健康×美髪を融合させた「西森商店」を訪ねてみた。





「体の中から健康に」を理念として掲げる美容院から生まれた、オーガニック商品を中心に扱う専門店である。今回は、オーナーご夫婦の森田 大輝(もりた ひろき)様と、友理(ゆり)様のお二人にお話をうかがった。
- 髪の健康は食から、西森商店誕生
- 「健康と環境の架け橋」が存在意義
- 健康を通じて人と人を結ぶ商店
- 強みは「五感で感じる買い物体験」
- 良い商品を提供して健康な人を増やしたい
①髪の健康は食から、西森商店誕生
西森商店は、森田さんご夫婦が運営する美容院(mollive HAIR CARE)の理念「体の中から健康に」から派生して生まれたオーガニックストアである。約2年の準備期間を経て、2025年3月にオープンした。
「私たちは、『健康な体だからこそ、綺麗な髪の毛が生えてくる』そんな考えを持っています。東洋医学では、髪の毛は『血余(けつよ)=血の余り』と表現されます。『血』は栄養や潤いの意味があり、全身に血が行き渡った後、余った血が髪の毛を作ると考えに由来しています。」
美しい髪を育てるためには、まずは食で体の内側を整えることが重要だと森田さんご夫婦は考えている。そして生えた髪を美しく保つ外側のケアを美容院で担っているのだ。
「今までも美容院のお客様へ食生活のアドバイスを行っていましたが、自信を持って提案できる商品が少なく課題を感じていました。それならば、自分たちで店舗を作り販売しようとなり、西森商店を立ち上げました。」
西森商店は「人と地球、暮らしが気持ちいい」をコンセプトとして掲げ、体に優しい調味料をメインに様々な商品を販売している。森田さんご夫婦は子どもの誕生がきっかけで、健康や環境への意識が高まったという。
「子供の健康を考えたときに、食が一番大切であると気づきました。体は食べ物で作られるので、健康につながる食の視点で提案しています。」
森田さんご夫婦が展開する健康と美容の事業は、共通の土台に根ざしたものである。「お客様をトータルでケアしたい」という想いが、西森商店オープンには隠されている。西森商店という名前の由来についても尋ねてみた。
「『西森』という言葉は、私の旧姓『西部』と、現在の姓『森田』から1文字ずつ取り合わせたものです。」
奥様のルーツと今をつなぐ、大切な想いが店名に込められた西森商店は、「美髪の根源=健康な体」という理念のもと、美容とオーガニックを融合させた新しいスタイルの店舗である。
②「健康と環境の架け橋」が存在意義
西森商店は、オーガニック食品を通じて、人々が健康や環境に関心を持つきっかけとなることを目指している。そのために、試食を通じて「知る」「触れる」「試す」体験を提供しており、店舗規模拡大よりも一人ひとりへの丁寧な接点を大切にしている。
「今までオーガニック食品や環境にやさしいものに興味を持っていなかった人にも、西森商店をきっかけに手に取ってもらえる、そんな架け橋になりたいです。実際に手に取って食べてもらうことで、商品の良さが一番伝わると考えているので、当店では多くの商品の試食を行なっています。」
徹底した顧客目線の姿勢の根底には、「お客様が健康で幸せになることが何よりの喜び」という想いがある。
「皆さん、綺麗で健康になれば嬉しいじゃないですか。私たちが提供するものでお客様が幸せになれば、それだけで良いと思っています。」
また、子どもの誕生を機にオーガニックや地球環境への関心、次世代への想いが強くなったと森田さんご夫婦は教えてくれた。
「子どもや将来の孫の成長を考えたとき、次世代に豊かな自然と食の安全を残すことがすごい大事だなと感じたんです。次世代の子どもたちのために、オーガニック食品や環境にやさしい商品を選ぶ必要があるという考えが、西森商店を通して広まることを願っています。」
森田さんご夫婦は、未来に不安を感じたからこそ、「今、自分たちにできることを」と覚悟を持ち、小さな選択と行動で、暮らしと未来を少しずつ変えている。
西森商店と美容院の運営は、夫婦で役割分担が明確にされている。旦那様は美容院専任で、奥様がサロン業務と西森商店の運営を半々で担当している。
「もともと週2日程度だった西森商店の営業日も、現在は週4日にまで拡大しました。美容院とのバランスをとりながら、運営体制の最適化を模索しています。」
西森商店は、美容と健康をつなぐ架け橋として、お客様の幸せを願い、未来の子どもたちのために「今できることを」と実践する、使命感に満ちた店舗である。

③健康を通じて人と人を結ぶ商店
西森商店では、「自分たちが安心して食べられるものだけを届ける」をテーマにしており、実際に試食し美味しいと感じたものを厳選し、商品を取り扱っている。
「西森商店は構想から開店までに2年を要しました。最も苦労したのは商品選びです。無添加でも美味しくなければお客様に選んでもらえないと思っています。全て自分たちで試食し、納得できる商品だけを取り揃えています。」
また、店内には、オーガニック商品以外にも文房具や洗剤など、「体と地球に優しい」をテーマとした品々も充実している。森田さんご夫婦には西森商店をただの買い物の場だけでなく、「人とのつながりを生む場所」にしたいという想いもあるという。
「私自身がオーガニックに興味を持って以来、様々なワークショップに足を運び、そこで出会った様々な方と交流してきました。その方々を講師として招き、西森商店でもいろいろなワークショップを開催しています。またここから新たなつながりが広がっていくといいなと思っています。」
奥様が足を運んだワークショップで紡がれたご縁により、マヨネーズ作りやお菓子の量り売りなどの多彩なワークショップを西森商店で開催している。
ワークショップを通じて、初めてオーガニックに触れるお客様との会話が生まれ、商品の魅力や考え方、価値観の共有もでき、商品購入まで至るという嬉しい反響もあったという。今後取り組んでいきたいことについても、奥様が教えてくれた。
「私は読書が好きなので、今後は図書館のようなスペースを設け、本の貸し出しも行いたいです。図書館も環境にやさしい活動だと思っています。」
西森商店は、モノの販売を超えて、人と人をつなぐ暮らしの拠点を目指している。

④強みは「五感で感じる買い物体験」
西森商店の最大の強みは、納得して購入できる体験型販売スタイルにある。
「一般的なスーパーでは、パッケージで選んで購入されることが多いと思います。当店は、お客様に試食していただけるので、実際に試したうえでご自身に合ったものを購入できるのが強みです。」
しかも店頭には、森田さんご夫婦が実際に試して「美味しい」と感じたものだけが厳選されて並んでおり、高品質で納得感のある買い物ができる。また、安さよりも「商品の価値」を重視する姿勢も差別化のポイントである。
「ネット販売はあえて行っていません。実際に店舗に来て味わい、会話を通じて商品を選ぶという『五感で感じる買い物体験』を大切にしています。」
お客様との対話も大切にしており、お客様が購入された調味料の使い方のアドバイスをしたり、逆にお客様からおすすめの使い方を教えてもらったりなど、相互のコミュニケーションを通じて、商品の魅力を一層深めている。
「来店されるお客様は女性が中心ですが、意外にも男性の方も増えています。お一人でもいらっしゃいますよ。」
性別を問わず支持を集めている点も、西森商店ならではの魅力である。西森商店は、試して納得できる体験型の買い物を通じて、暮らしの質を高める強みがある。

⑤良い商品を提供して健康な人を増やしたい
森田さんご夫婦は西森商店の課題として「集客」をあげ、解決のために認知度の向上が必要であると考えている。
「より多くの人に店の存在と理念を知ってもらうことが重要だと考え、取り組みの一つとしてマルシェに参加しました。予想以上に多くの方がいらして、皆さん商品の成分表示を確認した上で購入されていたので、健康意識と健康ニーズの高さを感じました。」
今後もこのような対面機会を通じて、店の価値を広く伝えていきたいと意気込みを語る。西森商店が見据える未来は、「健康な人を増やすこと」。
「子どもたちの口にするお菓子一つにしても、安心・安全なものを届けたい。そんな想いが根底にあります。」
体に優しい選択肢を提供することで、病気を未然に防ぎ、人々の暮らしをより健やかにしたい。森田さんご夫婦は壮大な旗印を掲げている。実際に、お客様の意識の変化を感じることもあり、健康志向や体への関心が高まっていることに、手応えを感じているという。
「体の内側を整えることは生えてくる前の髪の毛に着目してアプローチしているので、お客様の生えてくる髪を見ると変化を感じられます。」
こうした実体験を通じて、健康な人が少しずつ増えていく未来を描いている。
西森商店は、美容と健康を融合させたオーガニックストアで、安心・安全な商品を提供している。人との対話を重視し、試食やワークショップを通じて、商品選びの大切さや健康・環境への意識を高めることの必要性をお客様に伝えている。
詳しい営業時間はインスタグラムで確認できる。五感で感じる買い物体験を提供する西森商店に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。

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