岐阜への愛が詰まったチーズスフレ専門店「岐阜っ子ピヨちゃん」を訪ねてみた。





岐阜への深い愛と、人々を笑顔にしたいという情熱から誕生したチーズスフレ専門店だ。 今回は、代表を務める あやさんにお店の誕生秘話や今後の展望など幅広くお話をうかがった。
- 岐阜と人々をつなぐ「架け橋」
- 笑顔を呼ぶチーズスフレの誕生
- 共創により、愛されるお店へ
- 岐阜を代表する銘菓へ
①岐阜と人々をつなぐ「架け橋」
2025年2月にオープンしたばかりの『岐阜っ子ピヨちゃん』。この店名には、自身が生まれ育った岐阜への尽きることのない感謝と愛情が込められている。
あやさんは、これまで当たり前に感じていた岐阜での暮らしを見つめ直す中で、改めて故郷の素晴らしさを再認識したという。長良川の清らかな流れ、豊かな自然、そして何よりも温かい人々の心に触れ、「岐阜の良さをもっと多くの人に発信したい」という強い想いを抱くようになったのだ。
店名に冠した『岐阜っ子』には、「岐阜と人々との架け橋となり、観光客が岐阜を訪れるきっかけにしてほしい」という願いが込められているそう。事実、オープン以来、SNSや口コミを通じて東京や愛知はもちろん、大阪、滋賀、福井、石川、長野など、遠方からも多くの方が「岐阜っ子ピヨちゃん」を目的に岐阜を訪れている。
「うちのお店が岐阜を訪れる“きっかけ”になっていることがすごく嬉しいですし、この名前にして本当によかったです。」
『ピヨちゃん』という名前と、ひよこのキャラクターには、「希望」「始まり」「未来」といったポジティブな意味が込められているそう。
「小さなお子様からご年配の方まで、幅広い世代に愛される、地域に密着したお店にしたいと思っています。子どもたちが親しみやすいキャラクターとして、チーズケーキの主原料である卵にちなんで『ひよこ』のオリジナルキャラクターも考案しました。うるうるとした瞳とハート型の唇が特徴なんです。」
開業までの道のりを綴ったインスタグラムのリールでは、その試行錯誤の様子が公開されており、多くのフォロワーがその誕生を応援し、共感の声が寄せられている。


②笑顔を呼ぶチーズスフレの誕生
開業する前のあやさんは、飲食ではなくエステのお仕事をされていたそうだ。そんな彼女がどうしてチーズケーキ作りを始めたのか、そのきっかけについて伺ってみた。
「私は、もともとエステ業に従事していましたが、コロナ禍で売上が低迷していた時、テレビでチーズケーキが流行していることを知り、そのあまりの美味しそうな姿に心がときめき、ワクワクが溢れ出しました。『これを作らずにはいられない!』という気持ちに突き動かされたんです。」
どうしてもチーズケーキを作りたい。その想いから、あるカフェに直談判し、そこからエステとの掛け持ちで研究の日々を重ねたそうだ。
「試作を重ねて1年後に完成したチーズケーキは、私にお菓子作りの喜びを教えてくれ、お客様の『美味しい!』という声や笑顔が、さらに大きな原動力となりました。」
やがて「もっと多くの人に笑顔を届けたい」との想いが大きくなっていった。
「ただ一方でオーナーや周りの方に迷惑をかけてしまう現実がありました。『だったら自分で理想のお店をつくろう』『誰にも遠慮せず、自分の思い描く世界を形にしよう』そう決意して、開業の道を選びました。」
店舗開業に向けて、準備を進める中で「自分が作りたい・食べて欲しい」というこだわりよりも、「みんなが求めているもの」を提供することにこそ真の価値があると考え、挑戦を重ねた末に生まれた、あやさんの努力の結晶ともいえるチーズスフレが完成した。
岐阜っ子ピヨちゃんのチーズスフレは、6号サイズで1,200円という手頃な価格が特徴だ。昨今の原材料費や光熱費の高騰により、多くのケーキ店が値上げを余儀なくされる中、あやさんは「もっとケーキを身近なものにしたい」「構えずにふらっと買いに行ける存在でありたい」という強い想いから、この価格で提供を続けている。
「うちでは、カットして売るのではなく、ホール売りを基本とすることで、家族や友人とケーキを囲み、『楽しい時間や美味しさを共有してほしい』という願いも込めています。」
小さなお子様からご年配の方まで、誰もが安心して楽しめるような、素朴で優しい甘さと風味。特に、食べた瞬間「シュワッ」と口の中で溶けるような、ふわふわでプルプルな食感にこだわっているという。
一般的なチーズスフレが「キュッ」とした密度の高い食感であるのに対し、あやさんが作るチーズスフレは、まるでシフォンケーキやカステラのような軽やかさを持っている。
この独特の食感は、細かな温度設定を行い、じっくりと丁寧に焼き上げることで生まれる。さらに、添加物を使用せず、シンプルな食材にこだわることで、年齢を問わず安心して食べられるケーキを提供している。これは、アレルギーを持つお子様や健康志向の高い方々にも手に取って欲しいという温かい心遣いの現れだ。


③共創により、愛されるお店へ
2025年2月のオープン以来、多くの人々を魅了し続けている岐阜っ子ピヨちゃん。オープン当初は、予想を上回る反響があり、一人で対応しきれずに大きな負担を抱えることもあった。そうした大変さを経験しながらも、現在は約10名のスタッフが力強く支え、店舗運営は円滑に進んでいる。従業員を家族のように温かく見守り、その成長や活躍が、あやさん自身の大きな喜びとモチベーションにつながっている。
スタッフと共に行うお店作りも、岐阜っ子ピヨちゃんの大きな強みである。固定観念にとらわれることなく、スタッフやお客様の意見を積極的に取り入れる、いい意味で「こだわりがない」姿勢を貫いている。
「みんなで共に成長しながら、このお店を一緒に作り上げていこうという理念のもと、新商品の開発もスタッフ全員で意見を交換しながら進めています。みんなのポテンシャルが高く、逆に私自身が彼らに引っ張られていることも多いです。」
お客様からの評判も高く、特にインスタグラムには購入した人々の喜びの声や感想が数多く寄せられている。あやさんは、そうしたSNSでのやり取りを大切にし、お客様との「ご縁」を深める機会としている。
お客様の層は非常に幅広い。当初は女性のお客様が多いと予想していたものの、男性も多く、奥様からの頼まれものや手土産として購入していく姿も多く見られるという。幼稚園児から80代のご年配の方まで、まさに老若男女に愛されている。


④岐阜を代表する銘菓へ
オープンからわずか6ヶ月(2025年8月現在)ながらも、多くの人々を魅了し続ける岐阜っ子ピヨちゃん。取材の最後に、今後の展望や夢をうかがった。
「チーズスフレを岐阜を代表する銘菓にしたいです。『岐阜といえば岐阜っ子ピヨちゃん』と言われるような、全国から人々が訪れるお店を目指したいです。」
3年~5年以内に岐阜県内に3店舗を展開するという具体的な目標を掲げるあやさんは、日々商品開発と店舗運営に邁進している。
あやさんの岐阜への深い愛情と、人々の笑顔を願う情熱が、これからも温かいチーズスフレと共に、地域に、そして多くの人々の心に広がり続けることだろう。『岐阜っ子ピヨちゃん』の今後のさらなる飛躍から目が離せない。
あなたもぜひ一度、岐阜愛に溢れるあやさんの人柄と、チーズスフレの優しい甘さに触れてみてはいかがだろうか。

詳しい情報はこちら