建設業
岐阜市

自社施工で家族の笑顔を紡ぐ「有限会社RAYZ」を訪ねてみた。

自社施工で家族の笑顔を紡ぐ「有限会社RAYZ」を訪ねてみた。
TOM
TOM
最近レトロブームでしょ?なんか不思議と温かみや風情を感じるんだよね~
SARA
SARA
現代にはないデザイン性や、不完全さが逆に魅力的に感じるみたいよ!
TOM
TOM
そういえば、そこの壁紙を張り替えてみたんだけど、どうかな?レトロな雰囲気でいいでしょ♪
SARA
SARA
(・・・ここの壁にヒビ入ってるから修理したら?なんて言わなくてよかった・・・)
岐阜市にある「有限会社RAYZ(レイズ)」をご存じだろうか。
「イクメンリフォーム」の愛称で知られ、住宅・マンションのリフォーム、リノベーション、店舗改装工事などを手がける建設会社だ。今回は、代表取締役を務める武山 令(たけやま れい)さんにお話をうかがった。
今回のツムギポイント
  • 「逃げない」決断で掴んだ信用
  • 娘の難病が導いた、経営の原点
  • 低価格と安心を両立する自社戦略
  • 拡大より継続、理念に基づく未来像

①「逃げない」決断で掴んだ信用

 

岐阜・愛知エリアを中心に「良心価格」と「自社施工」でお客様からの厚い信頼を集める『有限会社RAYZ(レイズ)』。「イクメンリフォーム」の愛称で知られる同社は、単に価格で勝負するのではなく、「リフォームで家族を笑顔にする」という理念を掲げている。

 

その背景には、お父様の会社の倒産、ゼロからの再出発、そして最愛の娘の難病ーー度重なる試練を乗り越えてたどり着いた、武山社長の揺るぎない信念があった。

 

武山社長は就職活動時から、営業としての非凡な才能を見せていたという。

 

「みんな紺のスーツを着て面接に臨む中、僕はあえてチェックのスーツを着て行ったんです。もちろん『なぜそんなスーツで来たんだ』と言われますが、それが逆に印象に残るんですよね。営業は、いかに相手に覚えてもらうかが大切ですから。結果、営業は取らないと言っていたところも含め、面接を受けたすべての企業から内定をもらいました。」

 

入社直後からその才能は開花し、1年目から4億円の売上を達成するなど、輝かしい実績を残す。その後、お父様が経営する建設会社に入り、名古屋に事務所を立ち上げた武山社長は、会社の年商を4億円から14億円へと急成長させる。しかし、順調に見えた経営は、お父様が株の信用買いに失敗したことによる夜逃げという形で、突如崩壊したのだ。

 

「仕事帰りに、母親から『お父さんの荷物がない』と電話がかかってきました。翌日、弁護士から会社を閉める準備をしてくれと言われたんです。」

 

この事態に直面した武山社長は、先輩経営者から「絶対に逃げるな、人に迷惑をかけてはいけない」と厳しいながらも温かい助言を受けた。この言葉を胸に武山社長は会社に残っていた現金や資産をすべて換金し、協力業者への支払いを優先。社員にも3ヶ月分の給与を用意し守り抜いた結果、自身の手元に残ったのはわずか28万円だったという。

 

「業者さんへの支払いをしっかりと果たした結果が、信用となって残ったんだと思います。当時、いろんな社長から『うちの幹部として来ないか』と誘われました。でもまだ30歳、失敗してもいいから自分で挑戦したかったんです。最後のチャレンジだという気持ちで、RAYZを立ち上げました。」

 

この「逃げない」決断と、周囲の信頼を裏切らなかった行動こそが、武山社長のキャリアをゼロから再生させる原動力となった。その人望の厚さが、後の事業を支える土台となったことは想像に難くない。

 

②娘の難病が導いた、経営の原点

 

会社の倒産から立ち直り、奥様と二人三脚で事業を軌道に乗せ始めた武山社長。しかし、再び大きな試練が訪れる。結婚8年目で誕生した長女が、生後6ヶ月で難治性のてんかん「ウエスト症候群」を発症し、一生寝たきりだと宣告されたのだ。

 

順調に事業を拡大していた頃でもあり、仕事に注力していた武山社長は、再び経営者の先輩から厳しい言葉をかけられた。「今は仕事じゃなくて子どもだろう」ーーこの言葉で目が覚めた武山社長は、先輩経営者の助けを借りながら、茨城から大阪まで各地の専門病院を回り続けた。

 

まだ新東名高速道路がない時代、入院が決まった静岡の病院へ、岐阜から片道4時間をかけて毎日通い続けたという。

 

「毎日通うのは正直大変でした。運転しながら泣く日も、心が折れそうになる日もありました。でもふと思ったんです。これは自分が親として、人として試されているんだと。ここで僕が諦めたら、すべてダメになってしまうだろうと思いました。」

 

心身ともに疲弊する闘病生活の中で、娘が初めて笑った瞬間、武山社長の経営観は根本から変わった。

 

「笑顔ってこんな素晴らしいんだなと思いました。それまでは、会社を大きくして売上を上げることが良いことだと思っていました。でも、本当に大事なのは『お客さまに喜んでもらえること』だと、娘に教えられました。」

 

この気づきこそが、「リフォームで家族を笑顔にする」というRAYZの揺るぎない理念を確立させた。圧倒的なコストパフォーマンスを提供する「激安リフォーム」のビジネスモデルが確立したのも、この理念からである。屋号である「イクメンリフォーム」には、仕事も子育ても真剣に向き合う武山社長の強い思いが込められている。

 

③低価格と安心を両立する自社戦略

 

低価格を維持しながらも、リピーターのお客様と紹介による依頼が途絶えることはないRAYZ。この圧倒的な信頼の背景には、武山社長独自の緻密なブランディング戦略がある。

 

まず、圧倒的な低価格を実現できるのは、「完全自社施工」により、徹底的な経費削減を貫いているからに他ならない。

 

「安かろう悪かろうではダメだし、高くていいのは当たり前。お値打ちにいい仕事をするからこそお客さまに喜ばれるんです。うちより安いところはない、むしろ安すぎて心配だとよく言われます

 

そして、価格と並ぶ最大の強みは「信用と安心感」だ。特に近年、リフォーム後の盗難などが問題視される建設業において、武山社長は極めてオープンな姿勢を貫いている。これは、お客さまの生活空間に入り込む仕事であるからこそ、最も重要視している点だという。

 

「僕自身はもちろん、社員もみんな顔を出しています。どんな人が現場に来るか把握できるだけで、安心感につながると思っています。」

 

武山社長は自身のブログやインスタグラムで、施工中の現場、職人の顔、そして家族との私生活まで公開している。この発信が、お客さまにとっての安心感となり、同時にリピートにも繋がっているのだという。

 

実際に、コロナ禍でもRAYZではリピーターのお客様からの依頼が途絶えることはなかったという。

 

すべてをオープンにする姿勢こそが、お客さまとの信頼関係を深める基盤となり、この「顔が見える安心感」と「良心価格」の両立こそが、RAYZの最強の武器となっている。他社には真似できない、武山社長の人間性がそのまま企業価値に反映されている経営スタイルといえるだろう。

 

④拡大より継続、理念に基づく未来像

 

2027年には創業25年を迎えるRAYZ。武山社長の夢は、会社の規模拡大よりも、維持・継続していくこと。会社を大きくすれば利益は増えるかもしれないが、理念が希薄になり、質が落ちることを懸念している。

 

「会社の規模が大きくなると、目が届かなくなるだけでなく、ただ単にこなす仕事になってしまいます。それが本当に喜ばれる仕事かと考えると、やっぱり違うかなと。だから、無理に会社を大きくするよりも、お客さまや社員、家族、みんなが笑顔でいてくれればいいなと思います。」

 

武山社長は、社員に対してもまるで家族のように接し、「やることはやる、遊ぶ時は遊ぶ」というメリハリを重視。年2回の社員旅行を実施するなど、社内の結束を深めている。

 

「昔は家族よりも仕事、売り上げでした。今はそんなことはどうでもよくて、家族や社員が一番大事です。若い社員たちのためにも、僕がいなくなっても困らないように後継者を育てなければいけないと思っています。」

 

また、長女の闘病経験は、現在の事業から派生した社会貢献にも繋がっているという。現在、自傷行為を防ぐ装具を製品化し、同じ悩みを持つ親たちに届けようと動いている。さらに、「障がいを持つ子どもの父親」としての経験や信頼から、放課後等デイサービスなどの障がい者施設の施工依頼も数多く集まっているという。

 

度重なる試練を乗り越え、難病の娘と向き合う中で、「家族の幸せ」と「お客様の笑顔」が土台にある経営を確立した武山社長。確固たる信念に基づき、自社施工による良心価格と、すべてを公開する透明性で、この業界で最も大切な「信頼と安心」を築き上げている。

 

『有限会社RAYZ』は、これからもその独自の経営スタイルと強い信念を貫き、単なるリフォーム会社ではなく、家族の未来と幸せをともに考えるパートナーであり続けることだろう。

 

SNSで記事をシェアしよう

RECOMMEND

記事一覧へ戻る

Instagram