地域の人々に愛され続けるパン屋さん「つくしぱん」を訪ねてみた。





やさしい雰囲気が特徴で、2015年6月のオープン以来、地域の人々に愛され続けるパン屋さんだ。今回は、店主の奥様である林 由佳(はやし ゆか)さんにお話をうかがった。
- 親しみやすく、地域の人々に愛されるパン屋さんに
- 味も見た目も楽しめる、こだわりの詰まったメニュー
- 旬の食材を使用し、地産地消を目指す
- さまざまな葛藤と、新たな挑戦
①親しみやすく、地域の人々に愛されるパン屋さんに
夫婦二人三脚で運営する「つくしぱん」は、まるで童話の世界に登場するような、かわいらしい外観や内装が特徴だ。
覚えやすく、印象に残りやすいこの店名は、「おいしいパン作りに思いを尽くす」という意味が込められており、2人で決めた名前なんだそう。
小さなお子様から年配の方まで、誰でも気軽に買いに来られるような、親しみやすい雰囲気を大切に、地域に密着したパン屋さんとして長年愛され続けている。
「うちは学校の近くということもあり、近所の駄菓子屋さんのような、学生さんや子どもたちが気軽に入りやすく、買いやすいパン屋さんをイメージしています。」
内装にも2人のこだわりが詰まっており、一目ぼれしたというフクロウの掛け時計は、訪れるお客様からも好評だという。


②味も見た目も楽しめる、こだわりの詰まったメニュー
店主であるご主人は、22歳から経験を積み、この地で開業して今年9周年を迎えた。由佳さんはオープン当時をこう振り返る。
「独立することへの反対は全くなかったです。お店を持ちたいとずっと言い続けていましたし、私もそれを応援したい、手伝いたいという気持ちでした。ただ、やっぱり美味しいパンを提供し続けないとお客様に喜んでいただけないので、彼に任せてばかりではなく私もしっかりしなければという気持ちも強かったですね。」
「つくしぱん」では、小さなお子様向けに、アシカを模したチョココロネや、カブトムシを模したメロンパンなど、味だけでなく見た目も楽しめる工夫が施されている。
「親しみのあるパンを作れたらと思い、当店オリジナルのキャラクターも作りました。季節ごとに旬のものを取り入れて、中身やキャラクターを変えています。」
これらのキャラクターパンは、由佳さんが提案し、ご主人が試作を重ねて形にしていくことが多いのだという。
「この辺りは年配の方も多くお住まいなので、幅広い年齢層の方に向けて、定番から菓子パン、惣菜系、ハード系まで豊富な種類を取り揃えています。惣菜系もすべて手作りなんです。すべての工程を2人で分担しながら、ひとつひとつ手作業で仕上げています。」
惣菜パンに入れる唐揚げも毎日揚げているのだと話してくれた。お二人で、分担しているとはいえ大変なのではないだろうか。
「やっぱり、私たちが作るパンを食べて喜んでもらえたり、『美味しい』とか、『食べられなかった野菜が、ここのパンのおかげで食べれるようになりました』とか、お客様からのお声がいちばんのモチベーションになります。そういった日々のコミュニケーションが、お店を長く続ける秘訣なのかなと思っています。開店当初からの常連さんも多く、地元の方に認めてもらえた感じがして、自信にもつながりますね。」
まさに、年齢を問わずどなたでも気軽に訪れやすく、「つくしぱん」がこの地で長年愛され続ける所以だと感じた。

③旬の食材を使用し、地産地消を目指す
パンに使用する材料は、ご主人の長年の修業と経験をもとに、種類や生地に合わせて産地を使い分けている。地産地消を意識し、地元の旬の食材を使用した季節ごとの限定メニューも人気だ。
その中でも、米粉を使用した食パンは、近年増加しつつあるグルテンフリーのニーズに応える人気商品のひとつだ。アレルギーを持つ方にも安心して美味しいパンを食べていただくことが夢だったそうで、それが叶えられたと笑顔で話してくれた。
「やっぱり生地によって向き不向きがありますし、より美味しいパンを提供することを考えて選んでいます。米粉の食パンは販売を始めてからもう3年になるんですが、最近グルテンフリーだったり、体に気を遣う方がより増えてきたように思いますね。」
「つくしぱん」の公式インスタグラムでは、店内外のかわいらしい装飾やパンの写真が随時アップされている。季節に合わせた商品の紹介もあり、フォロワーさんからのコメントも多い。
訪れた人々も「#つくしぱん」というハッシュタグをつけて、購入したパンの画像を投稿しており、人気の高さがうかがえる。
「私たちはホームページを作ったり、SNSの運用があまり得意ではないので、みなさんが口コミで広げてくださったり、声をかけてくださるのはすごくありがたいことだと思っています。ただ、時には厳しい意見をいただくこともありますが、ありがたいことなのでしっかりと受け止めて、次に繋げていこうと考えています。」
「おいしいパン作りに思いを尽くす」というのが店名の由来だそうだが、お店を運営するにあたり、2人が大切にしている思いをうかがってみた。
「いつでも安定して美味しいパンを提供することをいちばん大事にしています。ずっと同じ商品だけだと飽きられてしまうかもしれないし、流行りに乗っていろんなところに手を出しすぎると質が落ちてしまうかもしれない。そのあたりのバランスも見ながら、「安心・安全・安定」を継続することを大切にしています。」
いつでも美味しいパンを提供し続けることは容易ではない、しかしお二人なら今後もきっとおいしいパンを提供してくれるだろうと感じさせてくれるお話しだった。

④さまざまな葛藤と、新たな挑戦
地域の人々から愛され続ける人気店ではあるが、あまり知られていない立地ということもあり、まだまだ認知度が低いことが課題だと話す由佳さん。また、近年の原材料費の価格高騰による値上げも懸念しているという。
「こればかりは今後どうなるか読めないですよね。安心・安全・品質は落とさずに、この先も子どもたちが気軽に買える価格を維持できるように、続けられるところまでは頑張りたいと思っています。」
さらに、今後の展望や夢についてもうかがってみた。
「先日初めてイベントに出店させていただいたのですが、すごく新鮮でしたね。ありがたいことに、来年もぜひというお声をいただいたので、今後も機会があれば積極的に出店していきたいなと思いました。」
普段、外部のイベントなどへ出店する機会が少ないからこそ、お店とは違う環境や、新たな出会いも楽しみだと話してくれた。
「イベントでお会いした方で趣味でパンを作っている方とお話ししたりするんですが、そういった方とのお話はお互いに情報交換できて勉強にもなるし、刺激になるのですごく楽しいんです。それに、普段うちのパンを食べていただいている方の感想は大事だと思っているので、お客様との会話をもっと増やしていけたらとも考えています。」
来年6月に10周年を迎える「つくしぱん」。今後、イベントやマルシェへの出店を通じてさらに多くの人に知ってもらいたいと考えており、小さな子どもたちに楽しんでもらえるよう、絵本や紙芝居の読み聞かせイベントの開催も視野に入れているそう。
これから、さまざまなイベントやマルシェで「つくしぱん」のパンを楽しめる日が来るかもしれない。パンの販売だけでなく、さまざまなイベントを模索中とのことなので、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがだろうか。

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