顔も心も笑顔になる小顔サロンemuを訪ねてみた。





オーナーである佐藤恵子(さとう けいこ)さんが手がける、整顔マッサージの専門サロンだ。メイクを落とすことなく施術が受けられ、一回の施術で驚くほどの変化を実感できると評判のお店だ。今回は佐藤さんに、整顔との出会いや開業への想い、施術へのこだわりなどをたっぷりと伺った。
- 40歳で出会った整顔で人生が変わった
- 岐阜初のリフレッシュタッチ整顔認定サロンとして技術を広めたい
- メイクしたまま受けられる画期的な施術
- 心を込めた接客で非日常を演出
- 全身を整える総合サロンを目指して
①40歳で出会った整顔で人生が変わった
サロン名の「emu(エミュ)」には、二つの意味が込められている。一つはフランス語で「心を込めて」という意味。もう一つは、ローマ字で読むと「笑(え)む」になることから、お客様に笑顔になってもらいたいという想いが込められている。
「私がお客様に対して大切にしたいのは『心を込めて施術すること』でした。その気持ちにぴったり合うと思い、この名前を選びました。お客様に喜んでいただき、笑顔になっていただきたいという思いを込めています。」
そんな佐藤さんが整顔と出会ったのは40歳の時。それまで、年齢より上に見られたことがなかったという。
「新卒で就職した時も『中学生か』って言われるぐらい、ずっと子供っぽい顔で年齢より10歳くらい若く見られていました。でも30代後半になった時に、実際の年齢と見た目の年齢が近づいてきたと感じたんです。」
子育てに必死で、10年間ほど自分に手をかけられずにいた佐藤さん。しかしある日、スマホの黒い画面に映る自分の顔を下から見て、愕然としたという。
「これはいけないなと思いました。子どもの授業参観で『お母さん来ないで』なんて言われたら悲しいですし、できれば『きれいなお母さんだね』と言ってもらえるようなお母さんでいたいと思ったんです。」
そんな時、三重県に住むお姉さんから整顔サロンを勧められた。お姉さんは日々の仕事の褒美として疲労回復のリラクゼーションのために通っていたという。その話を聞き興味はあったものの高速道路の運転に自信がなくこれまで避けてきたが、ある日思い切って四日市まで運転して行った。
初めて受けた整顔の施術は、佐藤さんの人生を大きく変える出来事となった。
「30分のマッサージを受けた後に鏡を見たら、自分ではまるで10歳若返ったように感じました。帰りの車では、信号で止まるたびについ鏡を見てしまうくらい嬉しかったんです。」
帰宅後、家族からも「顔がちっちゃくなったんじゃない?」と言われ、その効果を実感する。
ぜひママ友たちにこの技術を勧めたいと考えた佐藤さん。しかし、岐阜では整顔の施術を受けられる場所がないことが分かった。迷いながらも、感動した技術を友達にも提供したい、自分でも続けていきたいという想いから、資格取得を決意する。
「自分が資格を取れば、友達に施術してあげられるし、自分自身の顔にも施術できると考えました。」
決して安くはない金額だったが、夫に相談したところ快く背中を押してくれたという。

②岐阜初のリフレッシュタッチ整顔認定サロンとして技術を広めたい
令和2年2月に資格を取得した佐藤さん。
資格取得には、50人への施術経験が必須だった。これは50回ではなく、50人の異なる人への施術が必要なため、幼稚園のママ友や友人の友人など、必死で声をかけて数ヶ月かけて達成したという。その結果、試験も一発で合格した。機械を一切使わないオールハンドの施術だからこそ、実践を重ねることが重要だったと感じているそうだ。
その後、岐阜で唯一のリフレッシュタッチ整顔認定サロンとして開業した。美容業界での経験は全くのゼロからのスタートだった。
「サロンでの勤務経験がなかったので、最初は本当に不安だらけでした。接客の経験はありましたが、美容サロンの接客については全く分からない状態でした。でも技術には自信があったので、きっとお客様に喜んでいただけるはずだと信じて、思い切って挑戦しました。」
佐藤さんは、岐阜で唯一のリフレッシュタッチ整顔認定サロンとして独占することもできる立場にある。しかし独占するのでは無く、岐阜で技術を広めたいと考えている。その理由を尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「自分で整顔をしても顔は変わりますが、自分で触るのでリラクゼーション効果は得られません。だからこそ、岐阜で整顔ができる人を増やして、お互いに施術し合えるようになれば素敵だと思います。この技術は本当に良いものなので、もっと多くの人に広めたいです。」
同じ技術があっても、お客様は「人」で選ぶため、技術が広まることは全く問題ないという。技術に確固たる自信があるからこそだろう。
現在は講師の資格も取得し、岐阜で資格を取りたい人に教えられるよう準備を進めている。

③メイクしたまま受けられる画期的な施術
整顔の最大の特徴は、メイクを落とすことなく施術が受けられることだ。これは多忙な女性たちにとって画期的なサービスと言える。
「エステの場合、朝メイクして、子供を幼稚園に送って、サロンでメイクを落として、またお迎えのために化粧し直す必要があります。この手間がすごく面倒なんです。整顔はそのままできるので、お出かけついでにも寄れるんです。」
特に子育て中の母親にとっては大きなメリットではないだろうか。面倒な手間を省きたいという、佐藤さんの経験に基づいたこだわりだ。
施術内容は、顔の筋肉をマッサージしてむくみを取り、リフトアップを図るもの。「顔の筋トレ」と表現される技術で、重力で下がってきた筋肉を本来の位置に戻していく。
骨を触る施術ではなく、顔の筋肉のツボを押したり、リンパを流したり、優しく揉みほぐして引き上げていくので痛みは全くない。
特にコロナ禍ではマスク生活が長引いたことで、出かけて家族以外の誰かと話す機会が減り、その結果顔の筋肉が固くなっている人が多かったそうだ。マッサージで筋肉を柔らかくすることは重要だという。
「固いスポンジと柔らかいスポンジを水に置いた時、柔らかい方が早く水が浸透しますよね。顔も同じで、マッサージで柔らかくすることで化粧水がぐんぐん入るようになります。」
顔だけでなく、一枚の皮で繋がっている頭皮のマッサージも行う。年齢やストレスで硬くなりがちな頭皮をほぐすことで、目覚めた時には頭がすっきりし、視界が明るくなる効果があり、仕事の効率アップにも繋がるのだ。
実際に施術を受けたお客様からは、驚きの声が続々と寄せられている。
「一番多いのは『痩せたように見える』って言われることです。フェイスラインがスッキリして、体重は変わっていないのに。久しぶりに会った友達から『痩せたよね?』って言われたと喜んでもらえました。」
フェイスラインが引き締まり、たるみが取れることで、体重は変わらなくても「痩せたように見える」そうだ。また、デコルテのマッサージも行うことで肩の位置が下がり、首が長く見えるため、さらなる小顔効果も期待できる。
他にも、肌荒れの改善、髪のハリやツヤの向上、さらには生理痛の軽減や不眠の解消など、美容面だけでなく健康面での感謝の声も多い。施術の持続期間は個人差があるが、最初は1週間ペースで通い、徐々に間隔を空けて最終的には3週間に1回のメンテナンスを推奨している。
定期的に通い「顔の筋肉」に正しい位置を覚えさせることで、徐々に2週間、3週間と間隔を空けることが可能になるのだ。これは顔の筋トレのようなものと考えるとわかりやすいのではないだろうか。自宅でのセルフメンテナンスとして、顔の筋肉を1日5分程度揉みほぐすことも、効果の持続に役立つそうだ。

④心を込めた接客で非日常を演出
佐藤さんのサロンは自宅の一室を改装したものだが、その空間づくりには並々ならぬこだわりがある。
「私自身が他の自宅サロンに行ったとき、玄関が物でいっぱいだったり、生活感のある部屋で施術を受けたりした経験があります。だからこそ、お金を払って来てくださるお客様には、心地よく過ごしていただきたいと思っています。」
シャンデリアやオーダーカーテンで室内を整え、施術中は音楽を流し、香りにも気を配る。お客様がいらっしゃる時は、サロンに関係ない物は全て片付けるという徹底ぶりだ。
「自宅だけど、ちゃんとサロンに来たという満足感を味わってもらえるよう心がけています。空間、香り、技術、全部含めて『来てよかった』と思って帰ってもらいたいんです。」
入った瞬間に「サロンに来た」と感じてもらえるよう、細かいところにまで気を配っている。佐藤さん自身、静かな場所では緊張してしまう経験があったため、BGMを流してお客様がホッとできる空間を提供しているのだ。
また、施術においても細やかな気遣いを欠かさない。佐藤さんの手は大きくてしっかりとしている。以前はコンプレックスだったという。しかし整顔に出会って変わった。
「整顔では、オールハンドだからこそ、お客様の肌の状態を手で感じ取り、一人ひとりに合わせた力加減で施術を行います。私は手の面積が広いので、お客様には気持ちいいとよく言っていただけるんです。」
佐藤さんの手は、しっかりとお客様の顔を包み込むことができる。整顔に出会ったことで、コンプレックスが強みになったのだ。
施術中も、お客様が施術中に不快な思いをしないよう、細やかな気遣いを忘れない。例えば、仰向けで寝ているお客様の顔の向きを変える際や、頭を上げる際には、そっと丁寧に慎重に動かす。これは、佐藤さん自身が過去に受けたヘッドマッサージで髪を引っ張られたり、ブラッシングで乱雑に扱われたりして不快な思いをした経験があるからだ。力加減も、お客様の筋肉の固さによって調整し、オールハンドだからこそできる個別対応を徹底している。


⑤全身を整える総合サロンを目指して
現在の課題は情報発信だと語る佐藤さん。完璧主義な性格から、納得いく内容でなければSNSに投稿できないという悩みを抱えている。
「作り始めた時は『このデザインいいな』と思っても、完成する頃には『この色違うな』となって作り直す。とりあえず出せばいいと言われますが、それができない性格なんです。」
現在は整顔のみだが、最終的には全身を整える総合サロンを目指している。
「将来は『ここに来たら全身整う』と言ってもらえるサロンにしたい。まずは顔から始めましたが、最終的には頭のてっぺんから足の先まで、全部メンテナンスできるサロンにしたい。最終目標は栄養面、食事管理もできるようになることです。」
取材の最後に、大切にしていることを聞くと、佐藤さんは迷うことなく答えてくれた。
「一番大切なのはやっぱりお客様です。たくさんあるサロンの中から私のサロンを選んでくださって、しかも自宅なのに来ようと思っていただけることは本当にありがたいことです。だからこそ、少しでも非日常を感じてもらえるようにしています。空間や香り、技術を含めて『来てよかった』と思っていただけるよう心を込めています。」
岐阜で唯一のリフレッシュタッチ整顔認定サロンとして、技術の普及と共に一人ひとりのお客様に真摯に向き合う佐藤さん。その想いの込もった施術は、きっと多くの人に笑顔をもたらしてくれるはずだ。鏡を見るのが楽しくなるような体験を求めている方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。

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