教育学習支援業
岐阜市

企業と子供たちをつなぐ「特定非営利活動法人エープラス」を訪ねてみた。

企業と子供たちをつなぐ「特定非営利活動法人エープラス」を訪ねてみた。
TOM
TOM
岐阜県って、教育に関するイベントも多いよね!
SARA
SARA
そうね!科学体験とか、子どもたちが楽しみながら学べるものが多いわね。
TOM
TOM
じゃあ僕もイベント開こうかな!「楽しく学ぶ昼寝講座」とか!
SARA
SARA
・・・それ、あなたが寝たいだけじゃない・・・
この記事は約7分で読めます。
岐阜市にある「特定非営利活動法人エープラス」をご存知だろうか。
「企業と子供たちをつなぐ橋渡し」を目指し、年越しカウントダウンのような、ユニークで地域全体を巻き込むイベントを打ち出している。今回は、代表理事 藤江 佑司(ふじえ ゆうじ)さんにお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 子供と岐阜の将来を案じたことがきっかけ
  • 強みは行動力と子供とのつながり
  • イベントで企業と子供たちをつなぐ橋渡し
  • 課題はイベントの収益化
  • 若年層から同じ熱意を持った人を輩出したい

①子供と岐阜の将来を案じたことがきっかけ

 

明日成(あすな)株式会社で19年目を迎える塾講師の藤江さんは、塾講師と並行して、「エープラス」の活動にも取り組んでいる。

 

「エープラスの由来は2つあります。勤務先のASUNAの『A』から引用して、塾講師をメインとしながら、さらにプラスした活動に取り組むという意思を込めたことと、一番良い成績の評価に与えられる「A+」を掛け合わせて名付けました。」

 

エープラス設立のきっかけは、塾講師として子どもたちと接する中で感じた、岐阜の将来への不安感であった。

 

「生徒に勉強を教え進学のお手伝いをすることで、結果的に子供たちが岐阜から出ていく現実に気づいたんです。30歳の時でした。旅立ちを止めることはできませんが、せめて岐阜にいる間に、故郷の魅力を知ってほしいという想いが湧き上がったのがきっかけです。」

 

藤江さんが初めに着目したのは、県内の普通科高校生が、岐阜の会社のことを学ぶ機会がなかったことだった。そのため、「岐阜の魅力ある企業や大人を伝える場所を作ること」を目指し始動したという。

 

「岐阜で活躍している企業さんの社名すら知らない子が多かったんです。岐阜は、『西濃運輸』さんや『未来工業』さんを始め、たくさんの魅力のある企業が発足しています。まずは岐阜に関する知識をつけてもらう、とにかく知ってもらうための活動に注力しています。」

 

活動の主な対象は高校生までの若年層だが、保護者世代からの伝播効果も見込み、イベントによっては大人も参加対象としている。

 

塾講師としての本業と並行して、岐阜の魅力を子供たちに伝える活動に挑戦する藤江さん。その取り組みは、子供と岐阜の未来を見据えた新しい形を示している。

 

②強みは行動力と子供とのつながり

 

藤江さんの活動を支える原動力には、子どもへの愛情と岐阜への恩返しという二つの源泉がある。

 

「ASUNAは、もともと私自身が生徒として通っていた塾なんです。その後、ご縁があって社長にお誘いをいただいて就職させていただきました。私には社長や岐阜への恩があります。将来と向き合う中で、『岐阜のために自分ができることをしたい』という原動力に気づいたのです。」

 

藤江さんの強みは行動力で、周りが躊躇するような場面でも一歩を踏み出したり、新しい挑戦に自然と取り組むことができる。現状に満足せず、好奇心を原動力に常に挑戦し続ける姿勢が魅力となっている。

 

エープラスの活動においても、藤江さんの強みを活かして、他のNPO団体との差別化を図っている。

 

「私は現役の塾講師でもあるため、子供と直接的なつながりを持っているのが特徴です。今の子供の考え方を心得ていたり、イベント開催時のスタッフとして信頼関係を築いた上で迎え入れられることが、大きな強みとなっています。」

 

SNSが全盛の今の時代でも、子供たちは自然の中で遊ぶことが好きで、スマホを手放して思いきり遊ぶという。逆に大人がそういう環境を用意することが大切だと語る。

 

「どの団体もリスクがあることは避けたがります。しかしエープラスとしては、自然活動にも積極的に取り組みます。『一見すると今の時代にどうなの?』と思われがちなことにも、様々な学びが隠されているので、固定概念をなくして自由な発想で子供たちに寄り添います。」

 

「行動力」と「子供との直接的なつながり」という強みを活かしたエープラスの独自の取り組みは、子どもと岐阜の未来へのアプローチに、新たな可能性を見出している。

 

③イベントで企業と子供たちをつなぐ橋渡し

 

エープラスは「企業と子供たちをつなぐ橋渡し」を目指し、塾外での様々な活動を展開している。

 

「どの企業も人材不足に苦労していると耳にします。なので、私が対象としている若年層と、企業が求める人材の年齢の差はありますが、数年後に『岐阜にあんな会社があった』とつながる可能性がある、そのきっかけの場となればと考えています。」

 

主催するイベントを、企業の将来の人材への投資として、長期視点での活用を提案している。

 

2020年の設立当初、コロナ禍の影響によりYouTube配信から活動を開始した。現在は以下の3つを主な活動として展開している。

1.各務原西高校での職業講話

 

「10社程度の企業を誘致して、生徒たちが興味を持つ企業の話を直接聞けるというイベントを計画して毎年1月に開催しており、今年で5年目を迎えました。職業講話は、エープラス設立時から実現したかった事で、高校の授業の一つとして、学校側に協力していただいております。」

 

 

2.キックターゲット

 

「サッカーの上手い下手問わず、みんなで楽しめるイベントです。もともと私がサッカー経験があったことから企画しました。パネルを企業名にしたり、景品を企業から提供していただくことで、企業と子供たちの橋渡しとなります。2023年4月から始めYouTubeチャンネルでもその様子を投稿しています。」

 

 

 

3.「モレラ岐阜」での年越しカウントダウンイベント

 

「大晦日の年越しの瞬間をみんなで迎えるイベントです。当日は、音楽ライブやスカイランタンなどの各種イベントが催され、キッチンカーのような出店もあるので、老若男女お祭りのように楽しめます。様々な企業が協賛に入り、スタッフは中学生から大学生まで採用しています。若年層をスタッフとすることで、次の世代による街づくり促進につながる、意義のあるイベントだと考えています。」

 

これらの活動を原則ボランティアという形で運営している。一方で、イベントによっては収益化ができ始めているという。

 

イベントは藤江さんが企画し、当日の運営を学生などに手伝ってもらうスタイル方式。

 

「自分で頑張って働いた対価として報酬を受け取る機会は、良い経験になると捉えているので、カウントダウンイベントでは子供たちにバイト代も支給しています。」

 

エープラスは「企業と子供たちをつなぐ橋渡し」として運営側に徹し、お互いにとって有益な活動を展開している。その取り組みは、新しい形の社会貢献モデルにもつながっている。

 

④課題はイベントの収益化

 

直近の課題は、各種イベントの収益化にあると、藤江さんは話す。

 

できる限り企業に頼らず自分たちで収益を上げたいです。NPO団体なので、収益化しにくい一面はありますが、団体によってはバランスを取りながら、収益化が実現できているところもあります。早期に収益化の仕組みづくりを実現したいです。

 

一方で、NPO団体であるからこそ、「企業と子供たちをつなぐ橋渡し」という役割を果たすことができる。

 

企業側のCSR(企業の社会的責任)活動への意欲と、子供たちのニーズをつなぐことで、地域全体を巻き込むイベントの実現が可能となる。

 

これは営利企業である塾では難しい、非営利団体ならではの強みである。

 

また、NPO設立は、藤江さん個人にも予想外の効果をもたらしている。

 

「人との出会いが格段に増えたのが大きいです。それまでは、塾という限られた日常の世界でしたが、NPO活動を通じて、共感できる大人と出会い一緒に実現することで、新たな体験と視野を得られています。私にとって想定外の副産物です。」

 

設立して4年が経つが、収益化という課題はあるものの、着実に成果が見えてきた。藤江さんは、自身の選択を最良のものだったと評価し、今日も目標に向かって前進を続けている。

 

⑤若年層から同じ熱意を持った人を輩出したい

 

藤江さんは今後の展望について、次のように語る。

 

「例えば、イベントを通じて知った企業に入社したなど、自分の活動によって、子供たちが岐阜に関わる活動をしていることを目の当たりにすること、それが夢です。

 

最近では、瑞穂市長と面会する機会があり、瑞穂市でもカウントダウンイベントを企画してほしいと要望をいただいたり、別事業の団体からも依頼をいただいているという。

 

「フリースクールの運営です。学校に通えない子に対する進路相談など、多角的な視点で提案できるアドバイザーの役割を求められています。」

 

藤江さんの活動の副産物として、着実に目に見える形で表れている。

 

さらに、自身と同じ熱意を持った人を若年層から生み出したいと、藤江さんは語る。

 

「大学生や社会人になりたての子で、NPOを作ってほしいです。若年層が中心となって街を活性化させていく、そんな未来を願っています。」

 

エープラスでの活動を通じて、多くの企業が地域の子供たちを気にしていたり、地域の住民が喜ぶ活動を実現したいと構想している様子を実感しているという。

 

「企業の想いを代弁するようなイベントの企画や、想いの具現化のお手伝いを、これから求められると考えています。動き始めた以上、やり続けるしかない、もう後には引けません。」

 

塾講師として子供たちと向き合う中で、岐阜の未来を見据えた活動を始めた藤江さん。エープラスを通じて、企業と子供たちの橋渡し役となり、地域活性化への新しい可能性を見出している。

 

職業講話やキックターゲット、年越しカウントダウンイベントなど、様々な取り組みを展開中。若年層に岐阜の魅力を伝えるこれらのイベントに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。

 

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