泊まれるサウナという新常識「SAUNA HOTEL GIFU」を訪ねてみた。





オープンからわずか3か月で、ほぼ連日満室という盛況ぶりを見せる岐阜市の新スポットだ。 今回は、オーナーの三田 竜也(さんだ たつや)さんにお話をうかがった。
- サウナーの夢を叶える徹底したこだわり
- 上質な滞在を約束する、こだわり抜いたホスピタリティ
- 不動産からホテル経営へ:直感的な自信と行動力
- 圧倒的な満足度と、今後の展望
①サウナーの夢を叶える徹底したこだわり
近年、老若男女を問わずブームとなっているサウナは、健康や美容への意識の高まりとともに、ただ汗を流すだけでなく、「ととのう」という独特の感覚を求める人々の間で定着しつつある。そんな中、サウナー(サウナ愛好家)たちの間で“夢のような場所”として熱い注目を集めているのが、『SAUNA HOTEL GIFU(サウナホテル岐阜)』だ。
「とにかく知ってもらうことが一番大事なので、名前を見ただけでどんなホテルなのかがわかるように、シンプルに考えました。」
シンプルながらも、ホテルの本質をストレートに伝えたいという思いが込められたネーミングだと教えてくれた。
ホテルの最大の特長は、なんといっても「全室に個室サウナと水風呂が完備されている」点にある。これは一般的なホテルでは非常に珍しく、他人の目を気にすることなく、自分だけの空間で心ゆくまでサウナを楽しむことができる、まさにサウナーにとって夢のような環境だ。
各客室に備え付けられたサウナヒーターには、世界シェアNo.1を誇るフィンランドのサウナヒーターメーカー「HARVIA(ハルビア)」の製品を採用。安定した熱供給とロウリュウに対応した本格的な設計が、質の高い発汗を促してくれる。利用者の好みに合わせて80℃から110℃まで自由に温度調整が可能なため、高温サウナを楽しみたい人も、低温でじっくり温まりたい人も、自分にとって最適な温度でサウナを満喫できる。
サウナ室の壁材には、清水寺や伊勢神宮といった日本の名だたる建築物にも使われている、貴重な「節なしヒノキ」をふんだんに使用している。ドアを開けた瞬間に広がるヒノキの香りにも癒される空間となっている。
さらに、サウナ後のクールダウンに欠かせない「水風呂」にも徹底したこだわりが見られる。水風呂には高性能なチラー(冷却装置)が導入されており、季節や気温に左右されず、いつでもキンキンに冷えた長良川の天然水を楽しめる。水温を適切に管理することで、身体への負担を最小限に抑えつつ、最大限の爽快感を得られるよう工夫されている。
各客室にはリラックススペースが確保され、内気浴をすることが可能だが、ホテルの屋上にも、広々とした「ととのいスペース」を設けている。夜にはライトアップされ、岐阜の夜空の下で外気浴をすることで、心身ともに深いリラックス状態へと誘われる。
サウナを含め、ホテルの空間のすべてが「ととのい」のために設計され、訪れる人々に究極のプライベート体験を提供してくれる。


②上質な滞在を約束する、こだわり抜いたホスピタリティ
SAUNA HOTEL GIFUは、サウナ体験だけでなく、宿泊そのものの質にも徹底的にこだわっている。
まず、フロントでは様々な飲料が無料で提供され、オリジナルサウナハットの無料貸し出しサービスも行っており、細やかな気配りが感じられる。
ホテル1階には、落ち着いた雰囲気の「バーラウンジ」が併設されており、生ビールやレモンサワー、国産ウイスキーなどを楽しめる。サウナ後のリフレッシュや、軽食を摂ったりと、リラックスした時間を過ごせるだろう。
「宿泊される方全員に、1時間の飲み放題サービスが付いています。黒毛和牛の牛丼、カレー専門店の牛タンカレーなど、フードメニューの注文も可能です。」
ヘアケア用品には、美容室専売品としても人気の高い「COTA(コタ)」のシャンプー・トリートメントを採用。また、人気の「ReFa(リファ)」のドライヤーも導入しているなど、サウナ後のヘアケアまで行き届いた配慮がされている。
「気軽に訪れていただけるよう、化粧水や乳液などの基礎化粧品もご用意しています。いずれも質にこだわって選んでおり、特に女性のお客様からはご好評をいただいています。」
年齢や性別を問わず、サウナ―が求めるニーズを徹底的に追求し、それを実現するための設備とサービスが凝縮されている。
ベッドには世界中で愛用される「Simmons(シモンズ)」のマットレスが導入されており、サウナでリフレッシュした体に上質な眠りを提供する。
まさに「サウナーの、サウナーによる、サウナーのためのホテル」と言える。これらのホスピタリティは、訪れる人々にとって最高の満足度をもたらし、リピートに繋がる大きな要因となっている。
③不動産からホテル経営へ:直感的な自信と行動力
愛知県で不動産事業を営む三田社長が、なぜホテル事業、それもサウナ特化型ホテルという異業種に参入したのか。そのきっかけは、意外にも不動産事業における買取だった。
「不動産の仕事の中で、買取事業もしているんです。そんな中でこのホテルの話をいただいて、最初からホテル経営の構想があったわけではありませんでした。ただ、面白そうだなと興味が湧いたので、とりあえず買ってみたんです。そこではじめて“どう活用していこうか”と考え始めました。」
そこから「何か新しいことをやりたい」という思いが湧き上がり、以前から事業としての可能性を感じていた「サウナ」とホテルが結びついたのだそう。
「2020年頃に流行し始めてから、もう5年が経ちますが、今もなお利用者は多く、ニーズが途切れる気配はありません。サウナはすでに一過性のブームではなく、日常に根付いた文化だと感じました。だからこそ、『これで行こう』と決断できたんです。」
サウナを「定着した文化」と捉えたことが、事業の着想点となった。もともと社長自身は、サウナに強い関心があったわけではなかったという。
「ホテル開業を機にサウナについて学び、実際に通ってみるようになって、気づいたら好きになっていました。今では私もサウナーです。」
その体験を通じて培われた理解が、ホテルの細部にまで行き届いた妥協なき設計とサービスのこだわりへとつながっている。
この新事業をゼロから立ち上げるにあたって、三田社長を支えたのは「直感的な自信」だった。
「やり方を間違えさえしなければ、一生懸命やっていれば必ず結果はついてくると信じています。だから新事業に対して、不安はまったくありませんでした。」
リフォームの細かな指示からアメニティの選定、予約サイトの管理画面の操作、さらにはバーでの接客まで、ほとんどの業務を自らの手でこなしてきた。
「新しいことをやるからこそ、まずは自分が理解していないと指示も出せないと思っています。特別なことではなく、それが当たり前のことだと捉えているんです。」
一つひとつの業務に手を抜かず、現場に立つ姿勢からは、強い責任感と覚悟がにじむ。そしてその根底には、「お客様を幸せにしたい」という揺るぎない信念がある。

④圧倒的な満足度と、今後の展望
SAUNA HOTEL GIFUは、2024年12月20日にオープンし、2025年3月から本格的にネット予約を開始した。現在では連日ほぼ満室となる日も多く、多くの宿泊者でにぎわっている。来訪者の多くはサウナを目的とする旅行者であり、平日には出張中のビジネス客の利用もあるという。
宿泊予約サイトやGoogleレビューでは、軒並み高評価を獲得。口コミの内容からも、施設のクオリティや接客への満足度の高さがうかがえる。
順調に見える運営だが、実際には「平日の集客」と「人員の確保」に課題を感じているという。
「現在は10名ほどのスタッフが働いてくれていますが、予約が増えれば当然人員も必要になるので、今の人数では足りません。ホテルは24時間体制なので、時間帯によって業務内容も異なり、適材適所の配置が求められます。シフト管理は本当に大変ですね。ただ、ここにはサウナが好きな人が集まるし、楽しんでくれるお客様が多いので、接客していて面白いですよ。」
今後の展望について尋ねると、まずは目の前のホテルをしっかりと運営することに集中しつつも、お客様からの要望や期待に応えるかたちで「全国展開」への意欲も語ってくれた。今後の動向に注目したい。
『SAUNA HOTEL GIFU』は、単なる宿泊施設という枠を超え、サウナーの夢を現実にした“聖地”として、そして、社長の情熱と信念が隅々にまで息づくホテルとして、今後も多くの人々を魅了し続けることだろう。
ぜひ一度、唯一無二の「ととのい」体験と、社長の熱意が織りなす空間を肌で感じてみてはいかがだろうか。
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