』にて、久遠チョコレートとのコラボ商品『quon × ari.ao コラボテリーヌショコラ』を販売。

 

このコラボレーションは、障がい者雇用に力を入れている企業である久遠チョコレートの企業理念や、代表である夏目氏の信念に感銘を受け、メッセージを送ったことをきっかけに実現したのだとか。

 

「偶然、障がい者雇用に力を入れている企業があるという話を耳にして、興味を持ったのが始まりです。誰でもそうだと思うのですが、障がいがある方は他の方よりも「どうやって生きていけば良いんだろう」という不安が大きいと思うので、『失敗してもやり直せばいい、一緒に頑張ろう』という夏目さんの考えがすごく胸に響いたんです。本当に信じられないくらい、素敵なご縁をいただいたなと思っています。」

 

③コラボレーションを通して、まちの活性化にも

 

マルシェやオンラインショップでは、テリーヌショコラや、チーズテリーヌをメインに、サブレや、季節の食材や、地域食材等を使ったスィーツの販売を行っているほか、他の飲食店とのコラボレーションを通じて新しい商品開発にも取り組んでいる。

 

「何度も試行錯誤を重ねて、心から美味しいと思えるものを提供しているので、『美味しい』と言っていただけるのがいちばん嬉しいです。かなりこだわりが詰まっているので、共感していただけるとやっぱり嬉しいですね。」

 

イベントやマルシェへの出店時には、お客様とのコミュニケーションを大切にしているという。米山さんの活動に共感し、応援に来る方も多く、中には、米山さんと同じように障がいを持つお子さまを育てる親御さんも訪れるのだそう。

 

「この活動を通して輪が広がって、つながった方も多いです。みなさん本当によくしていただいて、ありがたいですね。」

 

④実店舗を持つ夢と葛藤

 

素晴らしい経験と実績を持つ米山さんだが、実はもともと料理が得意ではなかったのだそうだ。

 

「料理を作ることは嫌いではないのですが、得意ではなかったんです。ですが、子どもが保育園入ったくらいから『キャラ弁を作ってほしい』とか、いろいろ要望が出てくるようになって、子どもの為に!と少しずつ自分なりに頑張るようになりました。やっぱり子どもが喜んでくれると嬉しいので、頑張れちゃうんですよ。それがどんどん積み重なって、今につながっているように思います。」

 

子どもたちが喜ぶ姿を見て料理を頑張るようになったと話してくれた。努力を重ね、周囲とのつながりを大切にしながら、常に新しいことに挑戦し続ける米山さん。今後の夢や目標をうかがってみた。

 

「今はキッチンもお借りしているんですが、ゆくゆくは自分の工房だったり実店舗を持つのが夢です。息子のためにとは言っていますが、もしかしたら息子はやらないと言うかもしれません。けれど、それはそれで、自分の好きな道に進んで自立してくれたらいいと思っているので。もしやりたいってなった時、少しでも土台を作ってあげられていたらいいなと思っています。これからやりたいことはたくさんありますので、日々頭の中でいろいろ考えているところです。」

 

息子さんのために奮闘する米山さんの姿は、多くの人々に勇気と元気を与えていることだろう。今後のさらなる飛躍を期待したい。

 

新商品情報のほか、各種イベントへの出店情報もインスタグラムで随時発信しているので、そちらもぜひ注目してほしい。

 

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