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各務原市

愛犬に寄り添うアットホームなトリミング「DogSalon Salt」を訪ねてみた。

愛犬に寄り添うアットホームなトリミング「DogSalon Salt」を訪ねてみた。
TOM
TOM
サラ〜!ビションフリーゼに特化したトリミングサロンに行ってきたんだ〜!
SARA
SARA
その仕上がり・・・もしかして、あなたも同じようにしてもらったのかしら・・・
TOM
TOM
そうなの〜!まんまるに仕上がって、歩くマシュマロって言われたよ〜!
SARA
SARA
・・・風で転がっていかないように、気をつけてね
この記事は約7分で読めます。
各務原市にある「DogSalon Salt」をご存知だろうか。
自宅を改装したアットホームな空間で、一頭一頭丁寧にトリミングを行うドッグサロンである。看板犬のビションフリーゼ「ソルトくん」が出迎えてくれる温かな雰囲気の中、今回は、カットやシャンプー、ブラッシングまで犬のお手入れ全般を行うGroomerの片浦 沙紀(かたうら さき)様にお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 幼少期からの動物愛が導いたGroomerへの道
  • 9年間の経験を活かした独立
  • ビションフリーゼ専門の技術力とJKC競技会での実績
  • 一頭ずつ丁寧に向き合う、完全マンツーマンのトリミング
  • ビションフリーゼの魅力を広めるトリミングサロンとして

①幼少期からの動物愛が導いたGroomerへの道

 

片浦さんがGroomerを志すきっかけとなったのは、幼い頃から抱いていた動物への深い愛情だった。特に、家庭で飼っていた犬との暮らしが、将来の進路に大きな影響を与えたという。

 

「小学生の頃から、ずっとワンちゃんのいる生活をしていました。自然と『動物に関わる仕事がしたい』と思うようになったんです。」

 

ペットショップスタッフやドッグトレーナー、動物看護師など、動物に携わる仕事にはさまざまな選択肢がある。その中で、片浦さんが高校時代に惹かれたのがGroomerという職業だった。

 

「いろんな職業を調べる中で、『Groomerが一番自分に合っているかもしれない』と感じたんです。専門学校に進学することを迷わず決めました。」

 

専門学校を卒業後は、2つのサロンで計9年間にわたり経験を積んできた。1つ目の職場では4年、2つ目では5年間勤務。長く続けられた理由を尋ねると、片浦さんは「動物への愛情」と「仕事との相性」を挙げた。

 

「やっぱり“好き”という気持ちが大きいです。動物と関わる日々は、ただ仕事というだけではなく、喜びを感じられる時間なんです。」

 

専門学生の頃から今日に至るまで、片浦さんの原動力は一貫して“動物が好き”という想い。その揺るぎない気持ちが、長く現場に立ち続けてこられた理由なのだろう。

 

②9年間の経験を活かした独立

 

9年間の豊富な経験を積んだ片浦さんが独立を決意したのは、30歳という人生の節目を迎えたタイミングだった。年齢的な区切りであると同時に、環境や心境の変化も重なり、自然と「自分の店を持つ」という選択肢が現実味を帯びていったという。

 

「30歳を迎えた頃から、少しずつ“独立”を意識し始めました。当時働いていたサロンと自宅の距離が少し遠かったのもあって、もう少し近くで続けていけたらと思って、両親ともいろいろ相談していたんです。」

 

そんな中、背中を押してくれたのが、前職のオーナーだった。これまでの働きぶりや現場での姿勢を近くで見てくれていた存在からの言葉は、片浦さんにとって大きな励みとなった。

 

「前職のオーナーとはたくさん話しました。『9年やってきたんだから、大丈夫だよ』って言ってくださって。その言葉にすごく勇気をもらいました。」

 

前職では、ビションフリーゼという犬種のブリーディングを行っていたオーナーのもとで、片浦さんはGroomerとして専門技術を磨いてきた。育種と並行する現場での経験は、現在の繊細で高い専門性のあるサービス提供の土台となっている。

 

独立にあたっては、自宅を改装してサロンを開業。通勤の負担を軽減しながら、落ち着いた環境で施術を行えるスタイルを実現した。家族の理解と応援、そしてこれまで支えてくれた周囲の声に支えられ、片浦さんは“自分の場所”での新たな一歩を踏み出したのだった。

 

③ビションフリーゼ専門の技術力とJKC競技会での実績

 

片浦さんの確かな技術力を裏付けるのが、JKC(ジャパンケネルクラブ)主催のトリミング競技会での実績だ。JKCは犬の血統書を発行する日本有数の団体であり、同クラブ主催の競技会は、Groomerにとって技術を証明する権威ある舞台となっている。

 

「JKCが主催するトリミングの競技会で賞をいただいたことで、JKC認定のGroomerという称号を得ることができました。」

 

競技会は、仕上がりの美しさを競うスタイルで行われ、D・C・B・Aのクラス制で構成されている。初参加者はDクラスから始まり、受賞を重ねることで上位クラスに昇格していく。片浦さんは現在Bクラスに在籍し、最上位であるAクラスを目指して挑戦を続けている。

 

「Dクラスから始まり、賞を取るたびにC、Bと昇格していく仕組みです。今はBクラスに在籍していますが、最上位のAクラスに上がるには、まだまだ越えなければならない壁があると感じています。それでも、毎年挑戦を続けています。」

 

競技会への出場は義務ではなく、任意での参加だ。それでも片浦さんが毎年競技会に挑むのは、自身の技術を高め続けたいという強い想いがあるからだ。競技では、仕上がりの完成度だけでなく、センスやバランス感覚といった総合的な力も問われ、審査は厳格を極める。

 

また、これまでのキャリアの中で最も深く学んできたのが、ビションフリーゼのトリミング。前職で、ビションフリーゼ専門のブリーダーのもとで経験を積んだことで、この犬種特有の丸みや毛量、仕上がりの柔らかさといった繊細な表現を専門的に習得することができた。

 

「もちろん他の犬種もやってきましたが、特にビションフリーゼには一番力を入れて学んできました。だからこそ、この犬種のカットは私の強みとして、より専門的に取り組んでいきたいと思っています。」

 

日々のサロンワークと並行して、競技会への挑戦を続ける片浦さん。その姿勢からは、現状に甘んじることなく、技術を磨き続けようとするプロフェッショナルとしての誠実な姿がにじんでいる。

 

④一頭ずつ丁寧に向き合う、完全マンツーマンのトリミング

 

DogSalon Saltの最大の特徴は、一頭一頭と丁寧に向き合う、マンツーマンスタイルのトリミングにある。多くのサロンではスタッフによる分業制が主流だが、片浦さんは受付からシャンプー、カット、仕上げまで、すべての工程を一人で担っている。

 

「スタッフさんがたくさんいるお店だと、シャンプーとカットが別の人だったりしますよね。でも今は私一人で、受付から最後のお迎えまで全部を担当しています。」

 

トリミングは、シャンプー・カットのほかにも、爪切りや耳掃除などさまざまなケアを含む。これらを一貫して行うことで、犬の不安を最小限に抑えることができるという。

 

「やっぱりワンちゃんにとっては、知らない人に触られるのってストレスになりますよね。だからできる限り、無理をさせないように心がけています。嫌がることを無理に進めるのは逆効果なので、その子に合わせて対応するようにしています。」

 

また、完全予約制で時間帯を区切って一頭ずつ受け入れており、他の犬に気を取られることなく、落ち着いた空間で施術を受けられるのも魅力のひとつだ。

 

「この時間に来てください、と個別に予約を入れてもらって、1頭ずつ時間を決めて対応しています。」

 

設備面でも細やかな配慮がされている。全頭にナノバブルシャワーを無料で提供しており、微細な泡が毛穴の奥までしっかりと洗浄。さらに皮膚が敏感な子には薬用シャンプーや薬用のつけ置き浴なども用意し、それぞれの体質に合わせたケアを行っている。

 

1日に対応するのは2〜3頭、多くても4頭までとし、一頭あたり約3時間をかけてじっくり施術。決して数をこなすのではなく、目の前の一頭にじっくり向き合うことを大切にしている。こうした丁寧な対応が、飼い主からの信頼を集め、DogSalon Saltの人気を支えているのだ。

 

⑤ビションフリーゼの魅力を広めるトリミングサロンとして

 

DogSalon Saltの看板犬「ソルトくん」は、フランス原産の犬種・ビションフリーゼ。ふわふわの白い毛が特徴の愛らしい存在だ。ソルトくんとの出会いも、前職でのご縁からだった。

 

「ビションフリーゼをブリーディングをしていた前の職場のオーナーのご縁で、“看板犬にするならこの子しかいないな”と思って迎えました。」

 

そして名付けの理由も、なんともソルトくんらしいシンプルなものだった。

 

「白っぽい名前をいろいろ調べていたんですが、“ソルト”だけはお客様のワンちゃんにいなかったんです。だったらこの子にぴったりだなと思って選びました。」

 

そのまま店名にも「Salt」を採用し、ソルトくんはサロンの“顔”として、お客様を穏やかに出迎える存在となっている。ビションフリーゼは、日本ではまだ珍しい部類に入る犬種だが、近年その人気がじわじわと高まりつつある。真っ白でふわふわとした毛並みが特徴的で、その愛らしい見た目に惹かれて飼い始める人も増えている。

 

「最近になって、“ビションフリーゼ”という名前が少しずつ知られるようになってきて、飼われる方も増えてきたなと感じています。」

 

ただし、その美しさを保つためには、日々のケアが欠かせないという。

 

「毛が真っ白なので、どうしても汚れが目立ちやすいんです。お散歩に行くだけでも土や枯れ草、くっつき虫がついたりして。気になる飼い主さんは毎月のように通ってくださっています。」

 

このように、ビションフリーゼには定期的なトリミングが必須。だからこそ、犬種の特性をよく理解した上での施術が求められる。片浦さんの持つ専門知識と技術は、ビションフリーゼの魅力を最大限に引き出す上で、頼れる存在となっている。

 

現在、DogSalon Saltを訪れるお客様は、ビションフリーゼを飼っている方たちが中心だ。前職でのブリーディングを通じたつながりや、ホームページを見て訪れるお客様が多いという。また、Instagramでも積極的に情報発信を行い、トリミング後の仕上がりを写真で紹介している。

 

「トリミングが終わったあと、サロン内の写真スペースで撮影して、お客様に送ったり、Instagramに載せたりしています。実際の写真だとカットの雰囲気も伝わりやすく、Instagramを見てご来店くださる方も増えました。」

 

今後は、ビションフリーゼという犬種の認知がさらに広がることを願いながら、より多くのお客様に専門的なケアを届けていきたいと考えている。また、技術の研鑽にも余念はなく、JKC(ジャパンケネルクラブ)主催のトリミング競技会で、より上位のクラスを目指す挑戦も続けている。

 

ビションフリーゼの飼い主の方はもちろん、犬を飼っている方は、ぜひ一度DogSalon Saltを訪れてみてほしい。豊富な知識と確かな技術、そして何よりも一頭一頭に寄り添うやさしいまなざしが、きっと大切な家族をより魅力的に仕上げてくれるに違いない。

 

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