あなたの本来の声を整える場所「NATURAL VOICES」を訪ねてみた。





日本で唯一「呼吸・姿勢・口腔」の資格を持つボイストレーナーが提案する、声を整えるスタジオだ。今回は、代表の 西川 佳甫(にしかわ かほ)さんに、お話をうかがった。
- 「唯一無二の声」を大切に。
- 逆境を糧に声のトラブルに悩む人の力に!
- 声を整える全身アプローチが強み
- 「観て聴いて寄り添う」コーチング術
- 企業の皆様へ提案!声の力で健康経営を!
①「唯一無二の声」を大切に。
NATURAL VOICES(ナチュラルボイス)は、日本で唯一「呼吸・姿勢・口腔」の資格を持つ西川さんが営む、ボイストレーニングスタジオだ。
ここでは大きくわけて3つのトレーニングを用意している。
1.声が出る身体になる「ボイスコンディショニング」
2.発声を覚える「ボイストレーニング」
3.表現方法を学ぶ「歌い方・話し方レッスン」
西川さんはボイストレーナー歴30年を誇り、「声」に対して並々ならぬ想いを持っている。これらのトレーニングは、これまで培ってきた経験と知識を結集させた集大成ともいえるだろう。
「声は単なる音声ではなく、その人の考えや想いを表現する大切な伝達手段です。自分の声にコンプレックスを持つ方もいますが、声には十人十色の個性があって、唯一無二のものです。人は人、自分は自分、みんな違って良いんです。だから、まずは自分や他人の声を認めて尊重して、一人ひとりが自分の声を大切にすることをトレーニングを通じて伝えています。」
人は、声や歌を通じてコミュニケーションを取り交流を深めていく。声や歌は仲間になるための手段であるという考え方が古来よりある。例えば、アフリカのバカ族は、今でも生活の中に自然と歌を取り入れ、互いの声を重ねることで一体感を育んでいる。
「NATURAL VOICES」というスタジオ名には、「自分の自然な声=自声を大切にしよう」というメッセージが込められており、「VOICES」の「S」は、みんなのナチュラルな声が重なり合い、一緒に歌い、声を合わせるという意味がある。
「スタジオ名には、『まず自分の声を大切にして、次にその声を周りと重ね合わせていこう』という、二つの想いが込められています。」
自分の声を認め、他人の声を尊重し、互いの声を重ねて歌おう。NATURAL VOICESは、唯一無二の声を育む場所である。
②逆境を糧に声のトラブルに悩む人の力に!
西川さんにとって音楽は幼い頃から身近な存在だった。歌謡曲が流れる家庭環境で育ち、小学生のころからギターの弾き語りをしていたため、自然と音楽が好きになったという。趣味として音楽を楽しむ中で、「もっと声や歌を深く学びたい」という気持ちが芽生え、東京の音楽スクールに通い始めた。
その後、西川さんがボイストレーナーの道を選んだきっかけは、通っていたスクールの先生からの推薦だった。
「生徒だった自分が教える立場となることに、最初は不安がありました。そんな時に周りの先生から『自分が楽しんできたことを、できる範囲で伝えればいい』という言葉をいただき、背中を押される形でトレーナーとして踏み出しました。」
不安を抱えていた反面、トレーナーとしての活動は軌道に乗り生徒も増え、レッスンの合間に教室運営やミーティングをこなすなど、西川さんは多忙な日々を送っていた。
順風満帆かと思われたが、大きな試練に直面する。朝から晩まで歌い話し続ける生活が続いたことで、声が枯れる「声帯結節」という病を患ったのだ。話す声も伝わりづらくなり、声を出すたびに疲労感が増していく。息が漏れてしまい、普段の呼吸で思い通りの声が出ず、過剰に力を入れないと声が出ない状態に陥った。不安を感じた西川さんは病院を受診する。
「先生から『切りましょう、手術した方が良いです』と勧められました。不安もありましたが、これも経験だと捉え、手術を受ける決断をしました。」
本来の声を取り戻すため、葛藤の末、手術に未来を託した。幸いにも手術は成功し、本来の声を取り戻した。一方で、「なぜ声のプロである自分がこういう状態になったのか?」と深く自問したという。
「再発を防止したい、私と同じように声を枯らす人を増やしたくない、その想いから対策を徹底的に調べました。その結果、既存の方法論では難しく、新しい視点でのアプローチが必要だと考えました。」
西川さんは、リハビリを通して出会った言語聴覚士を師事し、医療的な視点での発声・発声障害の基礎を学んだ。その結果、声の衛生や管理、正しい声帯の使い方組み込んだ、独自のトレーニング内容が生まれたのだ。
「私の場合、一般的なボイストレーニングというより、声のトラブルを抱えている人に寄り添う、医療視点でのトレーニング内容となっています。」
声の病を乗り越えた経験が、今のボイストレーニングの礎に。西川さんは、声に悩む人の力になりたいという想いで、医療視点での唯一無二のアプローチを紡いでいる。
③声を整える全身アプローチが強み
西川さんは、声帯結節という逆境を前にしても乗り越え、それを糧にして進み続けている。その原動力は、「歌が好き」「音楽の世界で生きていたい」という純粋な想いだった。
「私は、自分自身でステージに立つことよりも、音楽に関わる中で誰かを支える立場でいることが好きだったんです。手術により本来の声を取り戻せた喜びを感じたと同時に生まれた『なぜ声が枯れたのか』の原因と対策を知りたいという探究心が、私を動かしました。」
音楽と声への深い愛着が、困難を乗り越える強さを与えたのだ。「声」についての知識を深める中で、西川さんは新たに「身体」に注目し傾倒していく。
「音声の専門家にお話をうかがう機会があり、『声帯はただ振動しているだけ』との見識に触れました。そのうえで、声に抑揚や表情をつけるには『身体』の働きが欠かせないと気づいたんです。」
これをきっかけに、身体を科学的に分析しトレーニングに反映させた、NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)の資格を取得。さらに、呼吸・姿勢・口腔など、声に関わる分野の専門資格も積極的に取得した。
「感覚や伝統に頼る従来の発声指導では対応しきれない人にも、科学的・身体的な裏付けに基づいた内容を取り入れることで、より納得感のあるトレーニングを提供できるようになりました。」
これにより、一人ひとりの身体の状態や感情に合わせた、完全オーダーメイドのトレーニングが可能となった。オーダーメイドのトレーニングの強みは、「声を出すこと」にとどまらず、「その人が本来持っている声」を引き出すために、全身から整えていく点にある。
さらに、トレーニングを通じて、健康や美容、さらには子どもの発育やシニアケアにもつながるという。
「声に悩みや関心を持つお客様が来店されます。教員をはじめとした声を使う職業の方々や、ストレスや疲れを抱えた方、歌手を目指す若者や、健康維持のために通うシニア層などジャンルを問わず、声を出すことで身体を整えることができると好評です。」
明確な目標や期限がある場合は、それに合わせたトレーニング計画を立て、声だけでなく、体調管理や食事、呼吸法など総合的にサポートしている。
声に悩むすべての人へ。西川さんは科学的かつ温かなアプローチで「本来の声」を引き出す。NATURAL VOICESは、声を整え、心身も整える、唯一無二の強みをもっている。
④「観て聴いて寄り添う」コーチング術
西川さんの指導の特徴は、ただ発声を教える「ティーチング」ではなく、本人が納得し、自信を取り戻すことを目的とした「コーチング」にある。
「心と身体の両方から丁寧に観察し、アプローチするよういつも心がけています。」
例えば「音程が取れない」といった悩みを持つ人に対して、音痴や能力不足が原因だと枠にはめるのではなく、音の聞き方に慣れていないだけだと伝え、原因を一つひとつ丁寧にひも解いていく。
「自分の声」と「外から聞こえる音」の両方を同時に聞く感覚は、意識してトレーニングしないと身につかないと西川さんは語る。そのため、レッスン中にリアルタイムで「今、外の音聞いてみて」「次は自分の声を意識して」など、きめ細かい声かけで感覚のズレを整えるサポートをしている。
また、「自分にはできない」という思い込みが心と身体を固くすると西川さんは考えている。
「過去の失敗体験から自信を失っている人には、まず『できること』を一緒に見つけ、小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感と練習意欲の両面を育みます。」
西川さんのコーチングの根本には、「声の症状を観る」という視点で、どんな小さな変化も見逃さないという姿勢がある。
「私は、誰にでもできるようになる力があると信じています。」
一人ひとりの状態に応じた寄り添いを重視するコーチングからは、西川さんの人を信じる強さとありのままを受容する温もりを感じられる。西川さんが提案するトレーニングは、高齢者の嚥下機能(飲み込み)の改善にも効果があるという。
「72歳の女性が『呼吸が不安』『嚥下が心配』と相談に訪れ、2時間のトレーニングを行ったところ、顔の表情や声の明瞭さに大きな変化が現れたんです。この変化は、『良い声が出る=体が元気』という証です。」
NATURAL VOICESが提案するボイストレーニングは、声を整えることにとどまらず心身の健康をサポートするなど、無限の可能性を秘めており、お客様の満足度を高めている。
「お客様が元気になる、その瞬間に立ち会えることが、何よりのやりがいです。」
声に向き合い、心に寄り添う西川さんのコーチングを通じて、身体と心に変化をもたらす感動が、ここにはある。
⑤企業の皆様へ提案!声の力で健康経営を!
西川さんは、「声の重要性を社会にどう伝えるか」を課題としている。
「NATURAL VOICESが提案するトレーニングは、声を起点に美容・健康・メンタルケアなどに派生し、トータルサポートできる点がメリットです。一方で、提案できる幅が多いがゆえに、ターゲットやアピールポイントが定まらない、メリットが伝わりづらくなっています。」
また、「声」の重要性が社会に浸透しておらず、企業においても技術やマナー研修と比べて、声を整えるトレーニングやレッスンは優先度が低いという。
「適切な声が出たうえで、細かな技術を習得した方が、効果を最大化できると考えています。『整えればもっと良い声になるのに』という方が多く散見されるので、歯痒く感じています。」
最近では「呼吸」に世間の関心が高まっている。西川さんは時流に乗って、「声からの健康経営」を世の中に広めていきたいと展望を語る。
「声が出しやすくなると、顔の表情も若々しくなり、呼吸も整って疲れにくくなり、腰痛や肩こりなどの軽減にも期待できます。声の整えが、心身ともに大きな効果をもたらすことを啓蒙していきます。」
西川さんは現在、企業の健康経営との連携に関心があり、新しい取り組みを思案している。NATURAL VOICESは、発声だけでなく、呼吸・姿勢・口腔から声を見つめ直す「全身で整える」ボイストレーニングスタジオである。
自身の病気を糧にし、医療的視点を交えたアプローチと、一人ひとりの身体と感情に寄り添う姿勢が魅力だ。最近不調を抱えている方こそ、ぜひ一歩を踏み出して、その変化を体験してほしい。

詳しい情報はこちら