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岐阜市

写真専門ギャラリー「pieni onni」を訪ねてみた。

写真専門ギャラリー「pieni onni」を訪ねてみた。
TOM
TOM
最近フィルムカメラにハマってるんだ!デジタルとは違う魅力があるんだよね~
SARA
SARA
また新しい趣味が見つかったのね〜何を撮ってるの?
TOM
TOM
この夕焼けの写真とか、海辺の写真とか、結構上手に撮れたと思うんだよね~♪
SARA
SARA
・・ガサツなあなたにしては、なかなか良いじゃない・・・
この記事は約5分で読めます。
岐阜市清住町にあるフォトギャラリー「pieni onni(ピエニ オンニ)」をご存じだろうか。
前オーナーの想いを受け継ぎながら、新たな風を吹かせるべく、リニューアルオープンした。今回は、自身も写真家として活動しながら、共同でギャラリーを運営するYoshieさんとスダマナさんの2人にお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 意思を受け継ぎ、新たな風を吹かせる
  • 表現方法の異なる2人の出会い
  • 自分たちならではの強みを活かしていきたい
  • 岐阜の文化シーンを盛り上げる場所に

①意思を受け継ぎ、新たな風を吹かせる

 

フィンランド語で「ちいさな幸せ」を意味する「pieni onni(ピエニ オンニ)」。前オーナーである写真家・沢田ひろみさんが、岐阜に写真を展示する文化を広げることを目指し、20207月にオープンしたフォトギャラリーだ。

 

北欧を旅行した際に、現地の人が自宅や店舗の壁に写真を飾る様子を見て、「このスタイルを日本でも取り入れたい」と思ったことをきっかけに、もともと雑貨屋だった場所を改装し、「写真のある生活」を提案してきた。

 

そんな沢田さんの想いを引き継ぎ、自身も写真家として活動するYoshieさんとスダマナさんがオーナーとなり、20245月にリニューアルオープンした。

 

「訪れた方たちのご縁が繋がっていく場所を目指し、写真以外のアートも企画して、親しみやすいギャラリーにしていきたいです。」

 

と意気込みを語っていたスダマナさん。日々さまざまな企画を練っており、これまでに開催した写真展はどれも好調だ。

 

②表現方法の異なる2人の出会い

 

これまで、写真家として県内外のさまざまなギャラリーで出展経験がある2人。出会いはおよそ2年前。お互い顔見知り程度だったが、とある写真展をきっかけに仲が深まったそうだ。

 

「グループ展で隣同士だったんですが、その時に来場していたお客様から『作風も違うし、二人展をやってみたらおもしろそう』と言われたんです。」

 

そこから二人展の実現に向けて計画しはじめ、展示会の会場として選んだのが、沢田さんの運営する「pieni onni」だったのだ。

 

スダマナさん「ずっと言ってるんですけど、私にとって憧れの方だったんです。作風がすごく好きで、私にはない感性を持っている方だとずっと思っていました。喧嘩ではないんですが、ちゃんと本音を言える関係になるまで、いろいろなことがありました。」

 

昨年9月に開催した『写真展・ニュアンス』の会期中に、沢田さんから「ギャラリーを継いでもらえたら」という旨の打診があったのだとか。

 

Yoshieさん「そのお話をいただいたとき、直感的に彼女とならできると思いました。なので、自分の感覚では結構即決だったと思います。」

 

お互いに「なにか運命的なものを感じた」そうで、もともと20243月で終了する予定だった「pieni onni」を受け継ぐ決意を固めた。

 

③自分たちならではの強みを活かしていきたい

 

今では写真家としてさまざまな活動をしている2人だが、どちらも趣味からスタートし、本格的に活動し始めたのは7年ほど前だという。幼少期から「フィルムカメラ」で写真を撮っていたこと、被写体が「人物」であることが2人の共通点だ。

 

スダマナさん「人物を撮っているという部分はお互い共通しています。それがあってのニュアンス展だったので、すごくおもしろかったです。」

 

Yoshieさん「でも表現したいものが全然違うので、同じ人物を撮っても、見れる作品は全然違うんです。ちょっと説明が難しいんですが、私は造形美というか、人間を彫刻のように捉えていて、人としての形の美しさを表現しています。一方彼女の作品は、人間の内面の部分を感じ取れるような作品になっています。」

 

被写体が同じでも、表現したいものによって、全くの別物になるのだという。

 

スダマナさん「それこそ、自分で自分を撮るセルフポートレートみたいなこともしていて、自分自身の内面をどう写すか、というのを探求しています。」

 

共通点がありつつ、表現方法という相違点もあることで、それぞれの強みがより引き立っているのだろう。

 

現在は、月に2回、各5日間程度の日程で、趣味の方からプロの写真家まで、幅広い作品を展示している。

 

オーナーが常駐し、来場者や出展者である作家と親密にコミュニケーションが取れるのも「pieni onni」の強みのひとつだという。

 

「私たち自身がたくさんの作家さんとつながっているからこそ、ご紹介できる幅も広がるし、ワンフロアですぐに話せるこの環境は、うちならではの強みだと思っています。岐阜ではあまり見られない芸術的な写真だったり、都会的な写真だったり、県外で活動している作家さんを呼んだり、このギャラリーだからできる展示会、私たちだから呼べる作家さんみたいな、『やっぱり他と違って特別だ』と言っていただけるようなギャラリーを目指しています。」

 

プロの写真家はもちろん、趣味で写真を撮っている人、カメラに興味を持ち始めた人など、幅広い層に「pieni onni」を知ってもらいたいと話してくれた。

 

「私たちも趣味から始めて今につながっているので、趣味で写真を撮っている人たちが出展することへのハードルを低くできたらと思っています。私たちが引き継いだことで、同世代のお客様も来てくれるようになったり、私たちを見て来たよって言ってくださる方もいるので、これからももっと岐阜を盛り上げられるような場所にしていきたいです。」

 

ギャラリーとしてはめずらしく路面に位置していること、また、白を基調とした開放的な空間は、訪れる人の心理的なハードルを下げてくれる。こういったところにも、「誰でも気軽に訪れてほしい」という想いが表れているのかもしれないと感じた。

 

④岐阜の文化シーンを盛り上げる場所に

 

リニューアルオープンから、さまざまな工夫を凝らし奮闘中の2人に、今後の目標や夢をうかがってみた。

 

2人とも向いている方向は一緒なんです。『pieni onniを守ること』を共通認識として持っています。『岐阜にギャラリーあったんだね』と言われることがまだあるので、ギャラリーの認知度を上げ、岐阜の文化シーンを盛り上げることが目標です。著名な作家さんを招いて、質の高い写真展を開催できる力をつけて、『岐阜市にこんなに良いギャラリーがあるんだよ』というのを、たくさんの方に知ってもらいたいです。」

 

沢田さんの想いを大事に引き継ぎつつ、2人だからこそできることを取り入れ、新しい風を吹かせたいと話してくれた。

 

「私たちの実績もちろん大切なので、自分の作品のために来てくれる人も増やしていきたいです。成長のためにはやっぱり撮り続けるしかない、写真家って40歳でも若手って言われるんで、私たちもまだまだ若手です。言ってしまえば伸びしろしかないんです。」

 

「いつも見守ってくれている人たちに私たちの姿を見てもらいたいし、これからどんどん大きくしていきたいです。そんなに大変だと思うことはなくて、楽しみながらやっています。」

 

とお二人は笑顔で話してくれた。

 

フォトギャラリー「pieni onni」のさらなる発展と、Yoshieさん、スダマナさんの今後の活躍に期待したい。

 

Yoshieさんの作品

 

 

スダマナさんの作品

 

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