肌と心が整うフェイシャル専門サロン「TOTONOÚサロン」を訪ねてみた。
美容業界での経験が豊富なオーナーが、もっとお客様に寄り添いたいとつくったサロンだ。今回はオーナーの堀田 さやかさんに、開業したきっかけや美容に対する想いをうかがった。
- 「お客様に寄り添う」ための決断
- 店名に込められた想い
- 美容が本当に好きだからこそ。
- 疲れやストレスから解放される時間
- 美容と福祉をつなぐ新しい挑戦
①「お客様に寄り添う」ための決断
化粧品販売の仕事に13年間携わり、多くのお客様と向き合ってきた堀田さん。しかし、店頭での業務や店舗管理に追われる日々のなかで、「本当にやりたかったこと」を見失いそうになっていたという。
「店頭に立っていると、事務作業や売上管理などのバックオフィス業務に追われてしまって。お客様に寄り添うというより、どちらかというと“化粧品を販売すること”が中心になってしまうんです。それが自分にはどうしてもしっくりこなかったんです。なので自分でやってみよう、と思ったのがきっかけです。」
肩書きや売り上げにこだわるよりも、自分がやりたいお客様に寄り添う美容を実現する道を選んだ。独立を決めた堀田さんが最初に選んだのはヘッドスパだった。
「美容で何ができるか考えたとき、化粧品販売やメイクだけで活動するのは難しいと感じました。そんな時、エステティシャンの友人に『ヘッドスパを学んでみたら?』と勧められたことがきっかけで、新しい学びに踏み出したんです。先が見えず、自分に何ができるのか分からなかったあの時期が、振り返れば一番つらかったですね。でも、進む方向が定まってからは、もう迷わず走り続けようと決めました。」
技術を学ぶ中で、美容業界の奥深さを改めて実感。資格よりも“手の感覚”を磨くことを重視し、地道に技術を積み重ねてきたという。
「ヘッドスパを学び始めた頃、周りはすでにさまざまな講座やスクールを修了した人ばかりで、正直焦る気持ちもありました。でも、最終的に大切なのは“お客様にどう感じてもらえるか”だと気づいたんです。だから私は、自分の技術を丁寧に積み重ねることを大事にしました。」
着々と準備を重ね、2022年12月「TOTONOÚサロン」プレオープン、2023年3月にグランドオープンとなった。
「まずは本当に必要なものから準備を始めて、そこから少しずつ環境を整えていきました。実際に動きながら、少しずつ自分の理想の形に近づけていった、そんな感覚です。」
お客様一人ひとりと向き合うことを何より大切にしている堀田さん。その原点は、販売の現場で感じた小さな違和感から始まり、現在は「寄り添う美容」を実現している。
②店名に込められた想い
「TOTONOÚサロン」の名前は、肌や心を『整える時間を持ってほしい』という想いが込められている。
「日々、頑張っている女性の心も肌も整える時間を持ってほしいと思って付けました。それと、私がサウナ好きで、整うという感覚がすごく好きなんです。だから、お客様にもスッキリしてもらえたらいいなという思いもあります。」
サロンのサービスはデコルテから上をケアする施術で、ヘッドスパも組み合わせながら提供している。
「いろいろなコースがありますが、当店ではヘッドスパとフェイシャルを中心にご用意しています。また、この二つを組み合わせた施術も提供しています。」
堀田さんは美容業界でメーカー勤務8年、販売店で5年勤務と、合計13年以上にわたるキャリアを持つ。子育て期間や一時的に別の仕事を挟んだこともあるが、常に美容が好きという気持ちは変わらなかったという。
「子育てで仕事を離れたり、一時的に福祉関連のお仕事をした時期もありますが、やっぱり美容が好きだから、いまも美容の仕事を続けているんでしょうね。」
“整う”という言葉には、堀田さん自身の価値観が反映されており、お客様が心も肌も整う空間づくりの原点になっている。
③美容が本当に好きだからこそ。
「TOTONOÚサロン」では、肌質改善と心身のリフレッシュを同時に叶える施術を提供している。扱う商材は、肌の健康を守りつつ育てるフェイシャル用のスキンケアライン。施術はデコルテから上を中心に、ヘッドスパでたるみの引き上げも行う。
「肌を育てていくというのが私のこだわりです。こだわり処方のスキンケアラインを使って、お客様一人ひとりの肌に合わせたトリートメントを行っています。」
フェイシャル施術には、ハーブトリートメントや炭酸ローションなどの最新商材を取り入れ、肌の状態に合わせてカスタマイズ。これまで培った知識と経験をもとに、お客様一人ひとりに最適な配合や手技で施術を行っている。
「サロンで扱うものは、私自身が本当に良いと感じたものだけを選んでいます。化粧品やトリートメントも、お客様一人ひとりの肌の状態に合わせて調合しています。例えばハーブトリートメントは、肌質やその日のコンディションに合わせて細かく調整し、最適な仕上がりを目指しています。」
ヘッドスパの効果も大きい。顔や首、頭皮をほぐすことで、むくみやたるみの改善につながり、施術後に即座に変化を感じるお客様も多い。
「ヘッドスパだけでも、むくみやたるみが改善できるので、満足していただけますね。」
堀田さんが大切にしているのは、日常的なメンテナンスで肌を整えること。
「サロンを立ち上げて3年たちましたが、常に進化し続けたい。しっかりとしたメンテナンスで美肌をキープできることをお伝えしたいんです。」
化粧品への情熱と、手技への自信を掛け合わせ、堀田さんの施術はエステの技術にとどまらず、独自の価値を提供している。
④疲れやストレスから解放される時間
「TOTONOÚサロン」に訪れるお客様の多くは、子育て世代や働く女性。疲れやストレスを抱えながら、日常に追われる忙しい人たちだ。そんな人々がサロンに来ることで、心も体も解放される時間を提供したいと堀田さんは語る。
「お客様には少しでも疲れを癒して、リフレッシュしていただきたいですね。『自分って、こんなふうに整うんだ』と気づいていただける瞬間が、私にとって何よりの喜びなんです。」
施術前には丁寧なカウンセリングを行い、生活習慣や肌の悩みまで深くヒアリングする。時には1時間かけて話を伺うこともあるという。
「カウンセリングでは、皆さんの肌の悩みや生活習慣を詳しく伺います。寝不足やストレスなど原因を掘り下げることで、施術やマッサージにも活かせるんです。」
肌の状態や体の緊張具合から、その人に合った施術を判断し、マッサージやフェイシャルトリートメントを提供する。
「姿勢や筋肉のこわばり、表情の柔らかさなどを見れば、お客様の状態はある程度わかります。だからこそ、ここで心も体もスッキリしていただける時間を届けられたら嬉しいですね。」
堀田さん自身、仕事や家庭で忙しく過ごしてきた経験があるからこそ、お客様の気持ちに寄り添うことができるという。
「サロンを始めてから、お客様と一緒に成長していると感じています。私自身も、自分の整え方を学びながら進んできました。その経験を活かして、お客様と共に歩んでこられたと思っています。」
リピート率も高く、口コミや紹介によって新しいお客様も増えている。サロンは単なる施術の場ではなく、心と体を整え、日々のストレスから解放される“自分に戻る場所”として機能している。
「お客様から『ここに来るとスッキリする』『友達に会いに来る感覚』と言っていただけることがあります。それが本当に嬉しいですね。」
お客様に届けられる価値を大切にしながら、堀田さんはこれからも、サービスの質を磨き続けていく。
⑤美容と福祉をつなぐ新しい挑戦
堀田さんは、美容サロンとしてのサービスを深めていく一方で、福祉の分野とのつながりにも関心を寄せている。
「美容の提供はもちろんですが、福祉の分野にも少し興味があって、何か形にできたらと考えています。たとえば、障がいのある方が作ったアクセサリーをサロンに置いて、ご紹介できる場にしたいんです。」
福祉と美容を結びつけるのは簡単ではないが、生きづらさを抱える人が、ここに来ることで少しでも気持ちが軽くなったり、リラックスできたりする場所になれば——そんな思いが根底にある。
「本当に困っている方や悩んでいる方にも向き合いたいんです。美容サロンという枠は守りつつ、心の整理やストレスの解消につながる時間を提供できたらと思っています。」
施術だけでなく、会話やカウンセリングのようなやりとりを通じて、心が整うきっかけを生み出すことも、大切にしている。将来的には、サロンとしてのサービスを継続的にアップデートしながら、より多くの方に価値を届けていきたいと堀田さんは考えている。
「まずは、『今の自分の状態を知ってもらうこと』『実際に体験してもらうこと』が大切だと思っています。お声を聞きながら、もっと喜んでいただけるサービスを増やしていきたいですね。」
美容業界で長く経験を積み、知識や技術には自信がある。しかしその一方で、「まだ伸ばせる部分がある」と感じ、学びを続ける姿勢も忘れない。
「知識は一通り揃っていますが、もっと磨けるところがあると思います。そこを伸ばして、これからもより良いサービスを提供できたらと思っています。」
家族の理解とサポートもあり、独立への迷いはほとんどなかったという。
「私、やると決めたら止まらない性格なので(笑)。家族も『やってみたら?』と背中を押してくれました。これからも、お客様にとっての“整う場所”として進化し続けたいです。」
美容と福祉、体と心——どちらも大切にしながら歩む堀田さんのサロンは、これからも訪れる人々に「自分へ戻る時間」を届ける場として広がっていくだろう。
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