医療・福祉
岐阜市

アスリート御用達「十力接骨院」を訪ねてみた。

アスリート御用達「十力接骨院」を訪ねてみた。
TOM
TOM
あーいたたた…久しぶりに野球したら肘が痛いんだよねー
SARA
SARA
え!?大丈夫?県内外のアスリート御用達の話題の接骨院があるのよ!
TOM
TOM
ありがとう!野球じゃなくて人生で三振してる気がするんだけど、それも見てもらえるかな?
SARA
SARA
・・・それは、無理じゃないかしら・・・でも、人生にフルスイングしているって事だから・・・まぁいいんじゃない?
この記事は約6分で読めます。
岐阜市にある「十力接骨院」をご存知だろうか。
競技者を中心に寄り添い、子どもから大人まで、体と心の両面から支える接骨院である。今回は、オーナー兼柔道整復師である、杉本 裕貴(すぎもと ひろたか)様にお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 怪我に悩む選手を支えたい
  • 理念は「自分の力で人を助ける」
  • 十力接骨院の強みは競技者に寄り添う
  • 野球愛で続けるボランティア支援
  • 十力接骨院×野球施設、実現へ

①怪我に悩む選手を支えたい

 

杉本さんが接骨院業界を志した原点は、高校時代の野球経験にある。

 

自身がピッチャーとして試合に出場していた際、チームのレギュラー選手の怪我により、戦力が大きく低下する事態を目の当たりにした。

 

「スポーツをするうえで、怪我の予防や早期対応の重要性を実感しました。怪我は避けられない部分もありますが、それでも相談できるパートナーになりたいという想いから、接骨院業界に興味を持ったのがきっかけです。」

 

医師という道も考えたが、当時の自分には現実的ではなく、より身近で現場に密着してサポートできる「柔道整復師」という職業を選び、専門学校に進学した。

 

十力接骨院を訪れる患者様は、野球選手をはじめとして、サッカー、バスケットボール、バレエなど、さまざまなスポーツ競技に取り組む方が多い。

 

「近隣に競輪場があるので競輪選手が来院するほか、名古屋場所の際には、ある相撲部屋の力士も練習の合間に来てくれます。」

 

野球を原点とする杉本さんは、選手としての経験を活かし、アスリートに寄り添う施術を実践している。現在では、さまざまな競技者にとっての「駆け込み寺」として信頼を集めている。

 

②理念は「自分の力で人を助ける」

 

杉本さんは当初、会社員として接骨院に勤務していたが、その中で自分がやりたい事とのギャップを感じ独立の意思を固めたそうだ。

 

「もともと起業すると決めていたので、3年間の修行という形でノウハウを吸収しながら、起業のタイミングを見定めていました。修行しながら準備を整え24〜25歳の頃に独立へと踏み切りました。」

 

開業当初は各務原にあるテナントで営業を開始し、徐々に固定客を増やしていった。その後、現在の岐阜市に店舗を構えて本格的に展開するに至った。

 

「起業時は不安な気持ちでいっぱいでした。その不安こそが、店名選びの判断軸になったんです。『十力』には、『自分の力を精一杯使い、人々を助ける』という理念が込められています。仏や菩薩が持つ十種の特別な力を指す仏教用語であり、その中でも『聞く力』や『話す力』を使って人を助けようという志を表しています。」

 

不安と覚悟の交錯こそが、杉本さんが接骨院を立ち上げた原動力となった。杉本さんは、「仏教に詳しいわけではないが、「十力」という言葉の意味や響きに強く惹かれた」と話してくれた。

 

杉本さんは岐阜市出身であり、現在は地元で接骨院を営んでいる。もともと地元にこだわっていたわけではないが、さまざまな角度から分析した結果、各務原より移転した。

 

「この地域は接骨院が非常に多いにもかかわらず、その数が減少する気配がなかったんです。そこに疑問を持ち、地域の医療環境を調査した結果、岐阜市周辺には大規模な病院と、連携する各診療科を網羅したクリニックが多く、医療環境が充実していることがわかりました。」

 

杉本さんは、接骨院の飽和地域ではなく、むしろ接骨院のニーズが高い地域であると判断したのである。

 

③十力接骨院の強みは競技者に寄り添う

 

十力接骨院の最大の強みは、杉本さんをはじめとする、スポーツ経験豊富なスタッフの存在である。

 

「私たちは競技者の気持ちが理解できるからこそ、怪我を抱えながらも試合に出たいという選手の葛藤に寄り添い、試合に向けたサポートができると考えています。」

 

仕事において杉本さんが最も心がけているのは、「患者様にわかりやすく伝えること」と「誠実な対応」である。

 

「私は医師の診断や治療方針を尊重しています。そのうえで、病院での検査や治療の内容を理解しきれないままの患者様に対して、専門用語などを噛み砕いて説明し、患者様が自分の状況を正しく理解できるように支援しています。」

 

これにより、怪我の再発予防や心配する家族への安心にもつながる。

 

「選手達は夢中になって一生懸命やっています。誰も怪我したくて怪我したわけではありません。一生懸命に取り組んできた選手たちに対して、私たちも真摯に向き合い、一生懸命に早く治るように尽くしています。」

 

施術においては、「治す」ことを過度に主張せず、「痛みを和らげて日常生活や競技に支障が出ないようにする」ことを目標としている。

 

科学的根拠に基づかない過剰な説明や誇張は避け、必要に応じて整形外科との連携も行うなど、謙虚で誠実な姿勢を貫いている。

 

この姿勢の原点は、高校時代にチームメイトの怪我を通じて感じた「競技者を支えることの重要性」にある。

 

競技者の気持ちに寄り添い、言葉と行動で誠実に向き合う。それが十力接骨院の本質であり、杉本さんが目指す「人を助ける力」の形である。

 

④野球愛で続けるボランティア支援

 

杉本さんは、自身が少年時代に野球中継が日常だった世代として、現在の野球人口の減少に強い危機感を抱き、個人的にボランティア支援を行っている。

 

かつては小学6年生だけでチームが編成できていたが、現在では小学3〜6年生を集めてようやくチームが成り立つほど、選手が減少している。また、審判の数も減っており、これは岐阜市のみならず全国共通の課題となっている。

 

こうした状況の中で、杉本さんは投球測定器を導入し、選手の成長を「見える化」することで、モチベーションの向上と競技継続を後押ししている。

 

「投球測定器は、生徒にとっても指導者にとっても、お互いメリットがあると考えています。例えば、小学4年生の時に球速を測って練習をさせたとして、5年生で球速が10キロ上がれば、子どもは成長を数字で実感できて喜びますし、大人も自分の指導が実ったと感じられ、双方のモチベーションに繋がります。」

 

測定は、杉本さん本人やスタッフがイベント開催したり、少年団や地域の野球チームに出向いたりしている。

 

「野球にはシーズンがあるので、シーズンが始まったら、球速を測る時間がないんです。そのため、2〜3月の試合シーズンが始まる前に測って、翌年の次の学年に上がる時期に、再度測っています。」

 

また、自身の接骨院名を冠した草野球チームも結成し、現在も週ごとに試合に参加するなど、野球への情熱を持ち続けている。

 

杉本さんは、野球人気の報道が盛り上がる一方で、実際にプレーする人口が減っている現実に注目し、自身のできる事から野球人口の減少を食い止めるための草の根的な支援活動を今も続けている。

 

⑤十力接骨院×野球施設、実現へ

 

「私は、十力接骨院に訪れるすべての患者が痛みを軽減し、日常生活やスポーツに復帰できることを、最大の存在意義であると捉え、理想としています。」

 

今後は、現在の施術を軸にしながら、さらにスポーツ分野への支援を広げていきたいと考えている。

 

「ゆくゆくはスポーツ施設を作れたらと構想しています。特に雨天でも練習可能な屋内型の野球施設が良いですね。その際は、十力接骨院の専門性を活かし、投球フォームの指導や故障予防を目的とした『体のプロによるサポート』を融合させる場を目指したいと考えています。」

 

投球測定器の活用により、投球による肘や肩の負荷を科学的に分析し、ケガの予防とパフォーマンス向上に役立てたいという。

 

子どもたちのキャッチボール練習や、選手が安心して体づくりに取り組める環境を整えることで、治療だけでなく予防や育成の面からも貢献できる施設の実現を展望している。

 

十力接骨院は、競技者の心と身体に寄り添い続けてきた「支えるプロ」である。理念は「自分の力を精一杯使い、人々を助ける」。その想いは、施術のみならず、ボランティアや将来の野球施設構想にも通じている。

 

体の不安や怪我に悩む方は、ぜひ一度その確かな技術と誠意を体感してみてはいかがだろうか。

 

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